『松戸競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:8月14日


 松戸競輪開設57周年「燦燦ダイヤモンドカップ争奪戦」がいよいよ本日から開幕した。気温が最高35℃まで上がり猛烈な暑さのなか、選手達は上位進出を目指して全力で戦った。

 明日も場内イベントは満載で、開門から松戸競輪オリジナルユニットLove9のお出迎えや、昨日に引き続きタレントの伊藤克信さんと競輪絵師の竹田栄治さんによるトークショー、コカ・コーラオリジナルTシャツが当たるスピードくじの配布などが行われる。
 是非とも本場に足をお運びいただき、臨場感あるレースをお楽しみください。


<1R>
 1レースは服部克久がホーム過ぎからカマすとそのまま押し切った。
 「先行するというのはずっと頭にあった。本来ならもっと早めに仕掛けられたら良かったですけど、上のクラスだと突っ張られてしまいますからね、考えて少し遅めに仕掛けました。出切ってからはペースで駆けられたと思います。結果は良かったけど内容がイマイチ。でも、いつも一緒に練習している宮路さんとワン・ツーを決められたので良かった」


<2R>
 2レースは、後方7番手から、前団のもつれを掻い潜りまくり切った西村豊が番手の田中秀治を連れてワン・ツーを決める。
 「今日は抜群の展開に恵まれましたね。(2)(荒沢貴史)が突っ張ったから行きやすくなった。僕自身も踏み出した感じは悪くなかったです。田中さんも2着だし良かったですね」


<4R>
滝沢正光選手
滝沢正光選手
   4レースは滝沢正光(写真)が地元の期待に応える劇走を見せた。先行した酒井大樹の番手で一旦からまれたものの、しっかりと付け直しゴール前で酒井を交わした。
 「番手で粘られて一旦離れた際、ヨコが気になったのと、気合が入りすぎて思わず酒井君の前に出てしまった。うまく付け直せたけど、飛びつく時が一番キツかった。今日は打鐘前から酒井君が積極的に駆けてくれたし、地元の後押しもあったので本当に有難かった。最後は抜けないかなと思ったけど何とか伸びてくれた」
 滝沢の勝利に大きく貢献した酒井大樹は「レース前に、滝沢さんから好きに駆けてくれと言われていた。地元のお二人が付いていたし、しっかり先手を取って駆けようと思っていました。上土井さんが前を取ったのが気になったし嫌だったけど何とか凌げた。僕も残れたし良かった」と仕事を果たし、満足げにレースを振り返る。


<5R>
 5レースは地元の藤田大輔が果敢に先行して主導権をにぎると、反撃を封じてそのまま押し切った。藤田はこれが嬉しい記念初勝利となった。
 「絶対に先行すると決めていました。林(栄司)さんに突っ張られたけど、それも乗り切って田中さんの巻き返しにもうまく合わせ切れた。最後は一杯だったけど、レース自体には満足しています」


<6R>
 6レースからは選抜戦。レースは中団を確保した小橋秀幸が、まくりを決めて快勝。
 「赤板から松尾(淳)さんと古屋(琢晶)君が叩き合っていましたから、自分は落ち着いて中団を取ろうかと考えました。(1センターで)後方がもつれてしまったのが残念だけど、僕自身のカカリはまあまあ良かったですね」
 古屋からスイッチした長谷部純也、戸辺裕将が2,3着を確保する。
 3着の戸辺裕将は「1センターで、小橋をどかそうと思っていたら内に差してしまった。それに乗って、空いた所を長谷部さんが前にいっちゃいましたね」と、もつれた展開を説明する。


<7R>
佐藤成人選手
佐藤成人選手
   7レースは地元の浦山一栄が先制。四角を先頭で通過したが、番手の横田努が外に車を持ち出した際、インを突いた山本佳嗣に乗った佐藤成人(写真)が1着をさらった。
 「山本君がどんな場面でもインを突いて何でもやってくれた。大丈夫かな? と半信半疑だったけど、彼は『行ける』と判断したんでしょう。だから精一杯付いていった。今日は踏んで止めて、踏んで止めてと繰り返しできつかった。それでも何とか付いていけたのは、タテの脚があるからかな」
 山本佳嗣は1センターで三番手の小林則之の内を掬い、2センターで横田努のインを付くなど俊敏に立ち回った。
 「浦山さんが来たならハコ勝負だったけど、スピードもあったし、小林さんも動いていたのでうまく対応できなかった。この時点で何でもやろうと決めました。結局、内、内を突く攻めになったけど、狙い通りに行きましたね」


<8R>
山本健也選手
山本健也選手
   8レースは、赤板過ぎまでラインの牽制が続いていたが、山本健也が先制して主導権を握ると、そのままペースに持ち込み別線を完封。ゴール直前に番手の冨田卓に交わされたが2着に粘り、3着に山田幸司が流れ込み、ラインで連独占を果たす。
 山本健也(写真)は「展開と後ろに付いてくれた先輩達に助けられました。レース中は伊藤(大志)さんに(番手で)粘られないようにとは考えていました。先行態勢に入ってからはペースで駆けられましたね」と振り返る。久々の実戦ながら、レース勘の鈍りはなさそうだ。
 冨田卓も会心のレース運びに納得。「レース前に山本にアドバイスをしておいた。アドバイス通り動いていたし、タイミングもうまく駆けてくれた。感謝ですよ。僕の状態? 33だし、判断しづらいけど走った感じは悪くないです」


<9R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   9レースからは特選競走。
 9レースは先行した佐藤朋也の番手に海老根恵太がはまったが、伏見俊昭(写真)が海老根の内をうまくしゃくるとゴール前で突き抜けた。
 「佐藤君の番手に海老根君が入った瞬間、内からしゃくろうと思った。海老根君が佐藤の番手から仕掛けた時に、合わせて上手く入れたし、2センターでもインを突けた。僕自身昨日に比べて少しは状態は良くなっている」
 伏見を追走して2着に入った斉藤正剛は 「伏見と僕からが一番売れていたみたいだし必死でしたよ。最後は(海老根の)外かなと思ったら、内が空いたと見てすかさず内に行った。俺の位置からじゃジタバタしたってしょうがない。伏見も冷静でしたね、彼に付いていくだけだった」と伏見の好走をねぎらう。
 山田裕仁は阿部康雄の落車を避けて仕掛けどころを逸して5着に沈む。「阿部さんの落車も避けられたしツキはあるかも。ただ、あれが無ければまくりが決まったかもしれないね。ツイていると見るか、ツイていないと見るか、複雑だね」


<10R>
井上昌己選手
井上昌己選手
   10レースは、先制した矢口啓一郎の番手から神山雄一郎が抜け出して1着かと思われたが、後方6番手から井上昌己(写真)がシャープに捲くり上げて1着。
 「矢口君が良い感じで踏んでいて、前に市田さんもいたし、僕自身もカカリがどうかなって思ったので届くかは分からなかった。本当ならもっと早めに踏まないといけませんね。それでも33バンクで(6番手から)届いたわけだし、状態はいいですよ」
 矢口に乗った神山雄一郎が2着を確保する。井上の強襲に屈したが、矢口と共に優秀戦に勝ちあがれてホッとする。
 「矢口君がよく行ってくれたね。井上君のスピードがちょっと違ったかな…。今日の競走に限ってはもう少し軽いギヤの方が良かったのかも。まだ3.77を踏み慣れてない部分が出てしまったね」
 積極的に逃げた矢口啓一郎は3着に粘り、明日の優秀戦進出に駒を進めた。
 「風がきつくて重かったですね。今日のキツさであれだけ踏んでおけば、明日は軽く感じて走る事ができると思うし、もっと自分のペースで駆けられると思う。足に踏み応えが欲しくて、今日はギアを上げてみた。しっくりいったし、明日もこのままで行きます」


<11R>
鈴木誠選手
鈴木誠選手
   11レースは金子貴志率いる先手ラインの四番手を平原康多が確保。好機にまくり四角で金子を捕らえると、番手の鈴木誠(写真)が直線で平原から抜け出し快勝。絶好の相性を誇る当所で強さを見せ付けた。
 「平原君のカカリが良かったね。僕は最初の踏み出しに集中しているだけでした。直線では差せるかどうか分からなかったし、2着でも御の字だと思っていたから交わせて嬉しい。地元だし気合も入っていました」
 平原康多は「三ツ石さんとの四番手争いで脚を使ってしまいかなりキツかった。何とか位置を取れたけど、仕掛けたタイミングもあまり良く無かったし、今日は全体的にキツかったですね。でも、状態自体は日に日に上がっているし、明日以降も精一杯やります」と戻りつつあるコンディションを感じ、明日に向けて気を引き締めなおす。
 9着と大敗を喫した金子貴志は「力負け、もう少しカカリが良ければ楽に行けたと思うけど…。平原が強かった」とガックリ。


↑ページTOPへ

 
情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JAPAN KEIRIN ASSOCIATION, All Rights Reserved.