『京王閣競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:1月27日
 京王閣競輪場で行われている開設63周年記念「ゴールドカップレース(G3)」は2日目を迎え、熱戦が繰り広げられた。メーンの優秀「東京オーヴァル賞」では武田豊樹と村上義弘が激突。レースは村上が主導権を握り、番手の志智俊夫がゴール寸前で村上を交わして「東京オーヴァル賞」を制した。明日の3日目はファイナルをかけた準決が行われる。佐藤友和の脱落はあったが、好メンバーがそろい見応え十分のレースになりそうだ。
 本場では開催中の毎日、豪華な賞品が当たる先着スピードくじ(3000名)、オーヴァル予想会など、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。3日目には「ヒカリゴケ」による松竹芸能お笑いライブ、「深谷知広選手&山口幸二氏」によるスペシャルトークショーも予定されています。ぜひ、京王閣競輪場へ足をお運びください。
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菅原晃選手
菅原晃選手
 菅原晃が打鐘で出て先行態勢を取ると、前受けの森田康嗣が稲川翔との中団取り合いを避けて7番手に下げる。願ってもない好ポジションを労せずに手にいれた稲川は、逃げる菅原を射程圏に入れて最終バック過ぎからのまくりで1着。
 「昨日よりも気持ち的には楽でしたね。中団だったし、あれで動かないより、力勝負して負けたらしょうがないって。悔いだけは残さないように、行くだけ行った。そしたら思ったより伸びた感じ。調子の方はあんまり自分では考えないようにしている。それでも前々に体が動いているんで。やっぱり(勝ち上がって)また一緒に(村上義弘と)走りたい」
 風を切った菅原晃(写真)が、逃げ粘っての2着。息を切らしながら、苦しそうに引き揚げて来ると検車場にへたり込んだ。
 「展開は思った通りだったし、今日は駆けるつもりだった。昨日は風を受けてなかったし、今日は苦しかったですよ。ちょっと重い感じもするけど、勝ち上がれたからよかった」
 菅原マークから流れ込む新井秀明を、ゴール寸前で交わした中澤央治が3着。
 「(稲川)翔は絶対に後手は踏まないんで。それからまだ菅原君が踏み上げている時に翔が無理やり行っているから、俺もちょっと離れた。翔とは最初に俺が1着を取らしてもらったけど、その後からの連係では全部1着は翔ですよ。6、7連勝してるんじゃないですかね」

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勝瀬卓也選手
勝瀬卓也選手
 スタートけん制が長引いて前攻めを余儀なくされた藤田竜矢だったが、福田知也、本村隆文と次々と襲い掛かる別線を突っ張り主導権を死守。奮闘の先行で2次予選を2着でクリアした。
 「むちゃくちゃ脚を使いました。地元の人たちにはお世話になっているし。前受けになった時点で、全部突っ張ろうって思いました。福田君を突っ張ってから、6番(本村)を出しても厳しいし。とにかくきつかった…」
 目標の福田は山内卓也に合わされて不発。勝瀬卓也(写真)は最終3コーナーからうまく潜り込んでコースを縫うと、直線で鋭く伸びて突き抜けた。
 「たまたまですよ。2センターのところはちょっと危なかったですね。2次予選はどうしてもクリアしたかった。準決に乗らないとつまらないし。昨日はもっとうまく踏めていれば3着に入れたし、そこら辺はまだまだだなと。今日は1着だったんでよかった」
 勝瀬よりもさらに内に進路を取った高橋雅之が、最後は川口満宏を弾いて3着に入線。
 「一回、勝瀬さんを待って。それから自分は内に行きました。今日はギアも上げたし、スタートけん制があったりもしていっぱいでした」

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永井清史選手
永井清史選手
 赤板で原田研太朗の上昇に合わせて出た永井清史(写真)が、そのままペースを握って先行。別線をクギ付けにする内容満点のレースで、中部ラインでの上位独占をメイクした。
 「自分が突っ張った時点で原田君は引いたんで、それなら先行しようって。来られてしまうと、あそこからじゃ踏み合っても意味ないんで。昨日よりも風がないし、今日はその分走りやすかった。今回は動けているのが、なによりです」
 「やることやってなんで、申し分ないです」と、番手から追い込んだ伊藤健詞は、ラインでの勝ち上がりに満足する。
 「中部でワンツースリーだったんで、言うことないです。永井ちゃんはあそこから行くとは思ってなかった。(原田を)出さしてのまくりかと思ったら、あのまま駆けちゃった。自分の余裕はあるし、願ったり叶ったり(笑)」
 3着の渡邊健が前の2人を称える。
 「永井君がよく掛かっていたし、前の2人が頑張ってくれた。後ろに6番(米原大輔)がいたけど、自分の内には来ないと思って落ち着いていました」

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坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
 重倉高史の前受けでパニックになった北津留翼だったが、後ろから押さえて先頭に立つとシンプルに突っ張り先行。落ち着いた走りで、高いポテンシャルを存分に発揮した。
 「重倉君が前っていう組み立てを考えてなくて…。それで本当にあれはヤダなって感じでした。あとはもう全部突っ張ろうって。最後は(坂本)亮馬に内から来られたけど、3着に残れてよかった。必死でしたよ。これでもっと脚がついてくればいいんですけど(笑)」
 岩本俊介のまくりを止め切れなかった坂本亮馬(写真)は、最終4コーナーでは北津留のインを抜け出して1着。
 「(北津留)翼があんだけ行ってくれてるのに、内に行って悪かったですね。その前も(岩本が)止まらなかったし、直線で来られると難しい…。未熟でした。それでも1着でホッとしたし、明日も盛り上がるレースをしたい」
 最終バックでは最後方の9番手だった三谷政史。万事休すかと思われたが、重倉のスピードを借りて巧みなコース取りから2着に突っ込んだ。
 「最終バックではどうなることかって思ったけど。重倉君がスピードに乗せてくれた。今回は弟2人と一緒に練習をしてきて、自信を持って臨めている」

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小埜正義選手
小埜正義選手
 赤板を通過して伊藤正樹ラインが先頭に出ると、小埜正義(写真)は、3番手で山崎芳仁をインに閉じ込めて併走。打鐘の4コーナーまで引きつけてから、踏み上げて主導権を奪取。思惑通りの展開に持ち込んだものの、山崎にあっさりまくられて3着がいっぱい。
 「いや~、まいった。思った通りの形にはなったけど。山崎さんはあんなに早く来るとは思わなかった。一泡吹かせられればって思ったけど、簡単に行かれてしまった。一番最高の展開なのにラインで決められないのは僕の力不足…」
 すかさず反撃に出た山崎芳仁が、格の違いで前団を飲み込み人気に応えた。
 「前を取るとあの展開が見えていたんで、できれば前は取りたくなかった。その後はホームで(仕掛ける)タイミングを取ると、行けても3着か4着くらいになるし。とりあえず行かないとって思って踏みました。自分の感触も悪くはない」
 山崎の加速力を体感した五日市誠は、流れ込んでの2着に一息つく。
 「よかったっす。もう全然、抜けるどころじゃなかった。(山崎に)付いていく分には、感じもいいと思う。それでも終始離れ気味だったし、いつ狙われてもおかしくなかった」

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原真司選手
原真司選手
 SS班の佐藤友和を向こうに回して、記念に初チャレンジの黒川茂高が果敢に逃げる。後続を一本棒にして最終ホームを通過。最終バックで7番手からまくった佐藤は不発。黒川ラインの3番手付けた原真司(写真)が、直線で伸びて大金星を挙げた。
 「自分の脚は問題ない。それよりも黒川君が強かった。余裕はなかったけど、吉田(裕全)君が(まくって)来て、それに被る前にと思って踏んだ。展開がよかったですね」
 中団からまくり追い込んだ吉田の動きを見て、阿部康雄がさすがの判断。歴戦の読みで空いたコースを伸びて2着に入った。
 「(佐藤)友和が来ていたし、外は行けなかった。あとは内でどこまで行けるかと。とりあえず(2着で)よかったです」と、目を細めて汗をぬぐう。
 小林寛尚はゴール前のハンドル投げで、紺野哲也との3着争いを制した。
 「(黒川は)あとからどんどん掛かっていくし、本当に強かった。自分も後ろで付きバテした感じがする」

<11R>
志智俊夫選手
志智俊夫選手
 赤板手前から武田豊樹が出るが、後ろは後閑信一と大塚健一郎で競り。後閑は番手勝負に専念。
 「まずは競り勝つことだけを考えていた」との後閑が番手をキープしたが、死角を突いて村上義弘が反撃。打鐘の3コーナーでは武田を叩いて主導権を奪取。志智俊夫とのゴール勝負に持ち込んだ。
 「武田さんの後ろが競りっていう有利性を最大限に生かした。一番強い人(武田)に先行されたら、どうしようもないんで。ガムシャラに行って、なんとか残れました」
 村上の走りに応えるべく志智俊夫(写真)が、懸命の追走。直線の入り口では武田と接触したが、ゴール寸前では渾身の追い込みで村上を交わした。
 「気迫と魂のぶつかり合い。2人ともすごかった。赤板過ぎに村上君はすぐに態勢を整えていたし、これで(激しい戦いが)始まるなって。せっかくあんだけの走りをしているし、自分も付いていかなきゃっていう思いでした」
 村上に叩かれた武田豊樹は最終ホームで3番手に入ると、すかさず2コーナーからまくりを打って意地を見せた。
 「自分の後ろで競ってくれているんで、主導権は取りたかった。村上君が来たのが見えなくて…。そこからは村上君の先行で(番手で粘るのも)間違いのない選択かなとも思ったけど。あそこはひきました。まくりに行った時も、脚は溜まっていなかったし。最後の志智さんと当たったところは脚が残っていなかった。きつかったです」
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