『松戸競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 初日編
配信日:1月27日
いよいよ今日から松戸競輪開設60周年記念「燦燦ダイヤモンドカップ争奪戦」が開幕した。33バンクを舞台に1Rから激しい攻防戦を展開。注目の特選競走は山内卓也、中村一将に中澤央治が1着でシリーズの好スタートを切った。明日は「戸定邸賞」をメーンに2次予選6個レースで準決勝への勝ち上がりが争われる。
明日(28日)は村上博幸選手が松戸競輪場に登場。5R、8R発売中に内林久徳氏とのトークショーが行なわれます。さらに6R、10R発売中には青空球児のトークショーが、克ちゃんの目玉予想会(4R、9R発売中)も引き続き開催されます。明日もぜひ松戸競輪場へご来場ください。
<1R>
大熊正太郎選手
中団の伊藤信、後ろ攻めの篠原龍馬が入れ替わると、前受けの荻原尚人が赤板から意を決して先行。番手の
大熊正太郎(写真)
が絶好の展開をモノにした。
「恵まれました。1着は1年ぶり。『ちょうど1年前の~♪』だね。長かった…。オギの先行はあるかなとは思ってたし、抜けたから悪くない」
2着には中団からまくり上げた
篠原龍馬
が食い込んだ。
「アタマまで行ける感じはあったんですけどね。前の煽りを見て、見てしたからタイミングは取れなかったけど、とりあえず行かないとと思った。あとで聞いたら荻原はホームでは出させてくれなかったみたい。結果オーライでしたね」
<2R>
今期からS級の山田隼司がマイペースの先行。番手の
藤原誠
が久々の1着をゲットした。
「山田君は挑戦者らしくセオリーどおりに駆けてくれた。2センターで振ったら和田君は止まり気味だったので大丈夫だと思って踏みました。仕事しても余裕があったし、行ける手応えはあった。去年は5勝しかしてないし、いつ以来か分からない久々の1着。これでつながったね」
2着の
和田圭
は「まくり切らなきゃダメですよね」と首をひねる。
「ホームで緩んでたけど、(駆けてるのは)6番だしどこからでもまくれると思った。脚がないですね。でも、このフレームのほうがしっくり来る気がします」
<3R>
川口満宏選手
前受けの宿口陽一が西谷岳文を突っ張ると、大沼孝行を出させて4番手を確保。ホーム過ぎからまくると、番手の
川口満宏(写真)
が抜け出した。
「宿口君が2周前から脚を使っていい位置を取ってくれた。キツいのに勇気を持って仕掛けてくれました。昨日、記者さん達に言われて宿口君は知ったみたいで、『川口さん、ここが地元なんですか?』って言われたけど、それを踏まえた走りをしてくれました。今日は前のおかげです。1走するまで緊張したけど、これでだいぶほぐれてきた。やっぱり今日で負けると長いからね」
宿口陽一
は2着にも納得の表情を見せる。
「とりあえず先行基本だけど、中団だけは取ろうと思ってました。(西谷を突っ張ってから)良いところで6番(大沼)が来てくれたので出させて理想どおりに西谷さんを7番手に置けた。自分で動いてレースを作ったし、今日は納得のレース。状態は良いですね」
<4R>
及川裕奨選手
鈴木裕が主導権を握ると、中団の鷲田佳史は離れ気味に。先手ラインで決着かに見えたが、7番手からまくった
及川裕奨(写真)
が鮮やかに前団を飲み込んだ。
「7番手になったので、あとは体が反応したタイミングで行こうと思った。前のレースでまくりが届いてないのは見てたけど、結果オーライでしたね。体の状態は良いので、あとはレース運び。今年は冬季移動せずにウエイト中心にやってるけど、力が伝わってるかな」
千葉ライン3番手を回った
深井高志
が3着に食い込んだ。
「今回は千葉勢が多いけど、ここをホームにしてるのは俺と川口(満宏)さんだけ。川口さんは勝ち上がってたし、気合が入りましたね。前で決まったと思ったけど、僕も3着に入れたし感じは問題ないです」
逃げた
鈴木裕
は4着で辛くも2次予選に進出した。
「最後は一杯でしたね。でも長い距離を踏んだので、明日はもう少し楽になると思う。残念だけど、また明日頑張ります」
<5R>
須賀和彦が主導権を握ったが、これを
福田知也
が上がり9秒7の今日一番時計でまくった。
「(須賀の番手で)粘る気はなかった。ほんとは打鐘過ぎ4コーナーの下りで行きたかったけどね。前がハウスしてるのが見えてタイミングが取れなかったので、詰める勢いでまくって行きました。今日は1着でよかった。嬉しいですね」
渡邊秀明
はやや口が空きながらも2着に食い下がった。
「僕は付いて行っただけです。レースが詰まってるけど、日に日に軽くなってくるとは思います。勝ち上がれば千葉勢は一杯いるし、チャンスはありそうだね」
<6R>
大久保直也選手
前受けした山本健也の番手に有馬雄二が追い上げる。赤板過ぎに
大久保直也(写真)
が前に出ると、巻き返してきた山本の番手を奪って差し切った。
「先行覚悟で斬ったけど、山本君は有馬君をドカして来たので粘るしかなかった。番手にはまったら前を抜かないとね。自力でS級に戻ってきたわけだし、そのくらいの練習はしてますから」
前受け策を取った
山本健也
だったが、ラインでは決められなかった。
「自分が1着を取るなら押さえ先行でもいいけど、ラインで決めたかった。できれば赤井(学)さんと2人で決めたかったですね。バンクが重くて、最後は差されてしまった。そこは明日から修正したい」
<7R>
一度は森田達也に突っ張られた松川高大だったが、強引に叩くと後ろは大きくモツれる。森田との連係が外れてしまった
佐藤隆二
は絶体絶命の展開かと思われたが、自らまくり上げると粘る松川を飲み込んだ。
「アンコになって、ひるんでしまって森田君に付いて行けなかった。追い上げたかったけど、ペースも上がってしまった…。もうダメだと思いました。被ると思ったし、イチかバチか行くしかなかった。勝てたけど、森田君には申し訳なかったね」
2着には佐藤マークの
山岸博勝
が入線した。
「佐藤さんは遅れてるので、自分で追い上げようかと思ったけどね。とりあえず2人で決まって良かったです。2コーナーでは(まくって)行ってくれと思ってました。今回に向けて練習してきたし、調子は良いと思う。北日本はどんどん勝ち上がってたし、負けたら明日から大変なことになると思ってたからよかったです」
逃げた
松川高大
は最後に力尽きた。
「キツいですよ。前回も川崎(健次)さんに打鐘から突っ張られたり、最近はあんなレースばかりです。3着だけど、とりあえず強引にでも前に踏む競走はできたので。明日からはもう少し軽くなると思う」
<8R>
人気の
根田空史
がライン3車を引き連れて先行。そのまま力強く押し切った。
「ホームの風が強い。出たときは軽いと思ったけど、その後は重いなと思った。出てから1周ペースで駆けられたし、こんなにラインで上手くいくとは思わなかった。声援が多くて、いつもの1.5倍はモチベーションも上がりますね。地元だし負けられない。調子も良い感じなんで今回は準決勝を突破したいですね」
マークした
成清貴之
は根田の強さに舌を巻いた。
「離れなくて良かった。根田も気を遣ってゆっくり踏んでくれたね。欠場明けだけど、1走すれば大丈夫。オッズもすごかったけど、小堺君も引いてくれたし展開に恵まれた。根田は残り半周すごい掛かってたし、強いですね」
<9R>
山内卓也選手
メーンは特選3個レース。佐藤友和の後位がモツれると、そこを安東宏高が叩く。五十嵐力が佐藤をすくって3番手に入ったが、この動きで空いた内を突いた
山内卓也(写真)
が好位を奪って直線抜け出した。
「後ろに富永(益生)さんが付いてたし、1周くらいなら駆けるつもりだったけど、良い位置が取れましたね。僕も1着を狙いに行ってたし、前はラインじゃなかったので最後は中を割らせてもらった。こんなに記者に囲まれるのは何年ぶりだろう(笑)」
大塚健一郎
は今年初戦を白星で飾ることはできなかった。
「2車だけど、宏高は良い位置を取って上手いこと駆けてくれた。山内さんが後ろに入ってるのは分かってたけど、富永さんが付いてるし内からはないと思った。自分が甘かったですね。腰はスタートでビリッと来たし、もうちょっとだけど踏めてるとは思う」
写真判定の結果、3着には
五十嵐力
が。佐藤後位で粘ったかと思えば内から3番手を確保しに行くなど、今日は自在性が目立った。
「引いても中団併走なら、これしかないと思った。これからもメンバーを見てですけどね。3番手ならもう少し早く行けたと思うけど、感じは悪くないです」
安東ラインを受けて3番手に入ったかと思った
佐藤友和
だが五十嵐に内をすくわれ万事休す。
「内を空けちゃいましたね。なぜあそこで外を見たんだろう。ちょっと重いので明日から修正したい」
<10R>
中村一将選手
逃げる平原康多の番手が高橋大作と伏見俊昭でモツれる。この併走が長引くと、待ってましたの
中村一将(写真)
がバックまくりを決めた。
「踏み出しはそんなでもなかったけど、大物を倒すと気分が良いですね。一発狙いたくても狙えるメンバーじゃなかったけど、とりあえず良かった。展開的にはアウトでしたけどね。まだまだ後ろ攻めは課題が残りますね」
加藤慎平
は2着流れ込みが精一杯。
「まず付いて行くことを考えてたので、その点ではまずまずかな。今日は風がキツいので、できるだけ最後に仕掛けたかった。展開的にまくり一発って感じになりましたね。ちょっと踏み方が窮屈な感じがするので、あとはそこだけですね」
逃げた
平原康多
は3着で優秀競走に。「伏見さんと踏み合って出て行く形になったので。回せるところがあまりなかったけど、そのわりには粘れたと思う」とレースを振り返った。
平原後位に飛びつく形になってしまった
伏見俊昭
は8着に敗れた。
「今日は中団、中団で、モツれれば先行も考えていた。もうあそこでは引けないですね。組み立てに失敗しました」
<11R>
中澤央治選手
最初に動いた北津留翼後位で成田和也が粘ると、そこを海老根恵太、さらには市田佳寿浩が叩く。市田がそのまま先行すると、番手の
中澤央治(写真)
が展開を生かした。
「市田は『タテ主体で行く』と言ってたし、離れたらチャンスがないので緊張しましたよ。恵まれたときくらい1着取らないと取るときがないんで。でも、ちょっと目立ち過ぎたね」
成田との連結が外れた
竹内智彦
だったが、コースを縫って2着に突っ込んできた。
「連結を外してしまったのがちょっとね。あの展開で外は行きづらいから中を割るしかなかった。このコンディションで上手く回せたとは思います」
逃げた
市田佳寿浩
は3着に粘った。
「残んないかなと思ったけどね。あのまま海老根君が駆けたら3番手だったけど、内に成田がいたし、叩いとくかと思った。上手い展開は作れたし、前にいてよかったね。状態はまだ分からない。(頭を指差し)こっちは仕上がってるけどね。とりあえず3着までに残れたのでよかったです」
海老根恵太
は上手く打鐘で先頭に立ったかに見えたが、「打鐘で駆けちゃえばよかった」。言葉少なにレースを振り返った。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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