『松戸競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:1月30日


 松戸競輪開設60周年記念「燦燦ダイヤモンドカップ争奪戦」は1月30日に最終日を迎えた。S級S班5名が激突したハイレベルな決勝戦を制したのは地元の海老根恵太だった。五十嵐力の先行に乗ると、3コーナーまくりで別線を完封。準決勝繰り上がりのツキを生かし、松戸記念初優勝を飾った。

決勝戦 レース経過
 号砲で北津留翼が飛び出し、正攻法に構える。北津留には大塚健一郎が付けて前受け、佐藤友和―伏見俊昭、五十嵐力―海老根恵太―石毛克幸のラインが中団に入り、平原康多―岩津裕介が後攻めの形で隊列は落ち着く。
 残り3周の青板から平原がゆっくりと上昇。五十嵐はこれに続くが、佐藤が五十嵐をけん制しながら平原のラインを追っていく。五十嵐が赤板手前から仕掛けて主導権を奪うと、佐藤は上手く4番手を確保、平原は6番手に。8番手に置かれた北津留は打鐘から一気の巻き返し。これを見た五十嵐は一気にペースを上げる。4コーナーで佐藤のブロックを受けた北津留は不発。2コーナーから平原がまくり上げるが、3コーナーで海老根が番手から発進。直線は追走の石毛とのマッチレースとなり、海老根が力強く振り切って当所記念初制覇を果たした。2着は石毛で、3着には平原が入った。


海老根恵太選手
海老根恵太選手
 五十嵐力が千葉コンビの前で果敢に先行。バックでも後続の仕掛けは来ず、番手の海老根恵太にとってはこの上ない展開となった。結局、海老根は3コーナーまくり。「そうなれば最高だな」。理想の展開を生かして松戸記念初優勝を飾った。
 「五十嵐は『任せてください』みたいに言ってたし、本当にありがたかった。駆け方も上手かったですね。みんな勝ちたいだろうし、あとは(北津留)翼がどうするか、そこだけだった。五十嵐はナイスなペース配分でしたよ。松戸では結果を残せてなかったし、記念の決勝も初めて。石毛さんとワンツーも決まって最高に嬉しいですね」
 GPチャンピオンとして迎えた昨年序盤は満足な結果を残せなかった。記念優勝も一昨年8月の函館以来となる。
 「去年は記念で全然優勝できなかったので、またこれからコツコツと獲っていきたいですね。これで気持ちよく東王座に臨めるし、またそこで頑張ります」

 2着には海老根を追った石毛克幸が入線し、地元コンビでワンツー決着となった。
 「海老根君がどのタイミングで仕掛けてくれるかだけを考えて。あとは内を空けずにと集中していました。サッと出だしにも付いていけたし、ひと安心。これで競輪祭の権利も得られたし、良いことずくめでした」

 平原康多は、佐藤をキメて直線を強襲して3着に飛び込んできた。
 「(後方の)6番手の展開になるのはある程度予想していたけど、北津留(翼)君が避けたときに変な動きをしたから仕掛けるタイミングがずれた。4角では内と外を見ながら踏んで(佐藤)友和君をキメた時、思わず落車しそうになった。しのげて良かったです」  

 佐藤友和は中団キープも、まるで動けずに着外に。レース後は悔しさを滲ましながらのクールダウン。
 「余裕があったけど、海老根さんが仕掛けると思ったから様子を見てしまった。行くなら1コーナーでしたね。余裕があっただけに勿体無かった」

 伏見俊昭は「友和は位置取りに脚を使っていたしきつかったんでしょう。2センターであおりを受けてバックを踏んでしまった。まあ、落車を避けられただけでも」と佐藤を称えながら、淡々と競走を振り返る。

 五十嵐力は「今日は先行して頑張りたかった。出切った後は、ペースに落としてうまく駆けられた。あとは力負けです」と南関勢の絆の深さを競走で示した。

 北津留翼は五十嵐を叩けず、すぐさま圏外へ。
「ポイントもリズムもずれていたし、中途半端でした。競走はめちゃくちゃだったけど、脚にはアタリが付いたし収穫の得られた開催でした」


ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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