『立川競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:1月6日
 立川競輪場開設64周年記念「鳳凰賞典レース(G3)」は後半戦となる3日目に突入。準決勝3個レースをメーンに熱戦が繰り広げられた。平原康多に新田祐大、原田研太朗ら好調な機動型に、地元の岡田征陽、後閑信一らベストナインが出そろった。今年最初の記念を制するのは果たして誰か。明日の決勝戦でシリーズの頂点が決まる。
 最終日も場内ではデーブ大久保トークショーをはじめ、地元東京選手トークショー、専門解説者による予想会などイベント満載。ぜひ立川競輪場でお楽しみください。
<10R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
河村雅章選手
河村雅章選手
 後ろ攻めの佐藤龍二が青板ホームから上昇を開始し、早いうちからレースが動く。この動きに河村雅章、小橋秀幸も乗り、正攻法に構えていた脇本雄太(写真)は赤板で7番手まで下げた。そして脇本は、打鐘を目がけてスパートしたが、減速して好位へ斬り込む。隊列が短くなったところで小橋が叩き一旦ハナに立ったが、佐藤が小橋をすくって先頭を奪い返し、ペースを上げて最終主導権を握った。好位から2角まくりを放った小橋が3コーナーで佐藤を捕え出たが、小橋ラインを追う形でまくり上げた脇本が、瞬く間に前団を飲み込んで決勝一番乗りを果たした。それでも「レース中にサドルが下がってしまった。修正しないと」と引き上げてくるや、自転車の整備に没頭し、明日の決勝への準備を始めた。
 「バックを踏むのに脚を使ったけど何とかまくり切れて良かったです。明日(7日)の決勝は単騎になりそうですね。これが終わったら海外遠征に行くので、次の競走は2月の全日本選抜になる。そこへ向けて、単騎でも思い切って仕掛けていきたいです」
 最終バック8番手に置かれて万事休すかと思われた河村雅章(写真)だったが、猛然とまくり追い込んで2着に強襲。ホームバンクで嬉しい記念初優参を決めた。
 「打鐘でバック踏んで『終わった』と思ったんですが。まだ踏み上げる前だったので脚が残ってました。記念初優参をホームの立川で達成できて嬉しいです」
 脇本をマークしていた園田匠は、直線で河村の強襲に遭い3着。決勝進出は果たしたが、連を確保できず「お客さんに申し訳ない」と反省の弁を述べた。
 「苦しかったですね。最後に外(から来る)とは考えてなかったです。ダメですね。去年は記念の決勝にすらほとんど乗れていなかったから、優参できたのは良かったけど、1着がないし(S班としては)まだまだです」
 3番手から先まくりを決めた小橋秀幸だが、4着で惜しくも決勝進出を逃した。
 「決まったと思ったけど、やっぱり来ますよね。でも、着拾いにいかずに、いい勝負ができたと思います」

<11R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
岡田征陽選手
岡田征陽選手
 機動型が互いに意識して早めから踏み込み、ハイピッチの流れ。打鐘前から渡邉雄太が主導権を握り、北津留翼が中団に収まる。人気の新田祐大はその後ろで内に包まれたが、北津留をすくって4番手を奪うと最終2コーナーから鮮やかにまくって人気に応えた。
 「前々に踏んだんですけど、踏み遅れてしまいました。(内に詰まって)焦りましたね。4番手を取れたけど、海老根(恵太)さんも番手から出て行くと思ったので、すぐに仕掛けました。初日は気持ちよく走れたんですが、昨日、今日と結果は良くても内容があんまり良くないので、決勝はしっかり走りたいですね」
 海老根恵太(写真)は新田の仕掛けに合わせて番手まくりで応戦したが、スピードが違いすぎた。
 「(渡邉は)連日、失敗していたので、行きたかったみたいですね。ちょっと(新田の)スピードが違いました。(新田と渡邉に)はさまってバックを踏んで遅れてしまった。昨日は展開で、今日は雄太のおかげ。自分の力ではないです。でも、車が流れる感覚はあります」
 岡田征陽(写真)は新田の踏み出しに離れてしまったが、海老根を追って3着をキープ。地元の意地で決勝に進出した。
 「(新田は)強いですね。仕掛ける前に脚にきていた。2日間とも離れてしまって、格好悪いですね。弱いです。今日の反省を生かして決勝は頑張ります」

<12R>
原田研太朗選手
原田研太朗選手
平原康多選手
平原康多選手
 準決勝最後のレースは本線の平原康多を相手に、原田研太朗(写真)が堂々の逃げ切り勝ち。レースは佐藤和也が後ろ攻めから押さえたところを、原田が打鐘過ぎに叩いて主導権。平原が中団外併走から迫ってくると、山形一気がこれをブロックし、平原の勢いは鈍った。これを受け、原田は最後に懸命に踏み直し、先頭でゴールを駆け抜けた。
 「先輩の山形さんが付いてたし、今日は絶対に行くつもりでした。近藤(俊明)さんが3番手を固めてくれたのも大きかったですね。出切ってから平原さんが来たのが見えたので要所で踏み直しました。山形さんが持っていってくれたおかげです。最近はまくりばかりだったから、新年に入ったら積極的に攻めて行こうと。以前はそうだったし、初心に戻って頑張ろうと思ったので」
 平原と車間が空いた後閑信一だったが最後に付け直し、直線でしぶとく伸びて2着に入る。
 「康多が頑張ってくれたので。僕も練習の成果が出た感じがするし、フレームの感触もつかみました。ニュートラルに入って脚がたまる感じもあったので、また少し調整していきます」
 平原康多(写真)はブロックを食らいながらも、最後は意地で3着を確保した。
 「めちゃくちゃ苦しかった。自分が行くとこ行くとこ、原田君に踏まれたので。強かったですね。でも、自分の力を出し切れたので」
 山形一気は必死で前を援護したが、平原を止め切れず6着に敗れる。
 「持っていって止まったと思ったんですけどね。そこからもう1回押し返されて…。あれ以上持っていったら失格だし、あの展開で自分は2、3着に入らないといけない。でも、原田君が逃げ切ってくれたのでよかった」
 佐藤和也はバックで平原を追いかけ、一瞬チャンスは見えたが。
 「平原君の後ろを取り切ったと思ったんですけどね。山形君がブロックしてフワッとなったときに、その間を見てしまい失敗しました。悔しいですね。後閑さんも遅れてたし、平原君を目掛けて思い切り踏んだけど…。ブロックで前が詰まったときに後閑さんが復活してきたので。(平原に)しっかり付いていけば3着もあったかもしれない」
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