『立川競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:1月7日


 立川競輪開設59周年記念「鳳凰賞典レース」は1月7日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。激戦を勝ち抜いたベストナインによる決勝戦が最終第11レースで争われ、人気を集めた深谷知広が見事な逃走劇で圧勝。記念初制覇を果たした。2着はまくった栗田雅也、3着には坂本健太郎が入った。

決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると渡邉一成が飛び出し、萩原孝之がこれに続いた。初手は渡邉―菊地圭尚、栗田雅也―萩原、牛山貴広―佐久間仙行、深谷知広―山口富生―坂本健太郎の順で並んだ。
 周回が進み、赤板手前から深谷が動くと、牛山が合わせて先に上昇していく。牛山が前を押えると、ジャンで深谷がその上を叩きにいく。番手の山口が牛山を内に押し込んで援護し、ライン3車がきれいに出切って、深谷はそのまま先行態勢に入った。後方からの巻き返しはなく一本棒で、中団は牛山、栗田の順となり、渡邉は後方8番手に置かれて万事休す。深谷が懸命に逃げる一方で、山口は脚が一杯になりバック線から離れていく。これで深谷が独走状態となり、最後まで力強く踏んで先頭でゴールを駆け抜けた。脚を溜めた栗田が3コーナーからまくって2着に入り、山口の後ろから追い込んだ坂本が3着となる。


深谷知広選手
深谷知広選手
 バンクに吹き荒れる強風、別線の包囲網もなんのその。深谷知広がケタ違いのハイパワーで後続をぶっちぎる圧勝劇。ファンの圧倒的な支持に応えて記念初優勝を飾った。
 「本当に嬉しいです。今日の風で後ろから押さえるのはきついし、初手は中団の前か後ろが良かったんですけどね。牛山さんが一緒に上がってきたけど、とりあえず出してもらえそうだったし、ホームで山口さんが番手をキメたのを確認してから踏みました。それから後ろを見る余裕はなくて、どうなってるかは分からなかった。先行で勝てて良かったです」
 21歳の怪物は一戦ごとに進化を遂げている。これからも低迷する競輪界の救世主として、大きな期待がかかる。
 「プレッシャーはあるけど、それもいい刺激になっています。ちょっとでもいいところで結果を残せるように頑張るだけです」

 6番手から力強くまくり上げた栗田雅也が2着に入った。
 「深谷君が相手だし、とにかく前々に踏んでいこうと考えていた。牛山君が番手で粘ってくれると思ったのに、1コーナーで引いてきたので厳しかった。あとは立て直してダメもとでまくっただけですね。(坂本)健太郎を抜いて優勝かと思ったら、前にもう1人いました」

 中部コンビ後位を選択した坂本健太郎は3着まで。
 「ホームで3番手をキープできて優勝かと思ったんですけどね。(山口)富生さんが離れているのに気付く暇もなかった。深谷が強かったです」

 山口富生は2日続けて深谷に離れ、さすがにショックを隠せない。
 「ショックです。昨日と同じような離れ方をしてしまった。今日のメンバーなら粘られても何とかなると思っていた。ギアが自分には重かったのかな」

 牛山貴広は番手飛び付きに失敗した。
 「深谷の番手勝負という気持ちが強かった。でも、やっぱりそんなに甘くなかったです。佐久間さんに4番手に入れてもらえたけど、動いた分、脚は残ってなかった。ちょっと中途半端なレースになってしまいましたね。でも、決勝は8、9着が多かったので、今年初戦でいいスタートが切れたと思います」

 渡邉一成は8番手に置かれて見せ場を作れず。
 「前を取って、突っ張ってもいいと思っていました。牛山さんが来たし、突っ張らないにしても、番手勝負に出そうだったので、それに期待したんですけどね。一本棒の8番手では厳しい。すんなり深谷君のレースにしてしまったのが敗因です」


ゴール




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