『京王閣競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:11月30日
 京王閣競輪開設66周年記念「ゴールドカップレース(G3)」は、11月30日に3日目が行われ準決勝3個レースで決勝進出をかけた激しいサバイバルレースが繰り広げられた。大注目の吉田拓矢や、南関勢が新田康仁を筆頭に5人が決勝進出を決めるなか、最終12レースでは後閑信一がまさかの敗退。11レースで朝倉佳弘も敗退し、地元勢からのファイナリストはゼロとなってしまった。12月1日の最終日はいよいよ決勝戦。シリーズの頂点が決まる。
 場内ではファンサービスやイベントも盛りだくさん。最終日の1日も先着3,000名様に豪華景品が当たるスピードくじの配布や、山口幸二氏による「オーヴァル予想会」(後半3R発売中)を実施します。また、日本伝統の迫力ある津軽三味線の名手「小山貢力」率いる三味線&和太鼓LIVE(3R、6R発売中)、ちまたで大人気のものまねタレントが多数在籍する「新宿キサラ」よりニッチロー'とGたかしによるものまねショー(4R、8R発売中)などイベントも多数予定されています。ぜひ、本場へ足をお運びください。
<10R>
松坂英司選手
松坂英司選手
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 矢口啓一郎、女屋文伸を連れて杉森輝大の先行策。関東3車を受けた吉田敏洋は、追い上げた守澤太志と中団取り合いで最終ホームを通過。後方に置かれた片寄雄己目標の松坂英司は、最終バックで9番手の最後方。片寄の動きをギリギリまで見極めて、3コーナーで切り替え狭いコースを進出。直線に入り外に持ち出すと、吉田、坂口晃輔をとらえてあっと驚く逆転劇で松坂英司(写真)が突き抜けた。
 「吉田君の動きでみんな翻ろうされた感じですね。ゴチャゴチャになりました。ああなったらシビアになんとか3着までと思って。僕の脚が変わったわけではないけど、大ギアと違って後ろでもチャンスがありますね」
 守澤との併走から吉田敏洋(写真)が、1車押し上げ番手まくりの矢口を追いかけると、さらに矢口のインを踏んで2着。
 「(上昇してきた)片寄さんが赤板で下がっていったところを読み違いました。自分がレースに入るのも早かったです。甘いところがありますね。反省しないと。せっかく昨日は自分なりのレースができたのに今日はちょっと。でも坂口君を連れ込めてよかったです」
 吉田にしっかり続いた坂口晃輔は、3着で決勝進出を果たした。
 「吉田さんがすりぬけてくれて、それに付いていけました。付いて行くことだけ考えてました。熊本に次いで(記念は)2回目の決勝でうれしいです。ここに来るまで不安だったけど、この3日間で感じは良くなってます」
 関東勢は誰一人として決勝に乗れず。風をきった杉森輝大も肩を落とす。
 「最初は前の片寄さんが上がったところを吉田さんが突っ張って、前でやりあったからチャンスかなと思ったけど、すんなり吉田さんに中団いかれちゃうと厳しい。準決だとスキがないですね。(連勝して勝ち上がれて)勝負できるかなと思ったんですけど」

<11R>
新田康仁選手
新田康仁選手
山賀雅仁選手
山賀雅仁選手
 青板バックから上昇した藤木裕が吉田拓矢にフタをしにいくと吉田はすんなり引き8番手。吉田が打鐘前から仕掛けて、前団を一気に叩いて最終ホーム前に主導権。吉田の掛かりが良くそのまま押し切るかに思われたが、後方から山賀雅仁が豪快にまくると、最後は番手から新田康仁(写真)が差し切った。
 「作戦とは全然違ったけど、山賀が仕掛けてくれたんで。(吉田が)ホームで結構良い感じでいってたんで無理だと思ったけど、とりあえず山賀に感謝ですね。最後は本当に必死でした。この感じで盛り上がっていって、結果を残したいです。(落車で)昨年の12月1日に手術したんで、ちょうど1年です。動けなくて歩く練習から始めました。復帰した当初は心が折れそうだったけど、支えてくれた人にそのぶんも恩返しができればいいですね。競輪が大好きなんで、一番やり甲斐がある仕事だと思ってます」
 後方に置かれる展開になった山賀雅仁(写真)だが豪快にまくって2着。南関で連独占を導いた。
 「結果的に前を取ることになってもつれたことによって、自分がいきやすくなりました。吉田君は見てるぶんには強いのはわかるけど、実際走ってみても強かったです。ここまで調子が整うまで時間がかかった。なかなか難しかったですね。でも先輩や仲間たちのおかげでここまで良くなってきました。あとは結果を出したいですね」
 先行した吉田拓矢は南関両者には交わされたが、力を出し切って3着に粘り記念初出場で見事に優出を果たした。
 「決勝に乗れてうれしいです。まさか乗れるとは思わなかったです。先行で残れたのは自信になりますね。行くことは決めていたので、どこからでも行こうとは思ってました。昨日(二次予選)の勝ち星より今日の方が嬉しいですね。G1で活躍する人との対戦での3着なんで。今日は挑戦者の気持ちで自分のタイミングで仕掛けられました。今日が一番最後まで踏み切れました。道中カマしていくところも、楽に踏めて出られたし。そこからはペースでいけました。明日は楽しみの方が大きいです」

<12R>
勝瀬卓也選手
勝瀬卓也選手
望月永悟選手
望月永悟選手
 先頭に立った松川高大が押えた天田裕輝の動向を警戒しながらペースを落とすと、佐藤龍二は赤板の2コーナーで山降ろし気味に出て先行態勢。4番手の松川が前団との車間を大きく空けて、天田は一本棒の7番手。逃げる腹を固めた佐藤が全開で吹かして最終ホームを通過。松川が勢い良くまくりで迫ると、勝瀬卓也(写真)は意を決して番手発進。松川を合わせて、望月永悟とのワンツーを飾った。
 「松川が来るのがワンテンポ遅かったら(番手まくりを)待ったんですけど。あれで直線で来られたら、止めに行くと天田のまくりごろになってしまうんで。それで前に踏ませてもらった。もう行ったからには(望月と)2人で(決勝に)乗らなきゃと思いました。初日は桐山(敬太郎)で、今日は(佐藤)龍二が頑張ってくれた。やっぱり競輪は展開ですね」
 勝瀬の番手まくりに望月永悟(写真)が、ソツなく流れ込んで決勝進出。大挙5人が優出を果たしたファイナルの南関勢は、望月が5番手を固めてひとつにまとまった。
 「アイツ(佐藤)も掛かっていた。もともと任せるつもりだったけど、なにも言うことがないっていう感じで(佐藤は)気持ちが入ってましたね。(決勝は)自分は勝瀬の後ろ、5番手でいいんで」
 熊本コンビに付けた堤洋は、松川が合わされると最終3コーナーで望月後位にスイッチ。瞬時の判断が明暗を分け、昨年6月の久留米以来の記念優出を遂げた。
 「記念の決勝は本当に久しぶりですね。最近は何場所か最終バックを9番手っていうことが多かったんで、少しでも前の方にいられたら違いますね。(佐藤が)掛かっていたし、合わせれたと思ってああなりました。松川も頑張ってくれました」
 7番手で立ち遅れた天田と共倒れに終わった後閑信一が、ホームバンクでファイナル進出を逸して唇をかむ。
 「しょうがないですね、(天田に)任せていたから。(天田は)ああなったらジャンで仕掛けるしかない。そうすればどこかに入れていたと思う。そういう気持ちがあればいいんだけど、(まくりに)構えちゃったから」
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