『立川競輪開設68周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:1月4日

 令和初の新年を迎え、立川から記念が始まる。立川競輪場で開設68周年記念「鳳凰賞典レース(GIII)」が、1月4日に始まった。初日は一次予選から白熱のバトルが展開され、地元のホープ河合佑弥も白星を挙げて幸先いいスタートを切った。メインの特選ではS級S班の郡司浩平がシャープな伸びで突き抜けて二次予選に弾みをつけた。2日目は二次予選のA、Bに分かれて、準決進出が争われる。
 本場では開催中の毎日、来場サービスとして先着でお菓子、カイロを配布、先着でのホットドリンクサービスなどが行われます。また、5日の2日目には「アレアガールズ」のライブ&トークショー、選手会トークショー、山口健治氏、加藤慎平氏による予想会なども予定されています。立川競輪場では、様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

<1R>

佐々木豪選手
佐々木豪選手
 北日本勢の主導権。7番手の佐々木豪は木村弘がペースを緩めたところを見逃さず、打鐘の2センターから踏み込む。佐々木が木村を叩いて先行策。番手の山中貴雄が楽に佐々木を差し切った。
 「記念の初日の1着は久々ですね。佐川(翔吾)君が(佐々木を)意識してたんで行きづらいかなと思った。でも、(佐々木が)しっかり仕掛けてくれたし良かった」
 怪我明けだっただけに不安もあった佐々木豪(写真)は、自然と笑みがこぼれる。
 「新年一発目だし(ラインでの)ワンツーで十分(笑)。(怪我をする前まで)調子が良かったんで、その貯金ですね。最後まで踏み切れてないけど、(昨年の)調子は悪い時に比べたら良かった」


<2R>

佐々木雄一選手
佐々木雄一選手
 打鐘の4コーナーから佐藤博紀が持ち前のダッシュを生かして仕掛ける。逃げる村上直久を最終1センター過ぎに佐藤がとらえて、北日本の3車が出切る。番手の佐々木雄一(写真)が余裕の差し切り勝ち。
 「(佐藤の)一番得意なパターンでやってくれればと思ってた。あれが一番得意なパターンだし、(村上に)踏まれればまくりでもいい。自分は室内でしか(練習を)やってないから寒かったですけどね(笑)」
 ラインでの上位独占に佐藤博紀は、胸をなでおろす。
 「ホッとしました。村上さんが結構、踏んでる感じもあった。(仕掛けて)行きたかったけど、波もあって…。(出切ってからは)僕はキツかったんですけど、(佐々木は)すごい余裕でしたね」


<3R>

山田庸平選手
山田庸平選手
 打鐘手前で格清洋介が主導権を握り、そのままペースを上げる。フタをされた津村洸次郎だったが、すかさず巻き返して逃げる格清をねじ伏せる。大塚健一郎は離れるが、津村にきっちり続いた山田庸平(写真)が後続との間合いを計り直線で抜け出した。およそ3カ月ぶりの実戦を山田が振り返る。
 「(久々の実戦で)いつもより緊張しました。(津村)洸次郎が行ってくれたし、大塚さんが番手を回してくれて1着が取れた。楽に付いていけたけど、ジャンからのスピードが速く感じました。特別(GI)でもあんなに速かったかなっていう感じだった。(練習は)休まないで1日、1日コツコツとやってました。(2日目の)二次予選Aはメンバーがいいんで、そこでどこまで力を出せるかですね」
 最終2コーナー過ぎに山田の後ろにスイッチした成清貴之が2着。
 「(格清が)すごかった、いい選手ですね。気持ちが伝わってきたし、頼もしい。自分はあれを抜けてたら100点だけど、(2着なので)95点くらいです」


<4R>

 赤板を目がけて一気にスピードを上げた近藤隆司が先頭に立つ。追い上げた三登誉哲は中団を奪えず、再び7番手まで下げて隊列は一本棒に。中団争いを制した高橋築が最終2コーナーからまくり上げると、福田知也はこれをブロックしながら前に踏む。両者のモガき合いを三登が豪快にまくり切った。
 「ジャンで中団を決め切れなかったのはミス。でも7番手はいつもの位置なので(笑)。しかも前回のグランプリシリーズでVコースがわかっていたので、7番手に下げても落ち着いていました。ブロックに注意して、最終2センターではいけると思った。(記念が)この制度になって二次予選は初めて」
 中団から先にまくった高橋築は、番手まくりの福田に踏み勝って2着。
 「地元で人がいっぱいいたし、しっかり勝ち上がりたいとは思っていた。中団が取れたことで落ち着いていけました。(まくってからは)福田さんが合わせて出てきたからキツかった。去年は二次予選までだったので、今回は準決に上がれるよう頑張りたい」


<5R>

 後ろ攻めの小嶋敬二が切り、その上を吉本卓仁が切って待つ。正攻法の構えから引いて態勢を整えた鈴木謙二が打鐘で叩いて先行態勢に。すかさず巻き返しを狙った小嶋と鈴木で激しくモガき合う。前団のもつれを吉本が最終2コーナーから豪快にまくって前団をのみ込んだ。
 「本当は前受けが良かったんですけど、中団になったので。切って脚を使ってしまうと次の脚はないかなって。前がモガき合ってくれたおかげですね。きれいに踏み込めていないし加速もイマイチ。今日(初日)は展開ですね」
 吉本に続いた紫原政文が、2着をキープして胸をなでおろす。
 「付いていくぶんには余裕はありましたけど、交わしにいっても出なかった。でも(吉本)卓仁に付け切れたので。首は大丈夫ですね」


<6R>

 赤板2コーナー手前から踏み込んだ高橋和也が、押さえて出て先行態勢を取る。打鐘過ぎに佐藤一伸が仕掛けるが、高橋は突っ張って逃げる。今度は日野博幸も反撃に出るが、高橋の掛かりがいい。車間を空けた近藤龍徳が直線で迫るが、高橋が二の足で押し切った。2着の近藤は反省の弁。
 「濱口(高彰)さんのところに(佐藤が)降りたのも見えたし、あれでジカ(真後ろから)で来られたらっていうのがあった。それでギリギリまで待ってから抜きにいったけど、(高橋)和也さんに踏み直された。自分も余裕があったんで、もうワンテンポ早く踏んでも良かったかな…。そこはミスですね」
 高橋に突っ張られた佐藤一伸は、最終ホームで濱口をキメて3番手を奪取して流れ込んだ。
 「(高橋と)踏み合いになってもしょうがないと思って、(仕掛けを)見ちゃった。それでああなった。古川(宗行)さんのところか濱口さんのところかと。あとは(最終)3コーナーで無理に仕掛けても合わされちゃうし、(近藤)龍徳が踏み込んだらそれに乗ってと思ってた」


<7R>

小森貴大選手
小森貴大選手
 後ろ攻めの河村雅章が赤板過ぎに切るが、中団から合わせて動いていた小森貴大(写真)がすかさず押さえて出る。小森との連結を外していた鈴木幸紀は打鐘で内をすくって河村をどかしにかかる。もつれたところを酒井雄多が後方から一気にスパート。最終ホームで叩き切った酒井にマークの荻原尚人は離れて、小森が後位にはまる。追い付きざまに2コーナーからまくった小森が後続を突き放して白星をゲットした。
 「初手の並びを含めて意外だった。それでも自分はしっかり前々に踏もうと。(酒井が)一人できているのは見えていたが、出させようとしてなかったのでそこは反省。明日(2日目)は相手が強くなるのでしっかりと走れるように頑張りたい」
 番手にはまった小森にまくられた酒井雄多だが、2着に踏ん張った。
 「河村さんが(初手で)後方なのはビックリした。出切ってから、(小森が入ったのは)わかったがすぐ行かれてしまったのはショック。誰かが(小森を)追ってくるだろうと思っていたが、踏んでいて良かった」


<8R>

伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
 才迫開、桜井雄太の順で切って打鐘で緩んだところを逃さずにダッシュ良く巻き返した藤根俊貴が最終ホーム手前から逃げる。後方に置かれた才迫が2コーナーからまくるが、車は進まない。藤根の番手で絶好となった伏見俊昭(写真)が余裕を持って抜け出した。
 「藤根君がすぐに行ってくれたし、強いですね。バックで誰も来る気配はなかったので。前半の掛かりは良かったけど、バックの向かい風を(藤根は)2度も受けてたので、いつも通り(車間を)空けてと思って。しっかりラインで決まって良かった」
 3着の藤根俊貴は自慢のスピードを誇示して、ラインを上位独占に導いた。
「桜井さんが出切ってそのまま踏めば構えたけど、流したのでいきました。スゲー久々のまともな先行をしたからキツかった。バックからの踏み直しができていないですね。意識的にも(体を)使えなかった。でも、今回はこうやって思い切ったレースをしていきたい」


<9R>

山本伸一選手
山本伸一選手
 佐伯亮輔に合わせて中団から動いた山本伸一を、前受けの藤田大輔が突っ張る。藤田は打鐘過ぎに佐伯ラインを受けて4番手を確保、山本は7番手からの立て直しを余儀なくされる。藤田は動けず、最終2コーナーから山本がまくりを打つ。山本マークの渡辺十夢は、直線で外に持ち出し計ったように僅差のゴール勝負を制した。
 「立川は直線が長いんで、それに救われた。(山本)伸一が強いのはわかってるんで、信じて我慢して踏んだ。人気にもなってたんで、なにがなんでもと。フォームもへったくれもなかった(笑)」
 7番手からの出直しを強いられた山本伸一(写真)だったが、力の違いでラインでのワンツーに持ち込んだ。
 「2つのラインが僕を後方に置くっていう感じでしたね。(7番手になって)とりあえず仕掛けないとっていうのがあった。あれで藤田君が先に仕掛けてくれれば良かったんですけどキツかった。今回みたいな展開をどうしのぐかっていうのが課題だったんで、そこが修正というか、できたのは大きい」


<10R>

 河合佑弥は初手中団から動かず、後方の菅田和宏が押さえたことで後方に。打鐘前には大きく車間が空いての7番手になるが、そこから詰める勢いで仕掛ける。河合は4コーナーの山降ろしを使いさらに加速すると、最終1コーナーでは菅田を叩き切った。朝倉佳弘が続いてゴール前はマッチレースになるも最後まで踏み切り、初の立川記念で白星スタートを切った。
 「菅田さんの抵抗はあると思ったので、しっかりと力を出し切ろうと。出切ってからは大丈夫かなと思うような感じだったが、最後まで粘れましたね。一走して気持ちがフワフワした感じが引き締まりました」
 河合を追った朝倉佳弘は、直線で詰め寄っての2着で地元ワンツー。
 「詰まったところを行けているし、河合君が強かった。最終4コーナーまでリズムよく踏んでいたし、あれを抜けないのが現状。調整してあれを抜けるようにしていきたい」


<11R>

 赤板の1コーナーで押さえて出た島川将貴は、落ち着いて九州コンビを受けて絶好の3番手をキープ。最終1センターから早めのまくりで勝ち星を挙げた。
 「前を取らされるかなって思っていたので、まさかの後ろ攻めでした。(前田を)突っ張ろうか迷ったんですけど、2車だったので出させてと。でも、阿部(大樹)さんもいるので、来る前に早く仕掛けようと思いました。本当は得意な展開じゃないですけど勝てて良かった」
 直線で差を詰めた柏野智典は、4分の1輪まで島川に迫ったところがゴール。
 「正直、自分が思っていたよりは良かったんですけど、スピード感というか前との距離感というかがつかめていなかった。でも、一走してなんとなくわかったので徐々に良くなっていくと思う」


<12R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 3車の吉田拓矢が大方の予想通り主導権を握る。しかしながら、打鐘の2センターで8番手から清水裕友が巻き返す。逃げる吉田の番手で車間を空けた平原康多は、最終2コーナー手前で清水を大きく外に振る。それでも清水は止められず、平原が踏み込んで番手まくりを断行。関東勢に飛び付いていた郡司浩平(写真)が、直線で外を伸びて1着。
 「しっかりと動いて位置を取って、あとはどこで(仕掛けて)行くかでした。でも、かぶっちゃったんで様子を見ながらでした。(諸橋愛に)ちょっと引っかかってしまったけど、うまく避けながらいけた。(新年の1着スタートは)本当に大きい」
 「残念、(郡司が)一枚上手だったね」とは、諸橋愛。直線半ばで外の郡司をけん制して追い込むも2着。
 「(郡司に)当たれれば、僕が勝ってると思うけど。気づいたみたいで、避けられた。(平原)康多はバックを踏んでスピードを殺しちゃってた。もうちょっとシンプルに仕掛けた方が良かったかもしれないね」
 和田健太郎は、平原と諸橋の間を強襲した。
 「諸橋さんが郡司をけん制したけど、平原も寄ってきてた。それで自分も怯んだ。でも、4着くらいかと思ったんで良かった」