『京王閣競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:12月1日
 京王閣競輪場で開設66周年記念「ゴールドカップレース(G3)」が、11月28日から12月1日の日程で行われた。12月1日の最終日に繰り広げられた決勝は、5車で勝ち上がった南関勢が結束。番手まくりに出た新田康仁の後ろの松坂英司が、まくってきたルーキーの吉田拓矢に踏み勝ちタイヤ差でしのぎ優勝した。
決勝戦 レース経過
 スタートでけん制が入ったのち、吉田敏洋が先に出て誘導の後ろに付いた。初手は吉田―坂口晃輔、山賀雅仁―新田康仁―松坂英司―勝瀬卓也―望月永悟の長い南関ライン、吉田拓矢―堤洋の順で並ぶ。
 レースが動いたのは青板周回のバックから。まずは吉田拓がアクションを起こすと、山賀が合わせて先に上昇し、4コーナーで誘導を下ろして先頭に立つ。山賀は何度も後ろを振り返りながら徐々にペースを上げていくと、打鐘前の2コーナーから前を向いてアクセル全開で踏み込む。このとき、吉田拓は6番手外併走から行きかけるが、スピードが上がると8番手まで車を下げた。打鐘が入り、山賀がフカして逃げるなか、吉田敏が最終ホームから反撃を開始。吉田敏が猛スピードで迫ってくると、新田は外にけん制し、その態勢から番手まくりを敢行する。両者の力比べは最終バックまで続いたが、松坂が執拗にブロックしていくと、吉田敏は3コーナーで力尽きた。すると、そこに外から吉田拓が襲い掛かる。吉田拓が迫ってくると、松坂は早めに追い込みをかけ、直線に入って両者でマッチレース。最後は松坂がタイヤ差しのいで2度目のG3制覇を遂げた。


松坂英司選手
松坂英司選手
 5車で結束した南関勢の3番手を回っていた松坂英司(写真)が、昨年の花月園メモリアルin川崎に次ぐ2度目のG3優勝を果たした。
 「みんながそれぞれ仕事をした結果です。本当にうれしいです。思い出深い最高の結果になりました。前回のメモリアルもですけど、今日もすごくうれしい」
 最終1コーナーで番手まくりを放った新田は、3コーナーを過ぎていっぱい。新田後位にいた松坂は、吉田拓がまくりで迫ると早めに踏み込んで直線で両者のV争い。ゴール線でのハンドル投げの接戦に持ち込まれた。
 「もう(吉田拓に)抜かれたと思いました。初日も自分のなかでは3着かと思ったら4着だったし、そこら辺の感覚もあったんで。それにお客さんも『吉田(拓矢)いいぞ』って言ってたから」
 だが、結果は吉田拓をタイヤ差振り切って、41歳の松坂の優勝。
 「作戦もみんなでいろいろ出し合って、結果あれが作戦というか。吉田敏洋君が来たとき、(番手の)新田(康仁)さんが行ってくれて、(3番手だった)自分が番手の仕事をしっかりと思って」と、道中も苦しいなか、仲間の頑張りを結果として実らせた。

 2着の吉田拓矢だが、その実力は底知れない。8番手に置かれた時点で万事休すかと思いきや、2コーナーから一気に迫りゴール勝負を演じたことに周囲は驚愕した。
 「南関勢が5車だったし、道中脚を使っちゃって最後伸びませんでした。やっぱり甘くないですね。道中ムダなところもあって反省のあるレースでした。結果は2着だったけど、4日間力を出し切るレースができました。今日はまくりに構える形になって、後ろの堤(洋)さんに迷惑を掛けました。次の平塚に向けて気を入れ直して頑張りたい。(競輪祭の権利も取れて)まだ1年後だけど、それまでにG1の舞台で戦えるように練習を頑張っていきたいです」

 坂口晃輔に入られかけた勝瀬卓也だったが、松坂に続き3着。
 「ちょっと失敗しちゃいました。5車でちゃんと行ければよかった。最後は脚が残ってませんでした」

 襲い掛かってきた吉田敏洋に番手まくりで応戦した新田康仁は4着。確定板を逃したが、南関勢から優勝者が出たことに胸をなでおろす。
 「南関東でと思ってて。自分はいっぱい、いっぱいでした。ワンテンポ遅れてたら吉田(敏洋)君に行かれてましたね。後ろもいるしあそこで出ていかないと。(松坂)英司君が優勝してくれてよかった。ワンツースリーだったらもっとよかったけど」

 果敢に攻めた吉田敏洋だったが、結束した南関勢の抵抗に抗いきれず。
 「正直疲れはあったけど体の調子は良かったし、行くところで行ってるので、今日のレースに関しては悔いはありません。今月と来年の1月はこの状態でいって、2月で仕上げて3月の地元(ダービー)に向かいたい」

ゴール
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