『松戸競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:8月17日


 8月14日から開催されていた松戸競輪開設57周年記念「燦燦ダイヤモンドカップ争奪戦」は、17日の決勝戦をもって全日程を終了した。準決勝で地元期待の鈴木誠、海老根恵太や、伏見俊昭、井上昌己らが脱落し俄然混戦となった決勝戦を制したのは山田裕仁だった。

決勝戦ダイジェスト
 号砲でまず加倉正義が踏み上げると、誘導に追い付く前に三ツ石康洋を受け、三ツ石が正攻法。金子貴志―山田裕仁の中部コンビがこれに続き、その後ろへ石毛克幸―山田幸司の南関両者。人気の関東軍は矢口啓一郎―神山雄一郎―阿部康雄で周回が進んでいく。
 青板バックでは早くも矢口が上昇開始。矢口は、一旦金子の動きを見たが、そのまま赤板では三ツ石を叩いて誘導員は退避。しかし、すかさず石毛が反撃開始し、打鐘では矢口を叩き切った。更にこの上を金子がカマし、最終ホームを制すると逃げまくる。金子には山田裕がピッタリ追走。金子の仕掛けに続き、三ツ石も踏み込むが、車の出が悪く不発。うまく中部勢の後位を取り切った石毛も仕掛けるタイミングが取れないまま。しびれを切らした山田幸が内をスルスルと踏み込むと最終2センターで接触した石毛が落車。結局、金子をフルに利した山田裕がゴール前突き抜けて、2年半ぶりの記念優勝を決めた。2着には金子が逃げ粘って中部ワンツー。矢口を捨てて直線大外を強襲した神山は3着まで。


山田裕仁選手
山田裕仁選手
  二次予選で7着入線ながら繰り上がり6着で準決Cの切符を手にした山田裕仁。このチャンスを逃さなかった。その準決Cを中団まくりで制すると、この日は目標の金子貴志が最終ホームから前団を一気に叩いて主導権を奪う絶好の展開に恵まれた。
 「今回は二次予選での繰り上がりがすべてでした。あれが無ければ今日の優勝はなかったからね。道中の位置取りは中団以内をキープと作戦通りだったし、金子君の掛かりも良く初めてワン・ツーを決められて本当に嬉しい。最後は内を掬われないように差し込んで踏んだけど、次の平記念、オールスターに向けて弾みが付きました」と一昨年2月静岡以来となる記念Vに満面の笑みを浮かべる。

  同型の反撃を許さず2着に粘った金子貴志も「今日は山田(裕仁)さんに位置取りとかの作戦面はすべて任せていました。踏み出しの掛かりも良く初めてワン・ツーを決められて嬉しい」と別線を封じ切っての好走に満足げの表情。

  一方、人気を背負っていた神山雄一郎は3着まで。しかし、目標の矢口啓一郎が後方に置かれ不発に終わる展開を、直線立て直して強襲した脚勢は光った。「短走路だし矢口が一旦斬ってからが勝負と思っていたが、最後はあの位置(8番手)から踏んでの3着だし良く伸びたと思う。前を任せた結果だし仕方ないね」とサバサバとしていた。

 不発に終わった矢口啓一郎は「最終のホームがポイントでしたね。流れを見てしまい8番(三ツ石康洋)に入られて終わってしまった。4角から仕掛けて行けば良かったかな…」と一瞬の判断ミスに肩を落とす。

  三ツ石康洋と共倒れに終わった加倉正義は「自分の調子は良くなかったのですべて三ツ石君に任せていたが、結果は別として彼が勝つつもりならホームで休まず行き切れるかが勝負だったね」とレースの流れを分析。一方の三ツ石康洋は「ホーム前でチャンスはありましたね。金子さんのダッシュに山田(裕仁)さんが少し離れ気味だったので、一瞬内を突こうかとも考えたけど…。休まずに外を踏んでも山田(裕仁)さんに合わされていたでしょうね」

  地元で唯一優参を果たした石毛克幸は最終4角で接触落車となった。「ケガは擦過傷程度で大丈夫です。もう少し前との車間を斬っていれば良かったですね。ホームで山田(裕仁)さんに飛び付いても脚を使ってしまうし…」。言葉少なく無念の表情を浮かべる。

ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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