『立川競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:1月6日


 全国の競輪場の先陣を切って開催されている年明けの記念競輪、立川競輪開設58周年記念『鳳凰賞典レース』。3日目の今日は準決勝戦が行われた。地元の東京勢は決勝に勝ち進むことはできなかったが、今年から新たにS級S班となった浅井康太、加藤慎平、成田和也の3選手が順当に勝ち上がった。今年最初の記念で美酒に酔えるのは一体誰なのか。明日(7日)はベストナインによる決勝戦が争われる。
 さらに、最終日もバンクの外では豪華イベントが盛りだくさん。ガールズレースの決勝戦および表彰式や、元WBCコーチで大の競輪ファンである伊東勤氏によるトーク&予想会など、レース以外にも楽しめる充実のラインナップがそろっています。ぜひこの機会に、立川競輪場へと足をお運びください。


<8R>
新田康仁選手
新田康仁選手
   着権利の準決勝Cを制したのは新田康仁(写真)。田中孝彦のカマシ先行に乗って直線きっちり抜け出し、決勝一番乗りを果たした。
 「田中君が強かったです。後ろが離れていたのは分かったけど、追いつきざまに一気に行かれてしまうのだけは避けたかった。今日は楽な展開でした。最近の成績は悪かったので、1着は一番いい薬になります。年の始めでいいスタートが切れました」
 西郷剛が木暮安由マークから直線外を伸びて2着に入った。
 「木暮君はレースが上手いので、信頼して任せていました。木暮君が前に追い付いてくれればチャンスはあると思っていました。前までは少し遠かったけど、木暮君は抜けたし、伸びは悪くないですね」
 木暮安由は3番手に入ったが、前2人を追いかけるのに脚を消耗した。
 「三谷(将太)が内から来て締めたときに、田中君に一気に行かれてしまい、反応が2、3テンポ遅れてしまいましたね。車間が空きすぎてしまい、詰めるだけで一杯になってしまった」


<9R>
柴崎淳選手
柴崎淳選手
   牛山貴広と山中貴雄が激しい主導権争いとなり、後方でも激しくぶつかりあう。落車もあったが、それを冷静によけて、最後に追い込んだ柴崎淳(写真)が勝利した。
 「ホッとしました。落車に巻き込まれなくて良かったです。岡田さんが外に持っていってるのが見えたので、それが終わってから仕掛けようと思ってました。2年連続で立川記念の決勝に乗れたし、脚の感じはいいです」
 先行争いの結果、山中が牛山の番手にハマりその後位に切り替えていた太田真一が直線で冷静に追い込んで2着に。
 「牛山の踏み込みが強烈で遅れてしまった。3番手になって、2センターあたりから自分で出て行こうかとも思ったけど、山中君は自力型だし、最後は外に踏んでいくだろうから、我慢しました。最後は牛山君とワンツーで決めたかったけど、後ろからゴッソリ抜かれたら意味がないので、踏み込ませてもらった。結果2着になれてよかったです」
 先行した牛山貴広は惜しくも3着で決勝を逃した。
 「ホームで山中君が来るのが分かったので、自分も全力で踏み込みました。あそこで出させたら巻き返せないですから。決勝に乗りたかったですね」


<10R>
成田和也選手
成田和也選手
岩津裕介選手
岩津裕介選手
   小野大介が積極果敢に主導権を奪うと、S級S班の成田和也(写真)が番手から追い込んで快勝。今シリーズ2勝目を挙げた。
 「一番いい展開になりました。小野がけっこういい感じで踏んでくれたけど、(渡部)哲男や(佐藤)友和が後ろにいたので、油断はできなかったです。脚には余裕がありました。ものすごくいい状態というわけではないんですが、走りながら感触をつかめています」
 小野ラインの3番手を回った三浦稔希が2着に流れ込んだ。
 「(小野は)よくかかっていました。内だけはきっちり締めていました。連日、SS(選手)の後ろを回らせてもらっているし、流れがいいです。最高の追加になりました」
 渡部哲男のまくりに乗った岩津裕介(写真)が3着に突っ込んだ。
 「前も楽に駆けてましたからね。(渡部は)前と車間が詰まって、そこで1回休んでから仕掛けたんです。コーナーに入っていたし、ちょっとダメでしたね。自分の伸びは悪くないと思います」
 中団まくり不発の渡部哲男は「ガックリです。全然(車が)出なかった。あの展開でまくれないんじゃ重症ですね。また明日頑張ります」と気持ちを切り替えた。
 人気の佐藤友和は後方の7番手で見せ場なく終わった。
 「昨日はいいレースができたし、体調は変わらないと思うけど、今日は身体が動かなかった」


<11R>
浅井康太選手
浅井康太選手
加藤慎平選手
加藤慎平選手
   中部のSSコンビが貫禄を示した。浅井康太(写真)は自力型2人で並んだ北日本勢を分断。菊地圭尚から坂本貴史の番手を奪うと、直線で力強く抜け出した。
 「作戦の1つ。2段駆けされると厳しいし、どこかに飛び付いて、外をどかして仕掛けていくことも考えていました。落ち着いて走れたと思います。今回は先行、まくり、追い込みと色んな戦法で勝ち上がれているし、内容もいいですね」
 浅井との連結が外れてしまった加藤慎平(写真)だったが、外をしぶとく踏み上げて2着。オール連対で決勝に勝ち上がった。
 「北日本が番手まくりだと、浅井の中団まくりも厳しいですからね。激しいレースになりましたが、身体は動いてくれました。今日は自分のできる限りのことができたと思います」
 鈴木誠は最終ホームで浅井の後位に切り替え、しぶとく3着に入った。
 「年齢の割にはいい方でしょう(笑)。もつれて前々に踏んだら(山本)健也の前に入ってしまい、入れるか迷ったんですけどね。結果的に浅井の後ろに入って決勝に乗れて良かった」
 逃げた坂本貴史はサバサバとした表情でレースを振り返る。
 「先行しか考えていなかったけど、浅井さんが粘るのは考えていなかったです。ちょっと焦って踏んでしまいました。やっぱりこのクラスでは力不足です」
 競り負けた菊地圭尚は「分断もあるかな、と思っていました。でも、ここで勝っていかないと回らせてもらえませんからね。こういうレースも経験して勉強していきたい」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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