『松戸競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:8月15日


 松戸競輪開設57周年記念「燦燦ダイアモンドカップ争奪戦」は2日目を迎えた。本日は11レース優秀戦「さわやかチャレンジ賞」をメインに、明日の準決勝進出をかけた激しい競走が繰り広げられた。
  優秀戦は、優勝候補の一角を成す平原康多のまさかの失格や、地元の実力者・鈴木誠が落車するなど波乱の展開に。結局、激しい攻防を耐えた神山雄一郎が制し、明日への弾みを付けた。

 なお、昨日と今日に引き続き、明日も松戸競輪オリジナルユニットLOVE9が開門でお客様をお出迎え、9レース終了後にはLOVE9による抽選会が行われる。他にも場内特設ステージにてタレントの伊藤克信さんと西澤モトさんによるトークショーや、松戸記念オリジナルTシャツが当たるスピードくじの配布、先着1200名様に大塚製薬の「ソイジョイ」が配布されるなどイベント内容は盛り沢山。こちらの方もどうぞお楽しみに。



<5R>
 5~7レースは二次予選B。1着は準決A、2着は準決B、3着は準決Cと3着までが準決勝進出の権利を得られるだけに、各者の争いは白熱したものとなった。
  5レースは、打鐘で押さえた古屋琢晶がそのまま先行。山口泰生らの反撃を封じると、番手絶好の杉浦康一がゴール直前で古屋をひと刺しした。
  「昨日も小橋(秀幸)君がいたし、今日も強い目標を得た。連日付いていこうと必死でした。今日は四角ハコだったし目一杯踏んだ。それにしても古屋君のダッシュ、末の粘りは素晴らしかった。僕自身、準決勝Aは初めてだし嬉しい」 
  古屋琢晶は2着に粘り準決勝進出を果たす。
  「昨日中途半端な競走をしてしまったから、今日は先行して力を出し切ろうと思っていた。肩に力が入らずに上手く駆けられました。記念の準決勝は2回目。やることは決まっているし、気負わずに頑張ります」


<6R>
渡邉満選手
渡邉満選手
   6レースは服部克久との叩き合いを制した浦山一栄が主導権を握り、四角を先頭で通過。だが渡邉満(写真)が二角からまくり、直線を強襲して1着をさらった。
  「服部君が目一杯駆けてくれたからね、彼が下がってきたら自分でまくろうと思った。後ろに西村君もいて、いつまくりが飛んで来るか分からなかったので、あそこでじっとしていても仕方が無い。彼が行ってしまってからではダメだからあのタイミングで仕掛けた。まくりを打ったのは久しぶり。今日は風も無く脚には余裕があったし、軽くなっている。準決勝も久しぶりだし、ここまできたらきっちり勝ち上がりたい」
  浦山ライン三番手を固めた滝澤正光も3着に入り、準決勝進出を決める。 
  「理想は浦山君と黒崎君と3人で決まることだったけどね。今日は西村君がまくってきたら黒崎君がどう動くかを気にしながら、しっかりと3番手の仕事こなそうと考えていた。だけど渡邉君がきたのは予定外だったね。更に赤板からもがき合いだったから、僕自身ツキバテしてしまった。それでも何とか準決勝に乗れたわけだし、浦山君に感謝ですよ」


<7R>
国村洋選手
国村洋選手
   7レースは、中団を確保した藤田大輔が前団をひとまくりして1着。準決勝Aへの進出を決めたが、番手の師匠(森下太志)を連れて来れず、表情は複雑。 
  「中団を取るまで脚を使ったけど、取れてからは行けるタイミングで仕掛けられた。だけど先行できなかったし、師匠を連れていけなかった。これが悔しい」
  九州ラインから南関ラインにスイッチした国村洋(写真)が、自らまくって2着に強襲する。
  「山田君が、前受けで引いて叩くと思っていたが、行かなかった時点であの位置からでは勝負にならないと思って切り替えた。そうしたら8(富沢)がいたので内に行って勝負しました。ラインに乗ってからはうまく仕掛けられました。三角でも内を閉めながら踏めたし、直線で抜けるかな? と思ったけど、最初に脚を使っていたからそこまでは伸びなかった。今日は、33バンクだから地元で走っている気持ちで走りましたよ。準決勝に上がれて良かった」


<8R>
小橋秀幸選手
小橋秀幸選手
   8レースからは二次予選A。レースは先制した佐藤朋也の番手から発進した小橋秀幸(写真)が1着。
  「(番手まくりは)作戦? いや、作戦ではないです。巻き返してきていた沢田さんのスピードが凄くて、もう止められないと思って勢いで前に出てしまった」
  小橋マークで2着に入った伊藤大志も「(小橋さんは)反射的に行ってしまったのかな? 僕も番手まくりとは考えていなかったから、反応が鈍くなり少し踏み出しが遅れてしまった」と予定外となったレース展開を苦笑いしながら振りかえる。
  番手戦も秘めているのでは? と思われた宗景祐樹だったが、中団狙いで3着を確保する。
  「メンバーを見て今日は中団が取れそうだったので、番手にこだわらないでもいいかなと思った。昨日、今日ともに闇雲に番手に行かなかったし、自分らしくないですね」


<9R>
三ツ石康洋選手
三ツ石康洋選手
   9レースは、赤板で押さえた栗田雅也が主導権を握る。だが、中団4番手から三ッ石康洋(写真)が豪快にまくり上げて快勝。
  「中団が取れたら、内、外を気にしながら行けるところから行こうと思っていた。栗田さんがかかっていたから、自分も行こうと思って仕掛けたけど、中団を取るのに脚を使ったし山田(裕仁)さんにも警戒しながら踏んだから最後は一杯でした」
  失格した横田努に替わり、2着に繰り上がった山田幸司は 「栗田のお陰ですね。先制してくれたから良い着が取れた。僕自身、今朝ローラーに乗ったときから今日は感じが良いな思っていた。身体の状態はいいですよ」と自身の仕上がり状態に手応えをつかんでいる様子。
  3着に粘り準決勝Aに駒を進めた栗田雅也は 「山田(裕仁)さんと走るといつもカマされていた印象があったので、今日も山田(裕仁)さんのカマシを警戒していました。下を走ったり、上に登ったりと結構脚を使ってしまったので、今日はあまりデキが良くないですね。でも昨日もがかなかった分、今日はもがけたし明日になればもっと身体は軽くなると思う。何とか粘れるようにしたい」と明日へ向けて意気込む。
  両機動型に警戒網を敷かれた山田裕仁は7着に沈んだが、横田の失格で6着に繰り上がり何とか準決勝C進出を果たす。だが今日の戦いに「33バンクであの位置に置かれてしまってはダメ。話にならないな」と厳しい評価を付ける。


<10R>
石毛克幸選手
石毛克幸選手
   10レースは、先行態勢に入った山本健也に、金子貴志が打鐘からカマシ先行。番手の岩見潤が離れ山本が番手にはまると、2センターから石毛克幸(写真)が番手から抜け出し、逃げる金子を捕らえて完勝した。
  「金子さんが大きく離れていたけど、こっちは脚を使っていなかったからあれだけの差を詰められた。(発進してからは)踏み出した感じも良かったし行けると思いました。僕よりも山本君が頑張ってくれた。彼も6着で準決勝に乗れたし良かった」
  金子貴志は2着に逃げ粘る。
  「地元の2段駆けを警戒して、出来るだけ早くと思いあのタイミングで仕掛けた。結果的に良かったですね。粘れるかなと思ったけど、最後の50メートルがやたらきつかった」
  石毛の勝利に貢献した山本健也は「先行するつもりだったけど、金子さんに出られてしまった。ワンテンポ早く行くべきでしたね。絶対に出させたくなかっただけに悔しい。結果的には良かったけど、内容が悪い。石毛さんに迷惑をかけてしまいました」と先行出来ず、悔しい表情を見せる。


<11R>
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
   11レースは優秀戦「さわやかチャレンジ賞」。レースは平原康多が先制すると、海老根がすかさず巻き返したが、2センターで失速。最後は平原マークから神山雄一郎(写真)が抜け出した。 
  「海老根のまくりを何度か止めようと思ったけど、彼もスピードがかかっていたし、止めきれなかった。平原は良く駆けていたし、失格は残念だね」
  平原―神山の後位からの組み立てとなった井上昌己は、神山マークで2着を確保した。
  「今日は何もしていませんね。鈴木さんの落車の際は、とっさに内に逃げた。巻き込まれなかっただけ良かったですかね。脚も使っていないし、展開に恵まれました」
  3着強襲の矢口啓一郎は「仕掛けようと思ったら、海老根さんと被ってしまった。タイミングを逸しましたね。それでも自分の状態は良いので、明日は失敗しないようにしないと」と組み立ての失敗を悔やみながらも、明日に向けて気を引き締める。
  反撃及ばずの海老根恵太は7着に沈む。
  「今日は何とか6着までに入りたいと思っていました。平原の横あたりまでまくれたわけだし、思ったより車が進みましたね。走ってみて感触はまずまずですね」
  平原康多は、海老根のインから抜け出そうとした鈴木誠を弾こうとして落車させてしまった。このプレーが審議対象となり失格となった。
  「横に来ていると思い、とっさに車を振ってしまいました…」
  落車した鈴木誠は、左腰などにアイシングをしながら記者の取材に応じた。
  「怪我は今のところは大丈夫だけど、明日になってみないとわからないね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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