『京王閣競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:1月25日
 京王閣競輪場で開設63周年記念「ゴールドカップレース(G3)」が、26日から熱戦の火ぶたを切って落とす。興奮のグランプリ(GP)制覇から1カ月足らずで村上義弘が、GPチャンピオンジャージをまとい京王閣に帰ってきた。12年の最優秀選手賞に輝いた武田豊樹、地元の岡田征陽らSS班の5人をはじめとした輪界のトップ選手が、前検日の25日に京王閣入り。選手たちは明日からの激戦に備え、好天に恵まれた冬空の下、バンクで汗を流し、各々の調整を行った。  本場では開催中の毎日、豪華な賞品が当たる先着スピードくじ(3000名)、オーヴァル予想会など、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。初日には「オジンオズボーン」、「梅小鉢」による松竹芸能お笑いライブも予定されています。ぜひ、京王閣競輪場へ足をお運びください。
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 今期は7走を消化して4勝の固め打ち。調子を上げている佐藤幸治が、オープニングの1次予選メンバーを眺めて、いつも通りの笑みを浮かべる。
 「今年はいい感じがします。やっと4回転のギアが合ってきた。今の感じだと4回転でも踏み切れているし、まくりでも自転車が伸びている。京王閣は久しぶりだけど、相性はいいし1レースで頑張りますよ」
 佐藤が長崎へ移籍する以前は、同支部だった五日市誠。前回の和歌山記念では4245着と大敗を喫することなく成績をまとめ、佐藤との対戦を迎える。
 「追加は1週間くらい前に来たし、体調は大丈夫だと思います。今は冬期移動で岸和田競輪場とかで練習をしている。暖かいんで、すごく練習もしやすいし感触もいい。和歌山では感じがよかったし、その感じを維持できていれば。和歌山くらいの成績は残せるかなって思います」

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高城信雄選手
高城信雄選手
 長年ともにS級を歩んできた兵庫の2人が、1次予選でセット。信頼関係の基にラインを組む。高城信雄(写真)は前回の平428着での反省を踏まえながら、こう言う。
 「脚の感じとしては悪くなかったんですけど。レース運びとしてはよくなかったところがあります。決勝には乗れたけど、準決では最終ホームで仕掛けていればラインで決まっていたと思う。いつも澤田(義和)さんには援護してもらっているし、練習も一緒にやっているんでしっかり走りたい」
 澤田義和は前回広島で優出を果たしたが、さらなる上積みが見込めそう。
 「1月の最初に玉野で落車したけど、それは大丈夫。迷ったけど前回から、新しいシューズを使い始めた。今回はそれを少し微調整していけば、もっとよくなってくると思う」

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 前回の松阪での631着が不本意だった森田康嗣。「走ってみないことにはわからないけど」と、前置きをしながらも、今シリーズは抜かりなく初日を迎える。
 「前回の冬から京都に冬期移動をしているんですよ。松阪は自分ではいい感触だと思って、入ったんですけど…。悪かったですね。それからは向日町のバンクに入って練習をしたら、感じはだいぶよくなっていた。感触は悪くないし、今回は大丈夫だと思うんですけど。最近は後ろに迷惑ばかり掛けているんで、うまくラインで決めたい」

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 吉田裕全は今期に入って、大宮記念の補充で1勝、広島でも初日予選で勝ち星を挙げ順調な滑り出しを見せている。
 「去年の後期は体調を崩したりして、体重が8㎏も落ちたりした。それが今は別人の動きです。明日の初日も地元の高橋(大作)さんとお世話になっている川村(昭弘)さんと一緒なんで。ゆるんだり、順番が来たら1周くらいは駆けるつもりで、積極的に行きます」
 調子が戻らない佐川翔吾は、復調へ向けて躍起。キッカケをつかみたいところだろう。
 「前回の広島が終わってから、今回に向けて練習をきつめにやった。調子がよかったころの練習に戻してやってきたんで、それがいい方に出ればと思っている。それに疲れもないし、力を出し切らないで終わることのないように走りたい」

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川口満宏選手
川口満宏選手
 師匠の武田豊樹とのセット配分。今井裕介はいやが上にも気合が入る。
 「ずっと調子が悪かったんですけど。この前の静岡記念くらいからよくなってきた。最近では一番の感触です。(武田には)全然及ばないですけど、少しでも近づけるように」
 13年走り初めの防府で決勝にコマを進めた川口満宏(写真)は、ニヤリと笑って今年の出だしに満足する。
 「去年の後期は一回も決勝に乗れなかった。それが今年は一発目でいきなり決勝に乗れたでしょ。たまたまだとは思うけど、それでも乗れたってことはね。今年はいいことがあるような気がする」

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 ここ2場所で4勝の福田知也だが、前々回の岸和田では初日予選がシンガリ惨敗。納得のいかない顔つきで、近況を振り返る。
 「ちょっと取りこぼしている感じはありますよね。脚は悪くないし、組み立てが悪いんでしょう。岸和田の初日にしたってもったいない。ここまでは練習もできたし、休みも取れたから疲れはない。高木(隆弘)さんとは2、3年ぶりじゃないですかね。そん時はまだ俺も先行してて、バックが10本以上はあったと思う(笑)。今はそこまでバックもないけど、違う面で成長しているし。うまく走りたい」

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屋良朝春選手
屋良朝春選手
 落車禍に見舞われている屋良朝春(写真)。前回の立川での落車直後のシリーズとあって、ホームバンクとはいえ強気になれない。
 「怪我は大したことはなかったけど。練習は完ぺきってほどできてはいない。立川のあとはケアを中心にやってきた。自信はないけど、勝つ競走で頑張りたい。(仕掛けて)行くところで、しっかりと行けるように」
 黒川茂高は、S級2場所目の今シリーズが初の記念。
 「前回は最終日にゴール後落車しちゃったけど、それは大丈夫。S級は流れが早いけど、慣れてくればやれる感じはしますよ」

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原田研太朗選手
原田研太朗選手
 12年の優秀新人選手賞を獲得した原田研太朗(写真)が、初日1次予選のトリを務める。
 「まさか自分がって感じでしたね。それでも選ばれた以上は、去年以上の活躍をしないといけないと思っています。前回の松阪では準決(4着で)飛んじゃったけど、久しぶりに3日間先行ができた。だから内容に関してはよかった。松阪の前は練習の感じがあんまよくなかったけど、ここに来る前は練習の感じはよかった」
 追加配分の前反祐一郎は、原田とのセットに気を引き締める。
 「原田君の番手にジカに付くのは初めてです。本来なら前回の小倉が終わって1カ月くらい空いてたんですよ。それから気持ちの(スイッチが)落ちる前に追加がきたし、問題はないと思う」

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佐藤友和選手
佐藤友和選手
 GPでは車体故障による棄権。13年の始動となった大宮記念では準決で落車と流れが悪い佐藤友和(写真)だが、検車場ではリラックスムード。
 「大宮での落車のあとは14日まで岩手にいてゆっくりしてました。岩手では自転車に乗ってなかったんで、15日に冬期移動先の久留米に行ってから自転車に乗り始めた。久しぶりにリフレッシュができた感じもするし、フレームも落車したヤツを修正にかけて使います。今年は気楽にやりたい」
 和歌山記念では9929着と精彩を欠いていた岡田征陽が、ホームバンクの京王閣記念から仕切り直しのスタートを切る。
 「(競輪祭での落車の)後遺症が残ってたんですかね。いろんな要素があったと思うけど、和歌山は力があんまり入らなかった。今回が今年の一走目と思って、頑張りますよ。SS班の赤いレーサーパンツははいてるって言うより、まだはかされているかんじがする」
 前回の千葉で、好感触を得た菅原晃の表情が明るい。
 「千葉の前の2場所は新車のフレームに乗ったけどダメでした。それで千葉では元に戻したら、いつも通りの感じがあった。それからもここまで期間は短かったけど、練習はしっかりやってきた」

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武田豊樹選手
武田豊樹選手
 和歌山記念では村上義弘との壮絶なデッドヒートを演じた末に優勝をもぎ取った武田豊樹(写真)。ライバル村上を気遣いながら、気合を入れ直す。
 「(GPを)勝って記念を迎えるのと、負けてじゃ全然違いますからね。つらいのは村上君だと思うし、僕の方が(気持ち的に)全然有利だったと思う。和歌山で乗った新車をここでも使う。初日から後閑(信一)さんの前だし、もう今から緊張してきた」
 GPシリーズの準決で後閑信一は、落車のアクシデント。鎖骨々折からの復帰になるが、闘志はメラメラと燃えている。
 「去年にここで落車をした時点で、次はここの記念があるって思ったし。そういう意味でも気持ちは切れていない。京王閣の記念4連覇がかかっているし、ただ走るってだけじゃダメなんで。しっかりと狙っていきたい。(体が)痛いなんて、言ってられない」
 永井清史は前回の松阪が819着と乱調ムード。
 「前回は自分でもパッとしなかったと思う。体の反応がイマイチでした。去年のここのGPシリーズが終わってから、松阪までにだいぶ日にちが空いて。それが原因だと思う。だから、脚にあたりがついた今回の方がいい感じがする」

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村上義弘選手
村上義弘選手
 昨年末の大一番では、劇的なレースで初のGP制覇。村上義弘(写真)が栄光の1番車を身にまとって、思い出の京王閣に再び足を踏み入れた。
 「前回の和歌山を走って、自分でも意外なくらい(GPユニフォームを着ても)何も変わらなかった。それくらいいままでもしっかり責任を持ってやってきた。GPユニフォームだからって責任が変わる訳じゃない。自分がやることは一緒なんで。あとはその位置、その位置で判断をして。新しいことにチャレンジしていかないと、このままでいけないことはわかっている。去年は36勝して、GPもその中の1勝。目標にしてきたし、結果はうれしいけど。いつまでも優勝に浸っている訳にはいかない。苦しい戦いが続いているのも事実なんで。しっかり頑張っていくだけ」
 大塚健一郎は昨年の競輪祭の落車で骨盤骨折の大怪我。およそ2カ月ぶりの復帰となるが、例によって淡々としたもの。
 「(落車も)実力です。それがすべてなんで。ここまで準備もしてきたつもりだし、仕事に来た以上は…。あとは気持ちでどうにかする」
 今回から新車を投入する山崎芳仁が、マイペースでインタビューに答える。
 「普通に練習もやってきた。2勤1休のペースで変わらずに。今回はGPのと違う新車です。乗った感じはすごくいい」
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