『立川競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:1月5日

 今年も立川から始まる。21年のグレード戦線の幕開けとなる開設69周年記念「鳳凰賞典レース(GIII)」は、1月5日に2日目が行われた。二次予選では迫力のバトルが展開され、初日特選を制した鈴木竜士も勝ち星を挙げて地元で連勝を飾った。6日の3日目には、今年最初の記念ファイナルをかけて準決で熾烈な戦いが展開される。
 立川競輪場では新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、場内の滞留人数の上限を5000人様とさせていただきます。上限を超えた場合は、入場規制を行いますので、ご理解とご協力をお願いいたします。また、抽選会、ファンサービス品の配布も中止いたします。1月6日は市川健太(82期)、増茂るるこ(102期)、板根茜弥(110期)、武田亮(115期)の地元選手のリモートによるトークショー、山口健治さん、加藤慎平さん、坂本勉さん、市田佳寿浩さんのリモート予想会もありますので、テレビ、インターネット中継などでの観戦をお楽しみください。

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岩津裕介選手
岩津裕介選手
 合わせて動いた小川真太郎が中団をキープして、赤板1センターで出た南潤がペースを握る。8番手に下げた根本哲吏が巻き返すと、南も踏み上げる。南が突っ張り、山内卓也が遅れた3番手に根本が入る。結果的に6番手になった小川は最終1センターからまくりを打つ。逃げる南をスピードの違いで小川がとらえて、岩津裕介(写真)の追走。大屋健司は付け切れない。3番手以下を置き去りにした両者のゴール勝負。岩津が楽に差し切った。
 「(小川は)赤板で1回動いてたし、(別線は)モガき合いみたいになっていた。(脚を)溜めていくのかなっていうのもあったんで、あれがベスト。いい仕掛けだったと思う。南君も強いけど、小川君も自信をもって頼もしかった。自分は初日の重かった感じを(2日目の)調整がいいようにいったのか、初日よりも踏めました」
 ラインの岩津がベストの仕掛けと評した小川真太郎は、反省まじりにこう振り返る。
 「(最終)ホームで詰まった感じがあって(南が)流してるのかと。そこを思い切って行ったんですけど、(もっと早く)行けたかと。行けなかったのは自分のゆるみですね。まくり切ってからはうまく脚が回ってない。セッティングも脚の方も、両方修正できればと思います」


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大森慶一選手
大森慶一選手
 村上義弘を連れて稲毛健太が、打鐘の2センターで先頭に立ち逃げる。地元の高橋築が3番手に入り、菅田壱道は一本棒の8番手に置かれて最終ホームを通過する。2コーナー過ぎに6番手の木村幸希がまくりを打つが3番手まで。菅田のまくりも不発で3コーナーでは最後方の9番手にいた大森慶一(写真)が、コースを縫って立川の長い直線を抜き抜けた。
 「あんなに伸びるとは。前が遠くて厳しかったけど、思ったよりも伸びた。コースを見つけて踏んでいった。気持ちいいぐらい伸びましたね。雪道ばかり乗っていて、ピストに乗っていなかったので感じはどうかなと思っていた。でも、大丈夫そうです」
 大森の強襲にはあったものの、近畿コンビは2、3着で準決に進出。稲毛の先行を利した村上義弘は2着。
 「(稲毛)健太がいいピッチで駆けてくれた。高橋君を警戒して楽な駆け方ではなかったけど、最終ホームで踏み直した掛かりは良かった。3番手からまくってくれればあおりをつくれたけど健太の掛かりが良くて判断が難しかった。(昨年の)12月から前の自力選手が頑張ってくれていい流れをつくれたので、その流れを途切れさせずに一戦、一戦頑張りたい」


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鈴木庸之選手
鈴木庸之選手
 飯田健司が先行態勢も、赤板の2コーナー過ぎから仕掛けた平尾一晃が主導権を奪う。中村昌弘はさばかれ、追い上げた櫻井正孝が3番手。内藤秀久は切り替えて5番手。後方の鈴木庸之(写真)が最終2コーナーからまくると、櫻井も合わせて出る。九州勢をとらえた櫻井の上を鈴木がまくり切って連勝。
 「平尾君か飯田さんが逃げると思っていた。中村さんが遅れて来てて、それがなかったら柴田(洋輔)君も付けやすかったと思う。初日は脚が張っていたけど、早めに寝たら良くなってたので踏んだ瞬間に行けると思った。それくらい新車の反応が良いですね」
 柴田が鈴木との連結を外し、北日本勢を追っていた内藤秀久が外を伸びて2着。
 「飯田君も頑張ってくれましたし、最後は自分のレースをさせてもらってなんとか2着に入れている。欲を言えば2車で来たので、櫻井君をブロックして入れられれば100点でしたけど。初日よりもいいと思います」


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鈴木竜士選手
鈴木竜士選手
 前受けの坂井洋は、上昇した九州勢を受けて4番手で後方の伊藤稔真をけん制する。打鐘を通過して3コーナーから伊藤がインを進出すると、坂井は2センターからカマす。坂井の加速に石川雅望は付け切れず、2車で出切る。後続との間合いをとってギリギリまで踏み出しを待った地元の鈴木竜士(写真)が、きっちり交わした。
 「(坂井)洋はやることをやってっくれたし、さすがにあれで自分が差せないっていうのは。ただ、僕はなんにもしてない。連日、前の頑張りですね。(状態は)抜群にいい。毎回そう思ってるけど、チャンスがあれば(記念は)獲りたい。自分にお年玉になるように」
 「ハンドル投げをもっと練習します」とは、わずかに鈴木に交わされて2着の坂井洋。さすがのスピードを披露して勝ち上がった。
 「(前受けから別線が)切って、切ってのセオリー通りいって、ジャンで先行態勢に入ろうかと思ってたんで、(仕掛けた)タイミングは思ってたのと違いましたね。(伊藤が)内に来たんで冷静にそのタイミングでいった。1着は取れなかったけど、出し切れました」


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郡司浩平選手
郡司浩平選手
 郡司浩平(写真)は赤板2コーナー過ぎから早めの仕掛けに出て、構えることなく打鐘の3コーナーで主導権を奪って駆ける。阿竹智史の反撃もきっちり合わせて、阿竹は遅れ気味の武井大介をキメるのがやっと。二の足で番手の近藤保を振り切った郡司が人気に応えた。
 「細切れだったので、スタートで出てみてチャンスを逃さないように仕掛けようと思っていた。流れのなかでは内に詰まらされるような展開にもなるかと思ったけど、すんなり叩けて良かった。早めにでも叩こうと思っていたし、最悪(最終)ホームではカマせるようにと。初日に平原(康多)さんの後ろでまくりにくかったし、初日の平原さんのようなイメージで駆けた。脚的にも問題ないですね」
 最終1センターで阿竹をブロック。番手での立ち回りが光った近藤保は、ゴール前で郡司に迫る2着。
 「郡司君が1回内に行ったので、自分も一息入れていたら離れそうになった。(最終)ホームで阿竹君が来て少しは仕事をしようと思って頑張った。(郡司に)あそこまで迫れれば上デキです」


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鹿内翔選手
鹿内翔選手
 赤板2コーナー手前で先頭に立った小原丈一郎が、清水裕友を後方に置いて主導権。打鐘を通過して3コーナー過ぎから小原はピッチを上げるが、清水が7番手から襲い掛かる。小川勇介は付いていけず、清水、柏野智典で逃げる小原をとらえて、鹿内翔(写真)がスイッチする。押し切り図る清水だが、直線半ばで失速。横一線のゴール勝負は、外の鹿内が伸び切って1着。
 「(小原)丈一郎がしっかり行ってくれた。まさか3番手が離れると思っていなかったですけど、離れていたので急いで切り替えて踏みました。初日も余裕はあったし、脚的には勝負できる状態だと思います」
 力で別線をねじ伏せて、らしさは見せた清水裕友だったが、最後はいっぱいで僅差の4着に沈んだ。
 「指定練習では軽いんですけど、顔見せにいくと重たいんですよね。自分の状態が良ければ、バンクが重たく感じることは少ないんで、やっぱり自分の状態かなと。出切ってからうまく回せてない。別線にあそこまでズブズブを食らっているので、状態としてはいまひとつ。(あとのS班の2人の)郡司(浩平)さん、平原(康多)さんは1着なんで、お客さんに迷惑を掛けてしまった。なんとか修正したい」


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平原康多選手
平原康多選手
 近畿ラインの先頭を務める藤井昭吾が赤板2コーナー手前で飛び出して、中団まで下げた平原康多(写真)は山本直と併走。最終ホームを通過しても4番手で重なったままだったが、2コーナー手前で山本が遅れ気味。藤木裕が番手まくりを打って仕掛けどころが生まれると、平原がその上をまくって埼京ライン3車で上位を独占した。
 「近畿は2段駆けかなって思っていた。(近畿勢に)前を取られてしまうと厳しいし、こういう番組は簡単に(自分が)とぶかなっていうのもあった。それをしのげました。地元の2人が続いてワンツースリーっていうのがうれしい。藤木君が番手まくりをしたところをしっかり勝負できたんで(状態は)悪くないのかと」
 平原に半車輪差に迫った河村雅章が2着で、車単は180円の1番人気。
 「(平原と自分で売れていて)オッズもすごかったし、シビレましたね。まずは勝ち上がらないとって考えてた。(平原に)離れないようにと思ってたけど、(平原が)まくっていった時にちょっと口が空いた。だた、あそこまで差し込めたんで(状態は)いいと思います」