『京王閣競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:1月26日
 京王閣競輪場で開設63周年記念「ゴールドカップレース(G3)」が26日に幕を開け、好天の下、初日から激しいバトルが展開された。メーンの特選では岡田征陽、後閑信一のホーム勢が9、10レースで白星を挙げるとバンクは大いに沸いた。さらにトリの11レースではGPチャンプの村上義弘が人気に応え、場内は一段とヒートアップ。初日を締めくくった。明日の2日目には特選を勝ち上がった9選手により、優秀「東京オーヴァル賞」が行われる。
 本場では開催中の毎日、豪華な賞品が当たる先着スピードくじ(3000名)、オーヴァル予想会など、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。2日目には「特命戦隊ゴーバスターズ」ショー、「スピーチーズ」によるミニライブも予定されています。ぜひ、京王閣競輪場へ足をお運びください。
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和田圭選手
和田圭選手
 重倉高史の主導権。最終ホームを過ぎて五日市誠は4番手を確保したが、新井秀明に割り込まれた和田圭(写真)は連結を外して苦笑い。早めの追い込みで、外を突き抜けての1着も手放しでは喜べない。
 「(五日市と)離れちゃいました。下がってくるのかと思って…。最後はみんなが内に行ったから外を伸びた感じですよ。重かったけど、落車明けにしてはいいんじゃないですか」
 車間を空けた4番手から五日市誠は、早めの追い込みで前団を飲み込んだが和田に交わされて2着。
 「なにをやっても和田君には勝てない(笑)。あそこは新井さんが降りて来て、(佐藤)幸治を迎え入れちゃうと自分は7番手になっちゃうんで。それだけはと思って、あの位置を取った。イメージとしてはもっと突き抜ける感じなんで。ゴールまで踏み切れているけど、そんないい感じではないですね」

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 最終ホームで緑川修平を楽に叩いた城幸弘が先行。高城信雄は7番手に置かれて、中団の緑川も車間が詰まらない。関東ライン3車のゴール勝負は、3番手で脚を溜めた篠崎高志が突き抜けた。
 「なかなか(前を)抜けてなかったし、1着は久々ですね。ここに来る前に中村淳さんにセッティング見てもらって、自転車がいい感じになりましたね」
 抜群のタイミングで仕掛けた城幸弘は、ラインでの決着に気持ち良さそうに汗をぬぐう。
 「高城さんと緑川さんで2人がやり合ってくれたらと思ったんですけど。(高城が)前に出させたんで、もうあそこでは行かないとって。7番手になっちゃいますからね。当たられてスピードを殺しちゃったし、バンクも流れていない感じです。それでも今回から自転車を換えたのがよかった。乗っている感じが全然違います」

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 最終ホームを過ぎて仕掛けた森田康嗣が、ロングまくりで逃げた古城英之を仕留めて北日本ワンツー。番手の谷津田将吾が森田を追い込んで久しぶりの白星を飾った。
 「最近、不甲斐ないレースが多かったんで、(森田の)踏み出しに集中していた。練習はしっかりこなしているんですけど。師匠(谷津田陽一)からも練習したあとに、しっかり休養を取ってみたらって言われて。それで今回はここに来る前の2日間は完全に休養した。結果が出てホッとしました。」
 好感触を得た森田康嗣が、笑顔で振り返る。
 「蒔田(英彦)君が自分にフタをしないで、そのまま行ってくれたら今日はカマすつもりだった。あそこ(最終ホーム)は見たくなるところなんですけど、仕掛けて行けたしよかった。前回よりも感じは全然いいですよ」

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高橋大作選手
高橋大作選手
 佐川翔吾が主導権を握って、5番手を石丸寛之と吉田裕全で取り合い。外併走の吉田は最終ホームから、地元の高橋大作を連れてまくりを敢行。自らも2着に粘り込み、高橋との上位独占に満足気。
 「最高ですね、(走り終わって)脚が痛いけど、自分にとってはいい脚の痛みです。自在でやっていくには1周くらいは行けないとダメだし。地元が付いているんで、小さい競走はしないように心掛けた。大宮記念は(補充で)初日から走れなかったから、今回はその分もって思っている」
 地元勢のトップバッターとして勝利を飾った高橋大作(写真)が、ホッと胸をなで下ろす。
 「余裕がなかったですね。もうちょっと(吉田との)車間を空けられればよかったけど…。1コーナー過ぎに9番(三谷政史)が飛び付いてくるかと思ったんで。それからはやっぱりラインの力。この1着は大きいけど、あと3日間あるんでしっかりと」

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 最終2コーナー手前で今井裕介との踏み合いを制した本村隆文が、あれよあれよの押し切りで後続をシャットアウト。
 「初めてギアを4.08に上げて感じはよかった。前回が悪過ぎたので、今回はしっかりと練習してきた。もしダメでも力は出し切ろうと思ってたし、2分戦だから出ちゃえばっていうのもあった。9番(山口貴嗣)が粘らなかった時点で、すかさず仕掛けて行けたのもよかった」
 3番手の垣外中勝哉が、山口泰生をタイヤ差だけ交わして2着に入った。
 「周りのみんなが重いと言う割には、今日は軽く感じたし。自分の調子がまずまずいいのかもしれないですね」

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 細切れ戦とあって展開はもつれ、福田知也も小林弘和にインをすくわれたが立て直しに成功。得意のまくりで1次予選を1着でクリアした。
 「舘(泰守)さんも掛かっていたけど、自分の踏み出した感じがよかったし、行けるかなって思った。後ろが高木(隆弘)さんだと思ったので、必死に仕掛けたんですけど」
 逃げた舘の番手から原真司は、福田を追走した那須久幸を弾いて2着。
 「舘さんが頑張ってくれたし、自分の状態も流れも上向いてる感じがします」

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中澤央治選手
中澤央治選手
 初めての記念でも物怖じすることなく黒川茂高は、自分のスタイルを貫いて打鐘から果敢に主導権。後続に反撃の隙を与えず近畿の3人でワンツースリーを飾った。
 「展開です。自分くらいだったら軽くまくれるって、周りは思ってたかもしれないですね。今日は風があったけど、自分は風には強いし。前回の落車も問題ない感じです」と、謙虚に振り返る。
 昨年はわずか5勝にとどまった中澤央治(写真)が、久しぶりの1着をもぎ取って口も滑らか。
 「(黒川との)車間を空けたんですけど、予想以上に空きましたね。それでも自分には余裕があった。タイムはそれほど出ていないと思うんですけど、(黒川は)ずっとペースが上がっていく感じ。屋良(朝春)君も見えて来なかったし、自分に展開が向きました。今の競輪は展開ですから」

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伊藤正樹選手
伊藤正樹選手
 先行策を取った原田研太朗の番手に、柏木伸介が飛び付いてもつれる。後方でじっとタイミングをうかがっていた伊藤正樹(写真)は、詰まった隊列を目掛けてまくりを打った。
 「原田君の後ろが空いているのが見えたんですよね。最近は初日に失敗しているし。確実に(2次予選に)上がりたいと思ったんで、そこに入ろうとした。それで最後はスピードを上げるのが遅れた。原田君の前にちゃんと出ちゃえばよかったですね」
 伊藤のまくりに乗った吉田健市が逃げ込みを図る原田をとらえて1着。
 「(伊藤)正樹さんが強かった。自分はあれでスピードに乗せてもらったし、初日に1着で本当によかった」

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岡田征陽選手
岡田征陽選手
 打鐘で主導権を握った藤田竜矢が、地元の岡田征陽(写真)を連れてハイペースで飛ばす。岡田は小埜正義のまくりをけん制して早めの追い込み。SS班での初勝利をホームバンクで飾った。
 「地元の応援に本当に感謝です。藤田君が気持ちよく行ってくれたし、できればワンツーを決めたかった。でも、地元なんで今日は1着を取らしてもらいました。前回はだらしない競走をしてしまったし。(1着で)ちょっと落ち着きました」
 目標の佐藤友和が不発も佐藤慎太郎は諦めない。最終3コーナーから内よりに進路を取って、諸橋愛と岡田の間を強襲。2着に突っ込んだ。
 「道中も余裕があったし。あれで2着ならオッケーですかね。前回は初日に落車して、そのあとに走って痛みとかは残っていたけど。その中では感じもいいんじゃないですか」と、自らを納得させる。
 佐藤慎に当たられながらも諸橋愛が踏ん張って3着。
 「今日はギアを3.92に落としたけど。今日の展開だと足りない気がする。あれなら4回転の方がいいんですよ。でも、もつれた時のことを考えると…」

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後閑信一選手
後閑信一選手
 7番手に置かれた武田豊樹だったが、最終ホームから反撃を開始。中団の岩本俊介と絡み、山内卓也のけん制にあいながらも執念で関東勢に勝利を呼び込んだ。
 「今日は後閑(信一)さんが強かった。最大の100%の巻き返しで、あれで後閑さんに差されているんですから。これで課題ができたし、こういう一戦、一戦を大切に成長していきたいです。明日はまた後閑さんの前なんで緊張します。それに自力の村上(義弘)君とですから。自力の村上君の総合力はすごいし、彼はやっぱり自力選手なんで」
 後閑信一(写真)が落車明けにもかかわらず、最後のハンドル投げで驚異の追い込みを見せた。
 「武田君は強い。普通の選手じゃあれは行けないですよ。それで迷いがありました。自分は気持ちが入っていた」

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山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 稲川翔の番手の村上義弘は山崎芳仁のまくりに合わせて番手発進。シリーズを白星発進で人気に応えた。
 「あれだけ行ってくれたら、その気持ちに応えないと。自分は一戦、一戦が頑張るだけです」
 村上マークから流れ込んだ志智俊夫は、村上の強さを絶賛する。
 「(山崎が)いいスピードだったし、行かれたと思った。そしたら村上君がちゃんと止めて、出ていった。強いですね」
 7番手からの巻き返した山崎芳仁(写真)は、最終3コーナーでは村上に迫ったが合わされて万事休す。
 「悪くはないと思うんですよね。新車の感じももうちょっとセッティングが出てくればいいし。今日は詰まったら行こうと思ってたんですけど。最終ホームでは思ったほど詰まらなくて、1センター過ぎに行った。村上さんじゃなければ行けてたと思う」
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