『立川競輪開設68周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:1月5日

 令和初の新年を迎え、立川から記念が始まる。立川競輪場で開催されている開設68周年記念「鳳凰賞典レース(GIII)」は、1月5日に2日目が行われた。二次予選A、Bに分かれて争われた勝ち上がりでは、S級S班の郡司浩平、清水裕友、平原康多の3人が連対を果たしぬかりなく準決に進んだ。6日の3日目には準決で熾烈なバトルが展開される。
 本場では開催中の毎日、来場サービスとして先着でお菓子、カイロを配布、先着でのホットドリンクサービスなどが行われます。また、6日の3日目にはオートレース選手トークショー、選手会トークショー、山口健治氏、鈴木誠氏による予想会なども予定されています。立川競輪場では、様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

<6R>

阿部大樹選手
阿部大樹選手
 一度は下げかけた武田憲祐が番手に押し上げて、押さえて出た森山智徳後位がもつれる。前団の様子をじっとうかがっていた阿部大樹(写真)は、森山の死角になった打鐘4コーナーから仕掛けて主導権を奪取。そのまま逃げ切った。
 「自分が(最終)4コーナーまで踏めれば、後ろ(ライン)が決まるかなと思った。だから1着は超ラッキー。バックはめちゃくちゃ風が強かったんで、そこを乗り越えたら(別線は)来られないと思った。ガムシャラだったけど、練習では長いっ距離も踏んでるんであとは気持ちだけと」
 「(流れが)来ましたね」とは、流れ込んだ柴田洋輔。阿部とのワンツーでそろって準決進出を決めた。
 「武田さんが1回引いてまた粘りに行ったから、こっちに展開が向きました。練習は腐らずにやってたけど。地元のいいメンバー(の記念)で準決にいけるとは思わなかった」


<7R>

上原龍選手
上原龍選手
 後ろ攻めの佐藤一伸が、赤板過ぎに押さえて先頭に立つ。前受けの津村洸次郎は中団の内で粘ろうとするが、結局7番手まで下げる。緩めていた佐藤は最終ホーム手前から一気にペースを上げるが、中団をキープしていた上原龍(写真)が2コーナーから鮮やかにまくって快勝。関東ラインで上位独占を決めた。
 「前受けが良かったけど、中団が取れたので。中団を回って仕掛ける作戦だったので良かった。(バックは風が強かったが)タイミングを計って、自分のタイミングで行けた。佐藤君も掛かり切ってなかったのかな、それもあって(まくれた)。ちゃんと踏み込めたし、状態は良くなってきている」
 上原の仕掛けにピタリと続いた大澤雄大が、準決の権利を獲得した。
 「前で頑張ってくれた上原君とスタートで出てくれた小沼(良)さんのおかげ。津村君が引いてくれたのはラッキーだったし、これで決まったなと。あとは集中して付け切りました。2着をキープしつつ、抜きに行ったがダメだった。でも、練習の成果で脚はいいです」


<8R>

竹村勇祐選手
竹村勇祐選手
 中団から先に動いて切った吉本哲郎を木村弘が打鐘で押さえて先行態勢を取る。赤板で有賀高士に割り込まれた竹村勇祐(写真)は打鐘で内をすくって番手を奪い返す。この時に佐藤慎太郎が追突して落車。藤田竜矢が乗り上げて7人に。ペースを上げて軽快に風を切った木村の番手で絶好となった竹村が直線で鋭く抜け出した。
 「有賀さんにやられたけど、切る時に絶対に内が空くと思って。でも、そのせいで(佐藤)慎太郎さんに迷惑を掛けてしまった。木村君も残せる先行だったのに失敗しました。次に連係する時に返したい」
 藤田が落車して4番手に追い上げた山崎充央との連結も外してしまった兵藤一也だったが、後方で脚をためて2着に突っ込んだ。
 「藤田も落車しちゃって山崎さんもいなくなって。でもこの風でしょ? 下手に脚を使うよりも溜めた方がいいと思って。最後団子になるだろうから、一発にかけました」


<9R>

吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 赤板の2コーナー過ぎに小森貴大を押さえた吉田拓矢が先行態勢を取るが、藤根俊貴が打鐘過ぎに巻き返す。藤根が主導権を奪い、吉田は4番手に入る。吉田が小森を合わせるようにまくりを打つと、逃げる藤根の番手の佐々木雄一は吉田を張りながら早めに踏み込んで抜け出した。
 「(吉田のまくりを)止められれば一番良かったんだけど、申し訳ないですね。1回振ったら、もう藤根に引っかかっちゃってた。でも、残さないと…」
 4番手からまくった吉田拓矢(写真)は、佐々木に合わされながらも踏ん張って3着。
 「あのタイミングだったので(北日本勢を受けた)。1回(最終)2コーナーでバックを踏んで、それでモタついた感じがある。バック踏まずに(まくって)行ってれば…。スタートでなかなか追いつかなくて、息が上がった状態だった。それで弱気になってしまったのもある。まだかみ合ってない感じもあったんで、セッティングを修正すればもうちょっと良くなると思います」


<10R>

福田知也選手
福田知也選手
 後ろ攻めの古性優作が赤板過ぎに切ってペースを緩める。中団に収まった郡司浩平が様子をうかがっていると、2コーナーの山降ろしを使って7番手から一気に仕掛けた高橋築が打鐘の3コーナーで主導権を奪う。叩かれた古性は3番手をさばいて最終2コーナーからまくり出るが、7番手からまくり上げた郡司のスピードが違った。最終バック過ぎに古性をのみ込み、ライン3車で出切って南関勢で上位独占の態勢。最後は福田知也(写真)が、粘る郡司を鋭く差し切った。
 「古性君のヨコを通過する時だけ構えたけど、からまれずにすんだね。(郡司の)スピードが良かったおかげ。S班を抜ければ、これが決勝とかなら記念が獲れる。気持ちが入りますからね」
 ラインを上位独占に導いた郡司浩平はS級S班の力を示した。
 「風が強いバンクコンディションだったので、本当は切るべきだったけど、古性君を泳がせた。重たいなかでは踏めているし、普段とは違う組み立てだったけど悪くはない。あとはセッティングを微調整したい」


<11R>

河村雅章選手
河村雅章選手
 後ろ攻めから赤板過ぎに切った清水裕友を和田健太郎が押さえるが、内をすくって山田庸平が前に出る。河合佑弥がタイミング良くライン3車で飛び出して打鐘で主導権を握る。7番手まで下げて態勢を整えた清水は最終2コーナーからまくり発進。柏野智典をちぎるほどのスピードで豪快に前団をのみ込んだ。
 「前は取りたくなかったけど、後ろ攻めは想定していなかった。風が強過ぎて自分の自転車が進んでいるのか、前が止まっているのかわからない感じでしたね。組み立ても難しかったです。脚は悪くないんですけど、気持ちのスイッチが入っていない。やっぱりグランプリの疲れなのか、頭が疲れている。そこの切り替えがうまくいけばもう少し戦える」
 河合の先行を利した河村雅章(写真)が2着に入った。
 「河合君の掛かりは良かったけど、清水君のスピードが違い過ぎて止められませんでしたね。最後も河合君が勝手に残った感じ」
 和田健太郎は打鐘で山田にすくわれて5番手の位置となったが、最終3コーナーから外を懸命に踏み込んで3着。
 「山田君が車間を空けているから仕掛けるのかなって思ったら、先に清水君が行っちゃって。待たずに自分から仕掛ければ良かったですね。失敗です。でも、この風のなかで自分で動いて位置を取って仕掛けられているので悪くない」


<12R>

村上義弘選手
村上義弘選手
 先行態勢を取った酒井雄多のペースは上がらず、最終ホーム手前で山本伸一が叩いて主導権。村上義弘(写真)が続き、紫原政文は連結を外して村上の後ろは平原康多。最終1センターで後方からまくり上げた佐々木豪のスピードがいい。佐々木が逃げる山本をとらえて、村上義弘が切り替える。佐々木を交わして直線半ばで抜け出した村上が、平原を抑えて1着。
 「(佐々木が最終)2コーナーを山降ろし気味に来たので、一気にのみ込まれると思った。自分の状態自体は昨年の暮れとあまり変わらないけど、しっかり集中していきたい」
 結果的に村上に流れ込む形になった平原康多は、息を切らせて振り返る。
 「(北日本勢を受けて)3番手かと思ったら、ヤマシン(山本)が来たんで、そこを簡単に出させてしまうとっていうのがあった。自分は(村上の後ろに)切り替えてかなり脚を使ってた。(最終)2コーナーでまくりに行ければ良かったけど、まだ整ってなかった。風がキツくて2回くらいムダ脚を使ってしまった」