『立川競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:1月6日

 22年も始まりは立川から。立川競輪場で開催されている今年のグレード戦線の幕開けとなる開設70周年記念「鳳凰賞典レース(GIII)」は、1月6日に3日目を迎えた。雪が降りしきるタフなバンクコンディションとなった準決は、S級S班の吉田拓矢、清水裕友がしっかりと決勝にコマを進めて、浅井康太、新田祐大らの実力者も勝ち上がった。1月7日の最終日に決勝の号砲が鳴らされ、22年最初の記念覇者が誕生する。
 なお、立川競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。スポーツの力で立川を盛り上げよう!「立川プロスポーツデー」によるトークショーや体験イベント。先着プレゼントなども予定されています。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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新田祐大選手
新田祐大選手

菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
 中団の桐山敬太郎が先に切って押さえて出ると、4番手が新田祐大(写真)と太田竜馬で併走になる。打鐘の3コーナーから桐山が上がりインが空くと、新田がそこを進出して主導権を奪う。新田に菊地圭尚まで出切り最終周回。3番手には桐山が入る。浮いた太田は後方に下げて出番がない。逃げているのが新田だけに、3番手の桐山も動けず、新田がそのまま余裕をもって押し切った。
 「ジャン前からの動きで桐山さんが切ってから動きが止まったので、結果内側をすくう形になった。7番(太田)も踏む距離を短くするために引っ張りたいという気持ちもわかる。今日(3日目)は風がなかったので、自信をもって仕掛けられました。(菊地)圭尚さんと一緒に勝ち上がれたのはうれしいですね」
 二次予選同様に菊地圭尚(写真)は、新田から1車身をキープしたままの流れ込み。
 「(新田が)内に行った時は、桐山さんのところが空かなければ厳しかったですね。新田の番手で大チャンスだったし、強い気持ちをもって走りました。付いていけただけでプラスです」
 内に詰まっていた新田を誘うように中バンクまで上がった桐山敬太郎は、最終ホーム過ぎに3番手に入り、そのポジションをキープして3着。
 「ジャン過ぎには腹をくくっていたんですけど、たまたま3番手に入れました。先行しにいった結果いい流れになってくれました。できることは全部できている感じです」

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吉田拓矢選手
吉田拓矢選手

木村弘選手
木村弘選手
 木村弘、岩谷拓磨の順番で出て、最終的に格清洋介が打鐘の4コーナーで主導権を奪って駆ける。坂井洋もすかさず巻き返すが、岩谷に合わされて3番手まで。吉田拓矢(写真)は、自力に転じて最終2コーナーから踏み込む。渡邉雄太も逃げる格清の番手から出る。番手まくりの渡邉を直線の入り口でとらえた吉田が二次予選から連勝。
 「思った通りの展開にはならなくて、ペースが上がらなかったのが誤算ですね。(坂井は)いいところで行ってくれたんですけど、厳しい展開になってしまった。あそこで待ってしまうと渡邉さんも出て行ってしまうと思ったので、前に踏みました。脚の感じは悪くないですね」
 関東3番手で吉田の踏み出しにソツなく反応した稲村好将が2着。
 「吉田君もちゅうちょせずに切り替えて踏んでくれたので付けやすかったですね。記念の決勝はたぶん3、4年前の函館以来だと思います」
 一度脚を使って後方に置かれた木村弘(写真)が、反撃に出た関東勢を追いかける。直線では前の2人に吸い込まれるように3着。11年7月のデビューから初のGIII優出を果たした。
 「後ろから1回切って、流れに乗って行こうと思っていました。流れ込みになってしまったけど、3着に入れたのは自信になります。3日間とも最終バックを取れていないですし、内容的には納得できていない。その分、決勝は前でしっかりと頑張りたいです」

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久米良選手
久米良選手

浅井康太選手
浅井康太選手
 川口聖二が突っ張って、打鐘から川口と松井宏佑の踏み合い。松井に出られた川口は、岡村潤を張って番手を奪取する。川口と息が合わなかった浅井康太は連結を外す。別線のやり合いを見極めて、清水裕友が最終ホーム手前から踏み出す。清水がバックで出切り、桑原大志、久米良(写真)が続く。中四国勢に浅井が強襲して、4車の直線勝負。外を踏んだ久米がわずかに出た。
 「みんなから聞いて悪条件っていうのもわかってたんで、思ったよりも走れたかなと。昨日(2日目)よりも今日の方が良くなっているんで、日に日に良くなっている。(ゴール前は)落車するかと思ったけど、それを回避できたのが大きいです」
 最終バック手前から中四国勢を追った浅井康太(写真)は、2センターでのあおりもあって一瞬、前の3人に遅れた。が、そこから直線で清水と桑原の間を踏んで、目の覚めるような伸びを披露した。
 「自分は(川口が)引くと思って、先に引いた。そこの判断は自分のミスで(川口)聖二にも迷惑を掛けた。(最終)3コーナー過ぎは外も考えたけど、久米君のスピードが良かったんで、外よりも内だと。全部、避けられたかと思ったんですけど、最後に引っ掛かったのが失敗だった。(ゴール後の落車での怪我は)打撲と擦過傷が少しですかね。(現時点では)痛み的には、なんとか我慢できるかなと思います」
 二次予選に続きラインを重んじた仕掛けの清水裕友は、9、3、3着での優出も動きは悪くない。
 「松井さんにフタをされた感じだったので、慌てずに状況を見ながらでした。行くべきところで行けてるんで状態は悪くない。けど、連日(ラインの)3番手から差されているので、末脚を欠いているところもある。道中、乗っている感じは、セッティングを変えたりして今日(3日目)が一番良かった」