『立川競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:1月5日
 立川競輪場開設64周年記念「鳳凰賞典レース(G3)」の2日目は1レースの敗者戦から地元勢の活躍が目立った。優秀競走「初夢賞」は脇本雄太の先行を平原康多が豪快にまくって圧勝。シリーズ連勝を飾った。明日はいよいよ準決勝3番勝負。ファイナルの座を巡ってし烈な戦いが繰り広げられる。
 明日3日目も小林莉子選手、増茂るるこ選手、奥井迪選手のガールズケイリントークショーに、地元東京選手トークショー、専門解説者の予想会など場内イベントは盛りだくさん。ぜひ立川競輪場でお楽しみください。
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河村雅章選手
河村雅章選手
 赤板前から後ろ攻めの篠原忍が上昇。打鐘で前受けの櫻井正孝を押さえにいくと、櫻井も突っ張り両者の踏み合いに。最終1コーナーまで続いたもがき合いは櫻井に軍配も、後方で脚を溜めていた河村雅章(写真)には絶好のまくり頃。1センターから仕掛けた河村はバックで櫻井をまくり切ると、そのまま1着でゴール。ラインで確定板独占を決めた。
 「展開が向きましたね、前が踏み合ってくれたんで。良いタイミングでいくことができました。昨日は先行でいって、今日はまくりも出たんで。まずは準決勝、最低でも準決勝と思ってたんで良かったです。体の状態も不安でしょうがなかったけど、一安心です。とりあえず明日。疲れを取ってですね」
 川口満宏は河村を交わせずも、完璧マークで2着に。地元ワンツーを決めた。
 「最高の展開になりましたね。抜きたかったけど河村君が強かったです。河村君もけっこう行こうという気持ちになってたし、それにしっかりと付いていけました。今日はお互いに100点満点です。ラインでワンツースリーですしね。久しぶりの準優ですね、嬉しいです」
 田村真広は記者から「3着」と言われ「目立たずにね(笑)」と笑顔で検車場に引き揚げてきた。
 「あの中でよく付いていけました。前が長めにやりあってくれて展開も向きましたね。ワンチャンスしかないというところで河村君がいってくれました」

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澤田義和選手
澤田義和選手
 細切れ戦らしく隊列が激しく入れ替わり、大竹歩が最終ホーム前で主導権を握る。そのままバックまで一本棒で通過すると、5番手の佐藤和也が満を持してアタック。番手から抜け出した澤田義和をゴール寸前で捕らえ、連勝で勝ち上がりを決めた。
 「かぶってしまう位置ですし、ここでいかないと無理だと思って仕掛けました。澤田さんに振られて失速したけど、まくれましたね。(最近は)何でかのれています。理由はわからない。積極的にいっているだけなんですけどね。(準決勝で)強い相手とやるのは楽しみです」
 2着の澤田義和(写真)は、「大竹君のおかげ」と後輩の頑張りに感謝する。
 「大竹君は出切るまでに脚を使っていたし、きつかったと思いますよ。番手の僕がきつかったくらいですから。シビアにいけば勝てたかもしれないけど、あれだけ頑張ってくれたし、そうもいかないですね。もう一人いたら違っていたと思います。展開が向いているけど、脚的にも悪くはないです」
 人気の北津留翼は後方8番手から直線で外コースを強襲して3着に入る。
 「調子が良ければ、打鐘でいっているんでしょうけど。(準決勝進出を決めたが)1着にも届いていないし、後ろの筒井(敦史)さんも準決勝にのれていないので。でも、セッティングを調整したら、一次予選よりは自転車が流れています」

<8R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
 打鐘前に斬った佐藤雅春を窓場千加頼が叩いて先行策。佐藤は番手に飛び付いて、中村一将と併走に。前団のもつれを海老根恵太(写真)が最終1センターから豪快にまくって完勝した。
 「今日は本当に展開が良かったです。自転車を元に戻していたので、安心感はありました。力が入らない状態が続いていたんですけど、昨日の夜にケアして、良くなったと思います。久しぶりにもがき切れた感じがします」
 完璧マークで2着に続いた伊勢崎彰大は海老根を称える。
 「展開が向きましたね。(海老根は)かかっていたし、スピードが全然違った。問題なく強いですね」
 近藤俊明がしぶとく3着に流れ込み、南関ライン3車で確定板を独占した。
 「海老根さんの力が違うと思ってました。強かったです。海老根さんの3番手でいつも離れていたし、付け切れたのはたぶん初めてです」

<9R>
後閑信一選手
後閑信一選手
 早めからレースが動くと、高久保雄介と金子哲大で打鐘から壮絶なもがき合いに。ホーム線は譲ったものの、金子が最終バックを取って力勝負を制すると、そこへ渡邉健、山形一気が襲いかかる。すると、これを見た後閑信一(写真)が番手まくりを敢行し、そのまま押し切った。
 「テツ(哲大)のおかげ。後ろ2人も固めてくれたので。ホント、あんなに行って頑張ってくれました。まくってきたところで僕も反応がよかったし、余裕もありました。地元勢が朝から頑張ってくれてたし、後輩たちのおかげです」
 佐久間仙行がきっちりマークして2着。地元ワンツーを決めた。
 「前のおかげです。阿部(康雄)さんも後ろを固めてくれので。ただ阿部さんは落車して骨折してしまったみたいで心配ですね。金子君が気合が入った良いレースをしてくれました。スイッチが入ってヤル気満々でしたね。後閑君も強いよ。いつまでも(笑)」
 山形一気が後方から鋭く迫って3着で準決勝進出。
 「(仕掛ける)タイミングが悪かったですね。展開が向いたけど、前が内に降りてくるのが早かった。車間を斬って、詰まったら一気に行ってやるつもりだったけど、降りてきたので無理矢理行った感じに。8番(竹内公亮)と接触して後閑さんともぶつかって。残り2周からハイペースになってたから、飛び付くのにも脚を使ったし。渡部(哲男)さんと決めたかったですね」
 高久保雄介は金子に力負け。8着に終わり悔しがる。
 「青板のところで(引かずに)突っ張るべきでしたね。あそこから叩きに行ってもですよね…。まだまだ脚力もない。レースを作るのも下手くそです。でも、気持ちが大事なんで、また明日頑張ります」

<10R>
小橋秀幸選手
小橋秀幸選手
 渡邉雄太と高橋和也が後方でお互いを意識している間に、初手で3番手に構えていた松岡孔明が打鐘で斬って先頭に躍り出る。そして、そのままペースを上げて主導権を握った。小橋秀幸(写真)が好位を確保し、高橋は5番手、渡邉は7番手で最終ホームを通過。松岡のかかりが良く、高橋や渡邉は仕掛ける事ができない。車間を大きく切っていた3番手の小橋が、車間を詰める勢いでまくると、吉松直人のけん制を乗り越えて松岡をとらえ、2連勝で準決勝のキップを手にした。
 「展開が向きましたね。あたふたせず、冷静に仕掛けられたのも大きかった。A級戦では、後半良い感じで走れていたし、勝ち癖をつけられたことが繋がっていると思う。(連勝は)自信になります」
 小橋に付け切った伊藤大志がしっかり連をキープ。
 「小橋さんが強かったですね。絶好の展開になりました。自分はキツかったけど、自転車の感じは徐々に良くなっています」
 7番手に置かれた渡邉雄太だったが、まくり追い込みで直線強襲。3着に食い込んだ。しかし自分のレースをさせてもらえず、後ろの千葉勢に迷惑をかけたためか、表情は最後まで険しいまま。
 「(警戒される展開は)考えていたんですが…。(これを糧に)明日また頑張ります」

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佐藤龍二選手
佐藤龍二選手
 打鐘先行の原田研太朗に対し、佐藤龍二(写真)がイン粘りを敢行。あっさり合志正臣に競り勝って番手を奪うと、直線で粘る原田を鋭く差し切った。
 「原田さんがまくりに構えてくれるのが理想だったんですけどね。突っ張ることも考えたけど、そうすると9着ですから。110点の先行選手のかかりはやっぱりすごいですね。後ろが福田(知也)さんじゃないのが分かったので、(内を)空けないようにしていた。最後に抜けたので、脚は問題ないです。準決勝も前々に攻めます」
 先行した原田研太朗は2着。連日、長い距離を踏んでいる。
 「普段しない競走なんで、きついですね。粘られてしまったのはしょうがない。自分のペースで踏ませてもらいました。最後はタレましたね。でも、逃げ残れているので悪くないと思います」
 金成和幸が切り替え策から3着に突っ込んだ。
 「(飯山泰行が)前々に攻めてくれたし、ラインのおかげです。脚にも余裕があったし、踏んだら伸びました。デキはいいと思います」

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平原康多選手
平原康多選手
 優秀「初夢賞」は平原康多(写真)が圧巻のまくりで快勝。あまりの強さに周囲はため息が出たほど。平原は後ろ攻めから早めに動いて誘導の後ろに入ると、中団に引いた脇本雄太に対して外から新田祐大がフタをする展開に。赤板の2コーナーで平原はバンクの上にあがると、脇本がその内を突いてそのまま主導権。最終ホームを通過し、上手く中団に入った平原は2コーナーからスパートすると、一瞬にして前団をまくり去った。
 「バンクの上にあがったのは、新田君が来ても山おろしで合わせられるからと思って。脇本君は打鐘からホームまでの掛かりがすごかった。僕も3番手を取るまでに脚を使ってたのでキツかった。最後タレたから、交わされるかと思いました」
 平原は後ろを千切っていくなか、脇本の番手から中川誠一郎が早めに追い込んで2着。
 「平原君が強すぎましたね。あれは無理。合わせられるレベルではないですよ。後ろを見ないで2コーナーから自分で出て、何とか合わせられるかどうかでしょう。ジワジワ来るかと思ったけど全然違いました」
 園田匠は中川を追って3着確定板入り。
 「平原君は強すぎる。1回後ろを確認したときは車間を空けてタイミングを取ってたのに。内容より、今日は確定板に載って車券に貢献できたのでよかった。付いていけたし、スピードに乗ってからはしっかり回すことができたので調子は悪くないです」
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