『立川競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:1月3日
 22年も始まりは立川から。今年のグレード戦線の幕開けとなる開設70周年記念「鳳凰賞典レース(GIII)」が、立川競輪場を舞台に1月4日にスタートする。昨年12月30日にグランプリで激闘を繰り広げた平原康多、清水裕友、吉田拓矢のS級S班の3人をはじめ新田祐大、浅井康太ら豪華メンバーが顔をそろえた。前検日の1月3日は、22年の始まりとなる明日からの激戦に備えて、選手各々が入念な調整を行った。
 なお、立川競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。スポーツの力で立川を盛り上げよう!「立川プロスポーツデー」によるトークショーや体験イベント。オリジナルマスク、除菌グッズ、カイロなどの先着プレゼント(開催中の毎日1000人)なども予定されています。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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 50歳でS級1班をキープしている内藤宣彦が、阿部拓真とのタッグで22年のスタートを切る。
 「(年末年始も)休まずに、いつも通り(冬期移動先の千葉で)やってきました。前回は腰痛で欠場したんですけど、コンディション的にはもう大丈夫です。(初日に連係する阿部は)前々に行ってくれるんで、頑張ってもらいます」
 前回の豊橋FIを123着。近況をソツなくまとめている小岩大介は、20日近く空いたゆとりのローテーション。
 「(前回から中19日で)普段と変わらない感じで、体調も崩さずにやってきました。(初日に連係する林慶次郎とは)何回もあるんで、きっちりと付いていくことに集中したい」


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隅田洋介選手
隅田洋介選手
 前回の静岡グランプリシリーズ112着でも動きの良さが目を引いた隅田洋介(写真)は、ここでも期待が膨らむ。
 「(前回の静岡の前に)ピストシックスで大ギアを踏んでいたんで、(静岡が)軽いなっていうのはありました。そこからは少し乗って、休息も入れてっていう感じでした。(3場所前の立川は315着は)全部内に行ったんで、今回はしっかりと自力を出せるように」
 昨年11月の防府記念で落車に見舞われた柿澤大貴は、復帰場所となった立川FIを632着。その後は西武園FIを141着、続く前回の伊東記念を6145着と勝ちを挙げた。
 「(今回はピストシックスで)いつもと違う刺激が入ったんで、いい感じですね。そのあとは雪もあって、バンクが乗れなかった。室内練習をメインに、たまに街道で乗りました。自分の調子は保てているかなと」


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 前回の奈良FIの決勝では、目標が不発も自力に転じてまくりで優勝を遂げた三谷将太が、地元で21年の有終の美を飾った。
 「(奈良の優勝は)気持ちだけでした。(立川はS級に)上がりたてのころに記念に来て、(お客さんがたくさん入って)すごい記念だなっていう記憶があります」
 五十嵐力は、3場所前の武雄で18年12月の佐世保以来となる久しぶりGIII決勝進出。その後の小田原、岸和田のFIでは未勝利に終わっている。
 「(最近は)セッティングを変えているわけではないけど、一場所ごとに体調のムラがありますね。(前回の岸和田の536着は)あんまり良くなかった。そのあとにしっかりと練習もできたし、その感じも悪くなかった」


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 前回の防府FIの最終日に落車に見舞われた川村晃司は、一次予選を自力で活路を見出す。
 「(前回の落車で)頭と右半身を強く打った。それで練習は軽めにしかできなかった。体の手入れ、ケアをしてました。(立川は)走りやすいイメージがあるんで、(初日は)自力でしっかりと力を出し切れるように」
 伊東記念、静岡グランプリシリーズで2勝2着2回とまずまずの岡村潤だが、慎重に口を開く。
 「(伊東記念、静岡グランプリシリーズと地元で)見えないところで疲れがあったんだと思います。レースには集中できていたけど、気持ちの面でキツいところもあった。なんとかラインに迷惑を掛けないようにとは思ってたんですけど…。(静岡のあとは)競輪場が使えないのもあって、疲れを取る方に集中してました」


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 10月の前橋GIIIでの優出後も、久米良はコンスタントに勝ち星を挙げている。
 「(前回の防府FIの142着は)着以上に感触が良かったかなと。(自分の近況の成績については)前の選手が引っ張ってくれているおかげです。けど、自分がそこにいられるっていうのは良かったです。立川はデビュー13年目にして初めてです」
 近況の成績も悪くない菊地圭尚は、降雪の影響で仕上がりが心配だ。
 「冬期移動ができるようになったんで、12月から大垣でやっています。ただ、(大垣は)雪が降って天候に振り回された感じです。雪のなかでも(練習を)やったりしてました。(前回の名古屋FIの124着の)感触は3日間、良かったです」


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鷲田佳史選手
鷲田佳史選手
 鷲田佳史(写真)は前回の佐世保記念2357着から中7日。一次予選は土生敦弘の番手から、当所の長い直線を生かしたい。
 「前々回の豊橋は、その前に風邪を引いてダメでした。そこから(前回の佐世保記念は)立て直せたかなと。(佐世保のあとは)地べたを乗りたかったんですけど雪がすごくて、室内トレーニングでした。ウエートトレーニングとかワットバイクとかをやってきました。立川は自力の時は苦手だったけど、追い込みになってからは直線が長いので好きなバンクです」
 前回の静岡グランプリシリーズが547着と思いのほかだった中村浩士は、落車の影響で万全ではなかったようだ。
 「(前回は)いいかなと思ってたんですけど、あんまり良くなかった。練習と怪我の兼ね合いがしっかりとできてなかった。1本欠場して準備をしたけど、まだ足りなかった。今回は(中3日で)2日間しっかりと練習をしました」


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 前回の静岡グランプリシリーズ525着から、雨谷一樹は今シリーズに巻き返しを誓う。
 「前回の静岡はあんまり調子が良くなかった。自分でももう少しやれるかなと思ってたんですけど…。今回は(22年の)一発目なんで、あらためて気合を入れた。前回よりは全然いいと思います」
 伊藤裕貴は上昇カーブを描いているようで、仕上がりも悪くなさそうだ。
 「(前回の佐世保記念2554着は)その前の岸和田が良くなかったんで、見直して少し上向いてきました。そのあとは年末までしっかりと追い込んで、そのあとは徐々にゆっくりした感じでした」


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河村雅章選手
河村雅章選手
 京王閣FIを227着で昨年を終えた河村雅章(写真)は、ホームの立川から22年を始動。連続の地元シリーズに、気持ちも入っていることだろう。
 「(京王閣のあとのピストシックスは)巻き返しがきかないんでキツかったけど、いい刺激になりました。ピストシックスが終わってからは、しっかりと練習をして疲れも取ってきました。(初日に付ける武田亮とは)2回くらい連係があると思います」
 近藤保は前回、地元、松戸FIを3連勝。S級では初の完全Vを遂げた。
 「(前回の松戸は)展開が向いただけですね。いつもと変わらない感触だったし、そのあともいつも通り練習をしてきました。ここは直線が長いので好きです」


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岩谷拓磨選手
岩谷拓磨選手
 一次予選は兄デシの小川勇介とセットの岩谷拓磨(写真)は、22年のスタートダッシュに燃える。
 「(前回から2週間あって)小川さんと一緒に練習をしてきました。体調も変化なく、しっかりと練習ができました。(初日は)小川さんと一緒かなと思ってたので、気合を入れてきました。ここは風が強烈ですけど、走りやすい。しっかりと見せられるいいレースができるように」
 3324着で優出した前回の佐世保記念から1週間あった小川勇介はリズムも良好だ。
 「(岩谷)拓磨と練習をしてきて、自分はしり上がりに良くなってきて、疲れも抜けてきたかなと。(弟デシの岩谷との連係で)気が引き締まります」


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松井宏佑選手
松井宏佑選手
 期待された前回の静岡グランプリシリーズで、松井宏佑(写真)はまさかの予選敗退。最終日にようやくまくりで勝ち星を挙げた。
 「最近はあんまり調子が良くないですね。9月の伊東での落車と(競技での)世界選での落車もあって体の調子が良くない。(前回の静岡グランプリシリーズで)負け戦でしたけど、最終日に勝ち切れたんで、それで(流れと体が)いい感じに変わってくれればいいですね」
 前回の奈良FIの初日に落車のアクシデントも、内藤秀久は決勝にコマを進めた。
 「(前回の奈良FIの初日は)落車して直後は頭を強く打っていたので、頭が痛いっていうのがあった。でも、5分、10分で回復した。(2日目、最終日も)走って正解だった。そのあとも練習もしてきたし、自転車も体も問題ない。(落車が)なんだったんだろうっていう感じです。あとは(初日を)走って判断してもらえたらなと思います」


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鈴木竜士選手
鈴木竜士選手
 鈴木竜士(写真)は静岡グランプリシリーズから中3日も地元、立川記念に仕上がりは良さそうだ。
 「(中3日で)自転車には乗ってないけど、2日間はウエートトレーニングだったり体を動かしていた。ここは(地元の記念で)大事なのでしっかり調整してきた。いい結果をのこせるように頑張りたい」
 ヤンググランプリはまくり不発の8着に終わった坂井洋が、立川から新たな年が始まる。
 「(ヤンググランプリは)結果がダメだったんで、しっかりと敗因を見直してきた。(そのあとは)体調を崩していたところもあって、回復に専念しました。(体調が)だいぶ良くなっているんで、(立川に)出られるんじゃないかと。去年は2回目の記念決勝(11月四日市)でたまたま獲ったんで、今年は記念決勝の常連になれるように」


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平原康多選手
平原康多選手
 静岡グランプリは関東ラインの3番手だった平原康多(写真)。吉田拓矢、宿口陽一の頑張りもあり、2着に入った。
 「悔いのないグランプリでした。(グランプリ直後の立川記念は)体と気持ちがキツいところもあるけど、毎年やっていることなんで頑張ります。(グランプリのあとは)次の日に休んで、昨日、一昨日は練習をしてきました。立川で練習をしたし、ここは過酷なバンクなのは知っています」
 昨年は東京五輪出場の影響もあり、競輪の出走機会が減っていた新田祐大が、S級1班でスタートする。
 「グランプリはグランプリらしいすばらしいレースを見せてもらった。気持ちも高ぶっています。ただ、あの場に立てなくてすごく悔しかった。(今年の目標は)まずはS級S班を目指して一戦、一戦ですね」
 清水裕友にとっては、赤板で郡司浩平に出させてもらえなかったことが静岡グランプリの大きな誤算だったようだ。
 「(グランプリは)なかなか思ったようには…。自分が甘かった。赤板のところがすべてでした。(今年の目標は)タイトルを獲ることは大前提ですが、自分は安定感がない。1、2着か大敗かみたいに去年、一昨年となっている。それを少なくしたい」