『京王閣競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:1月28日
 京王閣競輪場で行われている開設63周年記念「ゴールドカップレース(G3)」は後半戦に突入、3日目のメーン準決の3個レースでは激しい火花が散らされた。京王閣記念4連覇をかけた後閑信一、岡田征陽の敗退で、地元勢は残念ながら誰ひとり決勝へコマを進めることはできなかった。しかしながら、山崎芳仁、村上義弘、武田豊樹のSS班3人が1着で準決を勝ち上がり、ファイナルには豪華な顔ぶれがそろった。いよいよ明日は大詰め、ゴールドカップをかけて決勝が行われる。
 本場では最終日も豪華な賞品が当たる先着スピードくじ(3000名)、オーヴァル予想会など、様々なファンサービスでお客様をお待ちしています。また「なすなかにし」による松竹芸能お笑いライブなどのイベントも予定されています。ぜひ、京王閣競輪場へ足をお運びください。
<9R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 藤田竜矢は赤板から永井清史をけん制しながら、打鐘で出て先行態勢。地元の後閑信一を連れて果敢に逃げるが、その上を永井が襲い掛かり、引くに引けない両者で踏み合い。
 「永井君を早めに押さえにいったんですけど。永井君は志智(俊夫)さんが付いているし、しょうがないですよね…」
 両者の主導権争いは、最終ホームで出た永井に軍配。後閑信一は永井ラインの3番手にスイッチするが、そこからは動けず5着がいっぱい。地元記念4連覇の夢が断たれた。
 「あれが今の自分の力です。3番手に入ってからは自分でまくりに行こうって思っているし、行かなきゃダメだって。山崎(芳仁)君が来てからじゃ遅いんで。それがわかっていたけど、まくりが出なかった。悔しいですけど、これをバネにして…」
 永井、藤田の動きを見極めて山崎芳仁(写真)は、最終2コーナーからまくり一気。当たりの出た新車でグングンと加速して、最後は佐藤慎太郎と2人で後続を大きくちぎって見せた。
 「(新しい)フレームが合っているみたい。踏んだだけ進んでくれる。今日は中団からレースを進めようと思ってたし、理想的な感じでした。セッティングもちょっとずついじりながら、段々とよくなってきている。いいタイミングでまくって行けました」
 山崎に半車身しか詰め寄ることができなかった佐藤慎太郎(写真)は、例によってジョーク交じりで山崎を称える。
 「山崎の調子はいいんじゃないですか。俺も付けるだけならあと1周はいけるけど、抜くんなら山崎があと2周行ってくれないと(笑)。山崎は強いっすね」
 先行した永井の番手の志智俊夫は、福島勢の後位にスイッチするので精いっぱい。3着での優出に後輩をねぎらう。
 「今日は永井が頑張ってくれたし、アイツは気持ちで負けていなかった。今回は初日から前の選手がしっかりレースを作ってくれる。山崎君を止めたかったけど、スピードが違いましたね」

<10R>
村上義弘選手
村上義弘選手
三谷政史選手
三谷政史選手
 執念の走りで人気に応えた村上義弘(写真)。稲川翔が打鐘の4コーナーからカマシ気味に出ると、インの坂本亮馬、アウトの菅原晃に挟まれて身動きが取れない。その後は最終ホームでなんとかこじ開けて進路を確保。稲川ラインの3番手に付け直し態勢を整えて、早めの追い込みで勝ち星をモギ取った。
 「(粘られたりすることは)いつも覚悟できているけど。あの形になって、挟まれてしまった。怯むことはなかったけど、完全に付いていくコースがなかった。あのあとも(追い上げようとしたら)菅原君にいいタイミングで上がられてしまった」
 インに閉じ込めた稲川に弾かれた菅原晃だった、そこからはさすがのリカバリー。稲川を追って番手に収まると、落ち着いて村上をけん制。ゴール前で交わされ2着も、抜群の対応力を見せた。
 「(坂本)亮馬がもう一回付いてくれればと思って、外で見ていた。そしたら稲川君に当たられてハコに。村上さんの性格からして追い上げは来ると思ってたし、動きを見ながら上がった。今日は自力を使ってないけど、勝ち上がれたんでよかった」
 逃げる稲川と村上に付けた三谷政史(写真)。近畿2人による3着争いは、タイヤ差で三谷に。初の記念決勝進出に、興奮気味に振り返る。
 「めちゃめちゃきつかった。(ラインの)3番手ですけど村上さんの番手なんで、気持ちも入ってたし迷惑だけは掛けないようにしようと。ちゃんと(村上の)仕掛けに付いていけたんでよかった。記念の準決を走るのもこれで2回目とかだから、恵まれました」
 「村上さんと一緒に(決勝に)乗りたかったですね…。力不足です」とは、今シリーズ村上とは2度目の連係となった稲川翔。力なく言葉を振り絞る。

<11R>
北津留翼選手
北津留翼選手
武田豊樹選手
武田豊樹選手
 北津留翼(写真)が赤板で中団の武田豊樹にフタして、そのままレースは進行。打鐘を通過しようやく踏み上げて、前受けの小埜正義から主導権を奪取。その後は大塚健一郎の猛ブロックで後続はもつれ武田にまくられた北津留はゴール板を4着で入線も、大塚の失格で3着繰り上がり。複雑な表情でレースを振り返る。
 「あの並びは一番イヤでしたね。あのまま自分が出ていっちゃうと、武田さんのホーム先行になっちゃうんで。それで引っ張って、引っ張ってああなったけど。大塚さんが失格ですか…」
 武田豊樹(写真)は最終ホームからの巻き返し。大塚の失格のブロックをかいくぐってのまくりは凄みすら感じさせる。
 「今日は小埜君の中団取りは100%わかっていた。それに追い込み選手(大塚)がブロックに来るのも当然ですし。それを技と力で凌ぐのがまくりですから。全日本選抜を見据えたトレーニングをやってきた中で決勝に乗れたのはよかった。今日の一走で体がほぐれた。決勝は相手がどうのより、(勝てる走りを)レースの中で考えていきます」
 地元のSS班、岡田征陽が大塚と絡んで弾かれると、阿部康雄はコースを落ち着いて選択し2着。
 「流れがいいですね。本当ならあそこは外に行きたかったけど、自分に自信がなかった。それでもそのあとは余裕があった。決勝は武田君にお任せです」
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