『京王閣競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:7月9日


 京王閣競輪開設61周年記念「ゴールドカップレース」が今日から開幕した。午後から小雨がぱらつく生憎の空模様となったが、バンクでは熱戦が展開された。メーンの特選3個レースは山口幸二、市田佳寿浩のSS両者、地元のエース・後閑信一と実力者3人が順当に勝ち名乗りをあげた。明日は特選を勝ち上がった9人による優秀競走「東京オーヴァル賞」が争われる。
 明日2日目も場内ではファンサービス、イベントが盛りだくさん。先着3,000名様に豪華賞品が当たるスクラッチカードを配布するほか、4R発売中には三浦世二選手の通算500勝を記念した表彰式がバンク内で行われます。場外ステージ・ガーデンシアターでは、パントマイマーKAMIYAMAによるスペシャルパントマイム(5R・8R発売中)や、久保千代志さん、佐野香恵さんによるオーヴァル予想会が予定されています。白熱のレースとともに、是非本場でお楽しみください。


<1R>
成田健児選手
成田健児選手
   オープニングレースは岩本純の先行を7番手から田中雅史がまくり切る展開。小林則之は内に包まれたが、その後ろから成田健児(写真)が鋭く伸びて1着。約5カ月ぶりの勝ち星を挙げた。
 「ギアを下げてから感じが良くなっている。ノリ(小林)がいい位置を取ってくれて、道中ほとんど脚を使ってない。田中君がもう少し早く出切ると思ったけど、3番(岩本)も踏み直してたね。久々の1着はやっぱり嬉しいよ。今節中に、あと1勝して200勝を達成できたらいいですね」
 田中雅史のまくりに乗った上田国広が2着に入った。
 「先輩がうまく仕掛けてくれたのに、1着を取れなかった。脚を溜めていい感じで最後は踏めたんですけどね。あの展開なら勝たないと。ラインから入着したのは自分だけだし、悔しさが残ります。気持ちを切り替えて、明日は勝てるように頑張ります」


<2R>
阪本正和選手
阪本正和選手
   鐘過ぎの3角で和田圭がインを突いて先行。外に浮いた杉山剛をマークしていた阪本正和(写真)が追い上げて3番手を確保。直線は和田と藤森茂樹の中を割って追い込んだ。
 「杉山が出切ると思っていたけど無理そうだったから切り替えた。追い上げて6番(藤川)をキメて、最後は上手く中を割れました。混戦だったし、ラインで決まらなかったのは仕方がない。調子がいいから何とか勝てました」


<3R>
 佐々木浩三の当日欠場により、8車立てで争われた。ラインの長さを生かした東北勢のペース。番手絶好の大槻寛徳が粘る金澤竜二をゴール前できっちり捕らえた。
 「前が頑張ってくれたおかげ。今日はそれだけですよ。金澤君はけっこういいペースで踏んでいましたね。あの展開では負けられません。番手で余裕はありました」
 2着に粘った金澤竜二も納得の表情を浮かべる。
 「駆けやすい形になりました。踏む距離が長くて、少しきつかったです。でも、風はそんなに気にならなかったし、そこそこの状態ですね」


<4R>
 地元期待の鈴木雄一朗は逃げ潰れて大敗。及川裕奨が後方7番手からまくり追い込み、真っ先にゴールを駆け抜けた。
 「1着は久しぶりだから嬉しいです。前期の半年間は大変な思いをしてきましたからね。今日はタマタマです。中団から早めに山原君がまくってくれたので、いい展開になりました」
 先まくりの山原務は3着で二次予選に進出した。
 「かぶる前にと思って仕掛けました。3.71のギアではちょっと足りない感じがしますね」


<5R>
 中村美千隆が地元の屋良朝春を相手に積極果敢に主導権を奪うと、久米康徳が絶好展開をきっちりモノにした。
 「1番(屋良)が止まって出切れないのは分かった。けど、自分に余裕がなくて勝ち急いでしまったのは反省点。もう少し溜めて、ライン3車で1着が争えるようにしないといけないし、そういう展開だった」
 気合を入れて臨んだ屋良朝春は7番手からまくるも不発。勝ち上がりに失敗した。
 「想定してた展開と違った。タイミングが来ても躊躇してしまい、全てが中途半端でしたね。悔しさは、明日からのレースで晴らします」


<6R>
 先手を奪った齋藤昌弘に対し、山本健也はロングまくりで対抗。最終バック過ぎで捕えると、番手の宮倉勇が抜け出した。
 「1レースの成田君が1着で、南関勢に気合が入ったんです。山本君が早めから仕掛けてくれた。出切るまでに相当脚を使ったでしょうね。それでも4着ですから凄いです。(自分は)弥彦から使ってるフレームがいい感じで、調子よく乗れてますよ」
 山本健也は直線で末を欠いたが、勝ち上がりの権利は確保した。
 「カマシ先行でレースを作るつもりでした。8番(齋藤)があんなに踏んで先行するとは思わなかった。過去の数字だけで判断してはダメですね。終始、踏みっぱなしで相当疲れました。しっかりと休んで明日に備えます」


<7R>
坂巻正巳選手
坂巻正巳選手
   古城英之が兄弟子の塩川真一郎を連れて思い切った先行策に出る。7番手からまくった柴田洋輔は直線で長崎達也、一村好伸と接触し、その3名が落車。坂巻正巳(写真)が最終バック9番手から俊敏なコース取りで突き抜け、波乱の結末となった。
 「一村さんと自分を背にした柴田が少し焦ってましたね。彼のタイミングで仕掛けてくれればよかったのに、慌てすぎですよ。風が強くて他の人も伸びてなかったみたい。ずっと脚を溜めて余裕があったのもあるし、コースが空いた。展開がよかったです」


<8R>
須賀和彦選手
須賀和彦選手
   須賀和彦が最終ホームで山田庸平を叩いて先行。地元の朝倉佳弘が番手から余裕を持って追い込み、きっちりと人気に応えた。
 「須賀君が頑張ってくれました。いいかかりでしたね。車間を空けて援護するのが自分の役目。ワンツーが決まって良かったです。合宿の成果も出ているし、脚は軽かったです」
 2着に逃げ粘った須賀和彦(写真)は「地元勢が付いているし、後ろから押さえて先行するのが理想なんですけどね。今日は勝ち上がりも意識して初手は中団から組み立てました。しっかり先行できたし、風も気にならなかった。感じもまずまずです」と上機嫌でレースを振り返った。


<9R>
鈴木謙太郎選手
鈴木謙太郎選手
   9Rからは特選。即席ラインで鈴木謙太郎の番手を回った山口幸二が、まくってきた木暮安由をしっかり止めてから追い込み、SS班の貫禄を示した。
 「鈴木君はダッシュがいいと聞いてたけどその通りでした。風が強い中、いい仕掛けだったよ。木暮には行かれると思ったけど、9番(池田)に内を突かれてから変に脚を使ってたんだろうね。にらんだら止まったよ。自分にとってはいい展開になりました。交わせてる訳だし調子は問題ない」
 鈴木謙太郎(写真)は2着の結果にも満足そうな表情を見せる。
 「今日はどんな形でも先行して、自分の状態を確かめたかった。番手は幸二さんですから、差されるのは仕方ない。スピードには乗ってないけど自分のペースだったし、ゴール前も踏み直せてましたよ」
 打鐘の4角で池田良に内を突かれ、後方となった木暮安由は立て直してまくるも不発に終わった。
 「9番(池田)が内から来て、少し焦った。立て直してからも、行けると思ったけど、幸二さんの動きもあった上、目が合って萎縮してしまった。レースになれば、前回の落車の影響も感じないし、戦える状態です」


<10R>
新田祐大選手
新田祐大選手
   市田佳寿浩が、先制した柴崎淳の番手から追い込んで快勝。好スタートを決めた。
 「淳は自分が番手と言うこともあり、新田のカマシも警戒して、早めに仕掛けてましたね。ラインで決める展開のはずが、新田があまりにも強烈で止められないと判断しました。(GIを獲ってから)前検日まではずっとソワソワしてたけど、アップからはいつも通りの状態で臨めましたよ」
 車間を詰める勢いで猛追を見せた新田祐大(写真)が2着に。
 「何が何でも先行したかったんですけど、それ以上に淳が猛スピードで仕掛けていた。変に車間が空いて追い上げにも苦労しました。悪いなりに何とか戦えてるし、優秀戦に乗れたのは大きいです」
 後方8番手に置かれた山賀雅仁は直線で外を踏むもタイヤ差で届かず4着となった。
 「3着には届いたと思ったけど悔しいですね。新田君が車間を空けすぎです。でもあそこまで伸びられたんだし、いい感触でした。前回までと比べると格段に良くなってます。気持ちを切り替えて、明日に備えたい」


<11R>
平原康多選手
平原康多選手
   最終11Rは地元・埼京トリオがきっちり締めた。先行した平原康多はまくってきた吉田敏洋を自らけん制。その際、空いた内を突いた後閑信一が踏み込んで勝利を収める。後閑追走の岡田征陽が2着に伸び、平原康多も3着に粘った。
 「とりあえず1着でよかったです。結果には満足。まくって来る相手を止めるのは自分の仕事なのに、康多には申し訳ないと思っている。明日も関東ラインで決まるように頑張ります」
 結果は3着だったが、平原康多(写真)の強さが光ったレースだった。 
 「先行すると決めてました。寬仁親王牌の疲れが無いとは言えない中、頑張ったほうでしょう。吉田さんも横まで来てたし、余裕もあったから一度けん制して更に踏み直すつもりだった。後閑さんに内を行かれたのは仕方ない。ライン3車で決まってよかったです」
 最終2角から仕掛け、平原康多をまくり切るかに見えた吉田敏洋は悔しさを隠せない。
 「あんなこともあるんですね。段々とデキは良くなってるけど、前まで出切れないから、ああいうことになるんです。この悔しさは、明日のレースで晴らしますよ」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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