『立川競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:1月7日
 立川競輪開設63周年記念「鳳凰賞典レース」が1月4日~7日の日程で行われた。準決勝を勝ち抜いたベストナインによる決勝は、逃げた脇本雄太を浅井康太がまくりでとらえた。そこで脇本の番手から村上義弘がスイッチ。ゴール前接戦を制した村上が今年Vスタートを切った。
決勝戦 レース経過
 最内の浅井康太がスタートで前に出ると、周回は浅井―田中誠―坂本健太郎―後閑信一―齋藤登志信―野木義規―脇本雄太―村上義弘―溪飛雄馬の並びに。
 赤板前から脇本が上昇しようとするが、この動きを察知した後閑が脇本をけん制。後ろでレースが始まることを警戒した浅井は赤板過ぎから早くも誘導員を下ろして後方の動きに備える。脇本は1センターから一気に上昇を開始。打鐘で先頭に立つと、中団から合わせて踏んだ後閑はスピードが合った3番手、溪のところで勝負する。後閑はあっさりと溪を飛ばすと、近畿3番手を確保。7番手になった浅井は4コーナーから仕掛けると、一度中団アウトで止まってリスタートのタイミングを計る。浅井は2コーナーから再び踏み上げると、3コーナーで前団を飲み込む。しかし田中を飛ばした村上が浅井を追うとゴール寸前で逆転。今年最初の記念を制した。浅井は惜しくも2着、村上に続いた後閑が3着に食い込んだ。


村上義弘選手
村上義弘選手
 昨年末に開催されたグランプリの熱が冷めやらぬなかでの今年始めのシリーズ。ここで見事優勝を決めたのは、村上義弘(写真)だ。
 「(浅井の)スピードが良かったし、直線だったんで対応しきれなかった。体が動いてる感じはないけれど、うまく成績はまとまりました。後閑(信一)さんが、後ろに入ったのがわかったので、勝負所で内を空けられないので、そこを思っていたら、浅井のまくりに対応するのが遅れました」
 グランプリから中3日で参戦した記念レース。万全の状態でないなかで、4日間を戦い抜いた。
 「自分の感じは良くなかった。頭がしびれているような感じがしていました。岸和田グランプリに全てをかけて挑んだので、僕にしては珍しく意識して集中力を高めていかないといけなかった。いつものレースに挑む精神状態ではなかった」
 このような苦しいなかで、しっかりファンの期待に応えた。
 「僕の都合で、お客さんが車券を買っているわけではないし、結果は良くても悪くても、今の自分のベストを尽くすしかないと思いました」
 この結果で弾みを付け、次開催に向かう。
 「立川は競輪のメッカだし、ここで優勝できたのは気分的に大きいです。(次に向けて)心身共に休めたいと思います。練習は続けますけど」

 2着は、浅井康太。外併走からまくっていったが、ゴール際で村上に捕まってしまった。
 「出し切りました。2コーナーから早めに踏んで、無理やり行ったんですけど、意外に出ました。(ギアが)3.92だったから、自転車が上手く出てくれました。村上さんの脚があるのは分かっているんでね。見応えのあるレースが出来たし、うまく体も動いたので、内容も満足しています」

 近畿ラインの3番手を溪飛雄馬から奪った後閑信一が、村上を追って3着に入った。
 「展開は考えていなくて、体が動くのを待った感じです。去年は落車から始まったので、今年は全部確定坂を決めてよいスタートです」

 後閑に付けた齋藤登志信は、4着に入線。
 「難しいレースでした。後閑さんがいなかったら、今日の着があったかどうか。決勝に乗れたことで、今年一年やれるんじゃないかな」

 田中誠は、村上にさばかれ、浅井に続けなかった。
 「相手が強かったです。浅井君が強かったです。一回休んで、あそこから行けるんですから」

 風を斬った脇本雄太だが、浅井のまくりに屈した。
 「4コーナーで浅井さんが見えたから、そこで踏みました」


ゴール
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