『松戸競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:8月23日

 松戸競輪場で開催されている開設71周年記念「燦燦ダイヤモンド滝澤正光杯(GIII)」は、8月23日に3日目が行われた。決勝進出をかけて争われた準決は波乱もあり、松浦悠士以外のS班は勝ち上がりを逃がす結果に。しかし、松浦に、吉田拓矢、中川誠一郎と力のある自力型が1着で準決を突破し、決勝にはなかなかの好メンバーがそろった。
 松戸競輪場では緊急事態宣言の発出に伴い、無観客での開催となりますので、ご理解をお願いいたします。テレビ、インターネット中継などでの観戦をお楽しみください。

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吉田拓矢選手
吉田拓矢選手

佐々木雄一選手
佐々木雄一選手
 橋本智昭が中団の岩本俊介にフタをする形から青板の4コーナーで先頭に立つ。後方となった岩本は赤板の2コーナーからスパート。最終ホームで橋本を強引に叩いて主導権を取る。だが、マークの和田健太郎は打鐘の4コーナーで大石崇晴と接触して両者ともに落車。叩かれた橋本は岩本に離されたものの、中団キープからまくり上げた吉田拓矢(写真)が車間を詰める勢いで一気に抜き去った。
 「橋本さんを出させてから、単騎勢は入れないと。中団を取って行けるところからでした。山口(泰生)さんは入れても、大石さんは入れられない。落車もあって素直に喜べないですね。後輪が潰れて、フレームにあたりながらだったけど、行けるところまで行こうと。昨日(2日目)セッティングを見直したら良くなった。オールスターの疲れか、体が重いけど、何とか1着を取れて良かった。ステムを伸ばして、ゆったり楽に乗れている」
 橋本マークから吉田のまくりに合わせて自力に転じた佐々木雄一(写真)が2着に入った。
 「ホームで落車があって後ろがどうなっているか、分からなかったが、岩本が一人でまくって来たのは分かった。(橋本が)追ったけど(吉田)拓矢がまくって来たので、出させてもらった。(決勝に)しっかり乗れて良かった。体調は問題ないけど、昨日(2日目)の脚の疲れ、ダメージが残っているのでしっかりとケアをしたい」
 単騎で北日本コンビを追った山口泰生が佐々木に続いて3着に流れ込んだ。
 「橋本君が後ろ攻めで絶対に駆けると思った。佐々木さんのハコまくりまであるかなと。2コーナーでニュートラルに回せたが、前が強かった。初日、2日目は前のおかげでした。脚は重たいが、感覚は日に日によくなっている。記念の決勝は昨年の2回と、今年は初めてですね。決勝はベストを尽くしたい」

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松浦悠士選手
松浦悠士選手

岩津裕介選手
岩津裕介選手
 青板の3コーナーで切った窓場千加瀬を野口裕史が赤板で叩いて出るが、このラインを追いかける形から黒沢征治もすかさず仕掛けて両者で激しく踏み合う。前団がもつれたところを松浦悠士(写真)がスパート。最終2コーナーであっさり抜き去り、ライン3人で出切る。最後まで力強く踏み切った松浦がシリーズ初白星を挙げた。
 「(初手は)前から2番目が取れれば良かったが、出なかったので前で。黒沢君が野口さんの内に差し込んでいたので遅れないように。もがき合ってくれたので展開が向いてくれた。昨日(2日目)、一昨日(初日)よりかなり良かったです。昨日はレースは見えていたんですけど、感触がいまいちだったので。今日(3日目)はタレてはいたんですけどスピードに乗れていた。日に日に良くなっていますね。アップ中にひらめいて、ハンドルの持つ位置をちょっと変えて良かった」
 岩津裕介(写真)がきっちり続いて2着。2日連続で松浦とワンツーを決めた。
 「(松浦が)隙のないレースをしてくれた。今日(3日目)のメンバーは自力も追い込みも隙がなくて。プレッシャーを感じて余裕はなかったですね。緊張した中で自分の力は出せたと思う。決まってうれしいですね。決勝もしっかり付いていきます」
 ライン3番手の藤岡隆治がしぶとく3着に流れ込み、記念初優出を果たした。
 「記念の決勝は初めて。松浦君、岩津君さまさまですね。何とかしがみついていけた。自信になりますね。めちゃくちゃうれしいです。今日(3日目)も収穫があって初日、2日目と前を抜けているので調子はいいと思う」

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中川誠一郎選手
中川誠一郎選手

荒井崇博選手
荒井崇博選手
 正攻法に構えた中川誠一郎(写真)は、青板バックで中団の新田祐大が後方の根田空史の上昇を警戒しているのを確認すると、赤板から少しずつピッチを上げて先行態勢に入る。さらにペースを上げた中川は、打鐘の4コーナーで車間を詰めて踏み込んできた新田に全力で抵抗。両者で激しいもがき合いが続くが、最終的に踏み勝った中川が力強く逃げ切った。
 「作戦は何も考えずにとりあえず力を出し切れればと思っていた。ジャン手前ぐらいから駆けようと思った。全力で新田君と勝負したので、感触というよりかは…。疲れの抜けが前回と比べると悪いけど、ここまで3日間、何とか力を出せている」
 最終2コーナーからまくった根田に乗っていた渡邉雄太は直線でイエローラインの外を鋭く伸びて2着に入った。
 「自分は付いていただけで、根田さんに任せていた。前のスピードも上がっていたし、最終バックまでかなりキツかった。途中で中のコースが空いたのが見えたけど、根田さんがそのコースを踏んでいったので、外を踏むしかないと。前回の疲れが残っていると思ったけど、アップでローラーに乗っていて軽いなと。昨日(2日目)までは良く走れていて、今日(3日目)が勝負だった。2着だったので調子は悪くない」
 中川マークの荒井崇博(写真)は最終3コーナーで佐藤にからまれるも耐えて3着。中川の強さに脱帽すると共にワンツーを決められず悔しい表情も見せた。
 「(中川)誠一郎が強過ぎでしょ。それ以外、何でもない。ワンツーを決めたかったけど、(佐藤)慎太郎さんがヨコにいるだけで(脚が)削られる。練習しといて良かった。慎太郎さんに降りられたときはキツかったけど、余裕はあった。ここ最近の中で一番いいのかな」