『立川競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:1月5日

 立川競輪場開設67周年記念「鳳凰賞典レース(GIII)」は1月5日に2日目が行われた。二次予選A、Bの計7個レースが争われ、浅井康太、清水裕友のS級S班2名に、吉澤純平、山崎芳仁、稲垣裕之ら実力者が順調に勝ち上がった。3日目はファイナル進出をかけた準決勝3個レースをメインに熱戦が繰り広げられる。
 3日目の6日は現役力士の矢後太規のトークショーをはじめ、スピーチーズLIVE、山口健治氏、小橋正義氏による予想会など場内イベントは満載。ぜひ立川競輪場でお楽しみください。

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松本貴治選手
松本貴治選手
 赤板で原口昌平に併せ込まれてフタをされた松本貴治(写真)だったが、単騎の谷口遼平がレースを動かして視界が開ける。打鐘の4コーナーから一気に仕掛けて別線を置き去り。松本が、師匠の濱田浩司とのゴール勝負を制して押し切った。
 「(二次予選Bは)2着上がりなんで、あんまり早く駆けすぎてもダメかなと。行ってもホームカマシかなと思ってた。そんなにペースも上がってなかったし、落ち着いてあのタイミングでした。(いままでは師匠と一緒に走ると)気持ちが入って、空回りじゃないけど、落ち着けない感じがあったんですけど。よかったですね」
 「いざ抜くってなると、抜く脚がない」とは、弟子と1車身差を保ったまま2着に入った濱田浩司
 「付いていくのは全然、楽なんだけど…。ただ、初日よりは楽に追走できたんで、もうちょっとよくなるように整えていきます。結果、抜けなかったけど、ワンツーはよかった」

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新井秀明選手
新井秀明選手
 打鐘手前でハナに立った戸田康平を、高橋築が叩いて先行態勢に入る。後方の松川高大は2センターから追い上げて、戸田から中団を奪取。最終バックからまくって前団をとらえると、最後は番手の新井秀明(写真)が松川を交わして白星を挙げた。
 「まっちゃん(松川)にはいつも任せているので。毎回、後手を踏まずに行ってくれますから。(一次予選のあとに)セッティングを微調整したんですけど、まっちゃんの後ろはセッティングっていうより、展開が向くんですよ(笑)。信頼して付いていきました。付いていて余裕もあったし、悪くなかったです」
 2着で入線した松川は打鐘手前のイエローライン踏み切りで失格。関東ライン3番手から、直線で伸びた白岩大助が2着に繰り上がり、準決勝へコマを進めた。
 「今回は運一本ですね。自分はコースをこじ開けるタイプではなくて、開けばって感じなんで。前回のグランプリシリーズ(12月静岡FI)から、感じがいいまま立川に入れました。前期、支部長になってすぐに調子を落としてしまったんですけど、練習とのペースをやっとつかめてきました。記念の準決勝は初めてなのでよかったです」

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福田知也選手
福田知也選手
 打鐘前に先頭に立った宗崎世連を藤田大輔が叩いて逃げる。ハイピッチで飛ばす藤田に対し、4番手を確保した宗崎が最終2コーナーからまくり上げる。福田知也(写真)がこれをけん制しながら番手まくりを打った。
 「(宗崎)世連を止めても野原が来ますからね。出ないとダメだと思いました。シビアに走らせてもらいました。新車も進んでいる感じがするので悪くないです」
 宗崎のまくりに乗った福島武士が福田に切り替えるような形で2着に入った。
 「宗崎君が頑張ってくれたおかげ。ありがたいです。ちょっと申しわけなかったけど2着権利なので。でも、宗崎君も3着なんで脚がありますね。記念自体もあまり走ってないし、準決勝はめちゃくちゃ久しぶりです」

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吉澤純平選手
吉澤純平選手
 赤板手前から切ろうとする櫻井正孝を藤木裕が突っ張って出させない。一旦、連係が外れた稲垣裕之だが、打鐘前に追い上げてドッキング。4番手で立て直した櫻井が最終2コーナーから踏み上げると、合わせるように稲垣裕之が番手まくり。さらにその上を吉澤純平(写真)が7番手から豪快にまくり切った。
 「まだ早かったから(赤板で)藤木君は出させると思ったのに突っ張ったから踏み遅れてしまった。あの展開なら稲垣さんは番手から出るだろうし、そこを見ながら仕掛けようと思ったけど、櫻井君が先に仕掛けたから自分もいかないといけないと思って。勝てたけど連日、後手後手を踏まされているので、そこは反省してしっかり修正したい」
 後輩の気持ちに応えた稲垣裕之は2着ながらも喜びをかみ締める。
 「藤木君がすごい気迫で。こっちも気持ちが入りました。作戦はなかったけどあれだけ頑張ってくれたので気持ちに応えようと2コーナーから出ていきました。それでもその上を行くんですから吉澤君は強い」

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木暮安由選手
木暮安由選手
 北津留翼が切った上を、鈴木謙太郎が打鐘で押さえる。鈴木が徐々にピッチを上げて最終ホームは一本棒。中団の北津留が2コーナーから仕掛けるも不発。4コーナーを絶好の番手で迎えた木暮安由(写真)が最後はきっちり差し切った。
 「僕は何もしていない。付いていっただけですよ。鈴木君が強かったし、かかりもよかった。あとは桑原(大志)さんと成田(和也)さんがどこ(のコース)を入ってくるかでした。直線で鈴木君も粘れているし、よかった。自分の調子はぼちぼちですね」
 逃げた鈴木謙太郎が2着に粘り込んだ。
 「初日より風もなかったし、小松崎さんが前受けしてくれたのもよかった。ペースで落ち着いて走れましたし、最後もきっちり踏み直すことができた」

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山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 早坂秀悟が打鐘で小原唯志を叩いて主導権を取る。4番手で態勢を立て直した小原が最終2コーナーから踏み上げると、山崎芳仁(写真)が番手まくりを打って混戦を断ち切った。
 「ビデオを観たら出なくてもよかったかもしれないですね。微妙でした。バックで緩んで、そろそろ来るなって思ったら小原が見えた。ブロックしてバックして戻ったら、中野に内からしゃくられそうだったので。1着を狙って走らないといけないし、難しいところですね。連日、後輩の頑張りで1着が取れてます」
 6番手からまくり追い込んだ清水裕友は2着まで。
 「ゼロ点のレースです。ジャンで離れてしまったんで。根田さんを意識しすぎました。あそこで車間が空いてなければ違った形になったかもしれない。ホームでびびってしまった。後ろに迷惑をかけてしまったし、不甲斐ない」

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浅井康太選手
浅井康太選手
 打鐘で竹内雄作が岩本俊介を叩いて先制。7番手の工藤文彦は、最終2コーナーからまくるが、前までは遠い。番手で車間を空けていた浅井康太(写真)が粘る竹内を余裕を持って交わした。
 「雄作(竹内)が1人でやってくれました。車間を切っていたけど、仕事をする必要もなかったです」
 別線を完封した竹内雄作が2着でゴール。
 「(初手で)前からっていうのは誤算でした。でも、早めに回ると思っていたんで、しっかり対応はできましたね。すんなり出切れたんですけど、バックでいっぱいでした。後ろが浅井さんなんで何とかしてくれると思って、行けるところまでしっかり踏もうと思っていました。反応がいい感じなんで、あと2日間維持したいです」
 まくった工藤文彦は3着まで。
 「(岩本)俊介と並んだ時に、上田(国広)君が離れていて、前が遠かったんですけど、浅井君を追いかける感じで踏みました。あそこまで行けると思わなかったです」