『京王閣競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:7月12日


 京王閣競輪開設61周年記念「ゴールドカップレース」は7月12日に全日程を終了。寬仁親王牌から中3日という日程だったが、平原康多、山口幸二、山田裕仁のSS班3名に加え、地元・後閑信一が勝ち上がり、熱戦が展開された。レースを制したのは後閑信一。東京に移籍後3度目となる地元記念制覇を成し遂げた。

決勝戦 レース経過
 号砲で新田祐大がいち早く飛び出し、山口幸二、後閑信一と続いた。並びは新田―大槻寛徳の北勢が前となり、中団には柴崎淳―山口―山田裕仁の中部勢、平原康多―後閑に中谷渉が付け、そこに単騎の池田良が続いて隊列が落ち着いた。
 周回が進み、青板周回のバックから平原が早めに上昇を始め、前の新田を押さえた。赤板を過ぎ、ようやく新田が車を下げると、それに合わせるように柴崎が踏み込み、前を叩いて先頭に立った。ジャンが入り、一旦は車を下げた新田だったが、平原が内を空けるとスルスルと抜けていき、柴崎の番手まで追い上げる。さらに、池田も同じコースを突いて追い上げ、後閑を飛ばして平原の番手を奪った。柴崎が最終ホームから一気にペースを上げて先行態勢に入る一方で、平原も2コーナーから巻き返して出た。平原はジリジリと番手を上げていくが、柴崎も譲らず両者で激しい力比べに。新田は終始内に詰まって万事休す。両者で併走状態が続くなか、戦況をうかがっていた後閑が前との車間を詰めながら自力まくりを敢行。後閑は好スピードで前団を次々と抜き去り、先頭でゴールを駆け抜けた。マークした中谷が2着に入り、主導権を譲らなかった柴崎後位から山口が追い込んで3着となった。


後閑信一選手
後閑信一選手
 連覇という最高の結果を残した後閑信一。しかし、決して楽な4日間では無かった。連日、平原康多を目標にするも、準決勝では大槻寛徳に番手を奪われ、辛くも3着で決勝戦に進出。決勝戦でも池田良に内からドカされるも、タテ攻撃に切り替え、豪快なまくりで地元Vを手にした。
 「こんなに嬉しいことはないです。去年までは、怪我しながらも何とか戦ってきたけど、今回の優勝が一番うれしい。頑張っていればいいことがあるんですね。池田君が後ろでチョロチョロしてたから、狙われるとは思ってました。やっぱり来たかと思いましたよ。調子を落としてた時はずっとタテの練習をしてたし、前にいた康多を目標に踏み込みました。2センターあたりで行けると思いましたね。京王閣記念の優勝は、特別競輪で優勝するよりも嬉しいかもしれません。5月のFI戦や昨日の準決勝で、お客さんに迷惑を掛けたし、これで少しは返せたかな」

 後閑をマークした中谷渉が2着に流れ込む。
 「9着を覚悟した展開でした。それもあって後閑君がまくったときに力まずにしっかり追走できたと思う。すごい加速でした。自分は前回落車して調整不足だったし、展開が向きましたね。競輪祭の権利を取れたことはうれしいです」

 柴崎淳をマークした山口幸二は、内で粘ってきた新田祐大から番手を死守し、追い込んで3着に。
 「新田が内から来たのは意外だった。内で粘られた時は“誰だ、池田か”と思ったけど車番が違ってましたね。自分としては、淳の番手を守りぬいたわけだし、役目は果たしましたよ」

 果敢に先行し、平原康多のまくりは合わせきった柴崎淳だったが、ゴール前で失速。
 「新田さんが内から来たのはビジョンで見て、慌てて締めました。平原さんのまくりにも合わせたし、キツかった。レースは絶対に先行したかったし、それが出来ただけでも満足です。勝負ギアの3.85で戦って粘れなかった訳だし、ここからワンランク上にあがるには、もっとパワーを付けないといけませんね」

 一方、4日間、後閑信一と連係した平原康多は力を出し切り、納得の様子だった。
 「疲れもあったけど。赤板で誘導を斬ってペースを落とそうと思ったんですけど、誘導が残ってスピードが上がり、変に脚を使わされてしまった。あの展開は、いい状態ならまくりきれてたかもしれませんけどしょうがないですね。結果は悪かったけど、後閑さんが勝ってくれたし、満足してます」

 新田祐大は打鐘から内をスルスルと上昇して主導権奪取を狙うも、ビジョンを見た柴崎淳に締められ番手で粘る。その後は行き場を失い9着に終わった。
 「先行するつもりで内を狙ったんですけどね。あと少しだったのに、淳にタイミング良く締められてしまった。ビジョンがあるのを忘れてました。そこから中団に下げてまくりを狙うよりは、前々にと思って粘りました。あと少しだけダッシュがあれば出切れたかもしれません」


ゴール




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