『松戸競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:8月24日

 松戸競輪開設70周年記念「燦燦ダイヤモンドカップ」は8月23日が2日目。初日と同様に準決勝進出をかけたポイント争いが繰り広げられた。予選2走目では平原康多、深谷知広に地元の鈴木裕、岩本俊介が快勝。初日特選から連勝の村上博幸がポイントトップで準決勝進出を決めた。
 今シリーズは有観客での開催となりますが、ご来場のお客様は正門での検温やマスク着用。手指の消毒や入場時に住所、氏名などの記入が必要となります。新型コロナウイルス感染症拡大防止のための行動をよろしくお願いいたします。

<1R>

木暮安由選手
木暮安由選手
 中団の山田久徳に一度は上昇を阻まれた朝倉智仁だったが、赤板前から踏み上げると1センターで先頭に。山田の6番手まくりを2度、3度とけん制した木暮安由(写真)が直線で抜け出した。
 「(落車した7月当所の決勝と違い)雨が降ってなかったから良かったです。朝倉君が落ち着いてレースを運んで、主導権を取ってくれたんで僕の1着だと思います。山田君のスピードが良かったので、引きつけて引きつけて自分の仕事をして自分の1着だと思う。1回で止まんなくて、2コーナーの下りを使って来たので無理やり止めました。(前記の当所戦、8月オールスターと連続で落車)これで流れが変わったと思います」
 山田が止められたと見るや木暮後位にスイッチした加倉正義が2着に食い込んだ。
 「作戦はなかった。山田君は前々に行くと言ってたし、あとは木暮君がしっかり仕事するだろうから、そこで自分がどこ行くかだけ。たまたま須藤(悟)君が欠場明けで隙ができたと思う。(初日に比べて)少しは修正できたと思うけど、まだ何となく重たい感じがします。たぶんバンクが重たいんじゃないかな」

<2R>

松本貴治選手
松本貴治選手
 蒔田英彦にフタをされ、打鐘過ぎには6番手に置かれてしまった松本貴治(写真)だったが、先まくり不発になった恩田淳平の外を2コーナーからのまくりで豪快に飲み込んだ。
 「昨日(初日)と一緒でまだ迷ってるところがあるので。結果的には待ってまくれて良かったけど、不発だったら後ろの人に謝ることしかできない。ああなったときにどうしたらいいのか。正直、焦ってました。あそこからは出さないと話にならないし、出したら思ったより伸びてくれたので良かった。昨日(初日)、ハンドルの高さを調整してみて、乗った感じは悪くなかった。準決勝はしっかり走って頑張りたい」
 桑原大志がきっちり続いて中四国ワンツーが決まった。
 「(松本は)大事にいってたなと思う。(打鐘過ぎ)2センター、ホームと何回も待って、本調子じゃないのかな? 僕は前が行けば何とかなるかなと思ってたし、(松本が)バックからもう1回伸びて行ったからねじ込めるかなと。僕は抜き足もさることながら、スピードが足りなてないな。今回は(初めてのポイント制の記念で)準決勝を目標にしてきたので、とりあえずですね」

<3R>

鈴木裕選手
鈴木裕選手
 人気の地元勢を後方に置いて、廣田敦士が先行策に出る。車間を空けて5番手でタイミングを取った鈴木裕(写真)は、詰める勢いで打鐘の4コーナーから前団に襲い掛かる。山賀雅仁は付け切れず、逃げる廣田をとらえた鈴木が、後続をちぎった。
 「初日に廣田君がジャンで流していたから、そこで行こうかと考えていたけど駆けられてしまって焦りました。本当は後ろになってはダメですよね。ちゃんと中団を取っていればもっと楽だった。あれでは後ろが絡まれる。仕掛けどころを決めつけてしまった。欲が出た。感じはいいし落ち着いていますね。自分なりに仕上がっている」
 山賀を外に張りながら鈴木を追った鹿内翔が2着に入った。
 「(最終ホームで)鈴木さんが見えたので、山賀さんのところで勝負だと思った。先行も掛かっていたし、スピードをもらえた。全然、緩まなかったけど、初日よりは楽。脚は引き続き良いです」

<4R>

 伊早坂駿一を青板のバック過ぎに突っ張った新山響平は、絶妙なペースで風を切る。再度、反撃に出た伊早坂をあっさり不発にして、あとは番手の山崎芳仁との勝負。新山が二の足で4分の1輪、山崎を振り切って連勝のゴール。
 「引いて早めに(巻き返して)と思っていたが、伊早坂君が勢いをつけていこうとしている感じだったので、モニターを見て合わせられた。前の方がすべてにおいてやりやすい作戦を立てていた。もっとタレると思ったけど、意外と最後までモガけた」
 絶好の展開も踏み遅れた山崎芳仁は2着。
 「(最終)バックで誰も来ないのを確認して差すだけと思ったけど新山君が強かった。どんどん踏み上がっていった。後ろで余裕はあったけど差せなかったですね。タレてこなかった」

<5R>

岩本俊介選手
岩本俊介選手
 赤板の1センターから岩本俊介(写真)がカマシに行くが、下岡優季に合わせて踏まれて3番手の外で止まる。ホームで佐藤亙がけん制すると、佐藤に箱田優樹、和田健太郎の3名が落車。3番手で立て直した岩本は2コーナーからのまくりで連勝を決めたが、後ろが落車してしまい表情は硬い。
 「箱田に合わせられそうな雰囲気だったし、もう1回力ずくで行こうとしたときのアクシデントでしたね。だいぶ外まで行ったので自分も落ちたかなと思った。勝負は最後まで諦めずにやったけど、カマシに行って緩んだとこもあったので、その分迷惑をかけた。(和田健太郎はシリーズの)主役だったので悪いことしましたね。(連勝だが)内容ある結果ならいいけど、今日(2日目)はあんまり良くなかったですね。あそこの落車が全てでした」
 内から落車を避けて下岡の番手になった真崎新太郎は加藤圭一に踏み勝って2着に入った。
 「勝負どころで箱田も岩本にかぶったら終わりだと思って強引に行ってくれた。下岡もいいペースだったし、(佐藤)亙も持って来ますよね。その後の判断はたまたま。箱田が頑張ってくれたから。アクシデントのあとも脚は余裕はあったし、状態は上がってると思う」

<6R>

村上博幸選手
村上博幸選手
 染谷幸喜が強引に叩くと飯田辰哉は遅れて、藤井栄二が飛び付いて番手に入る。最終2コーナーから藤井が番手からまくり上げる。インを進出した三浦翔大をキメた村上博幸(写真)が、藤井を交わして貫禄を示した。
 「(藤井)栄二が突っ張ると思ってたので、ちょっと思っている流れと違った。でも、余裕があったので対応できた。初日に深谷(知広)君の後ろで、ダッシュ、トップスピード、粘り、輪界トップクラスのモノを差せた。自信をもっていきたいが疲労感もあり怖さもあった。感触は初日よりも良かったですね」
 結果オーライの近畿ワンツーに藤井栄二が反省する。
 「突っ張る作戦だった。(染谷を)出すつもりはなかったし、出られてから落ち着けなかった。仕掛けないとダメなところが何回もあって、内容は最悪です。結果はワンツーだけど内容としては0点」

<7R>

深谷知広選手
深谷知広選手
 前受けから5番手まで車を下げた深谷知広(写真)は打鐘で津村洸次郎が出たところをすかさず仕掛ける。番手の柴崎俊光が離れるほどのスピードで出切ってしまうと、2着以下を千切ってゴールした。
 「どの形でも自分の力を出せるようにフリーでいようと思っていた。すごいみんなが力を出し切っていい走りだったと思う。もっと待っても良かったが、自分の力で対抗してねじ伏せにいった。後ろも確認したが、残り1周だったので、踏み込むだけでした。7車なので、相手が少ない利点を生かせる走りをしたい。(観客がいる)あのなかで走れるのは幸せ。脚も問題ないのでリカバリーする」
 離れた柴崎をさばいた山下一輝は、深谷を懸命に追いかけた津村をゴール前でとらえた。
 「津村君が前々に仕掛けてくれた。津村君とは深谷君に合わせて出られればいいねって話していたら行ってくれた。柴崎さんが離れ気味で、津村君もそこを取りにいっている感じだったので、サポートした。けっこうしんどかったが、深谷君以外に先着できたから良かったかな」

<8R>

 前受けから5番手に下げた清水裕友は打鐘前1センターから一気のカマシ。ライン3車で出切ってしまうと、番手の井上昌己が余裕を持って逆転した。
 「(清水に)任せてたんで。仕掛けどころも抜群でした。スピードもすごい良かったですね。あとは差すだけだったけど、強かったです。(清水が)前を取って行けるところから力を出し切るレースをしてくれたんで。今日(2日目)は人の後ろだったので軽かったですね」
 清水裕友も3車のラインを生かすレース運びでしっかりと2着に粘った。
 「前を取って行けるところからって感じでした。(石口慶多が)駆けるかなと思ったらジャンで駆けてなかったので、そこ目がけて。最近、初心を忘れてたじゃないけど、守りに入ってレースしてた。33ですし、そういうレースをして戻していきたいなってところですかね。自分の思う調子ではないけど、調子ウンヌンよりやれることをやって。だんだん戻していきたいなと思う」

<9R>

平原康多選手
平原康多選手
 青板の2センターで坂井洋の内をすくった花田将司は打鐘前2コーナーから佐藤幸治もすくって先頭に立つ。そこを一気に仕掛けた坂井が最終ホームで出切ると、番手の平原康多(写真)がしっかりと好展開をモノにした。
 「全部、(坂井に)任せてたんで、何も言わなかったです。(内をすくわれたり別線の動きは)前が対処することなんで。(3番手の小沼良が離れたが)あれは離れるスピード。仕掛けるとこのスピードはものすごかった。自分も落車明けで感覚のズレがあったので、1日、1日修正して。昨日(初日)は感覚が悪かったけど、今日(2日目は)かなり修正できたと思う」
 ホームから坂井の仕掛けを追いかけた佐藤が2センターからグングン前団に詰め寄ると、そのスピードをもらった小川勇介が中割り鋭く2着に突っ込んだ。
 「(2日間の合計ポイントで準決勝進出を逃し)ポイント的にアタマしかないと思ってた。佐藤君が前々に行ってくれたんでね。道中、内をしゃくられたり、予想外の動きがあったけど、そのあとも前々に行ってくれて、前のおかげですね。僕は昨日(初日)、セッティングを失敗したので、戻したら手ごたえがありました」