『松戸競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:8月17日
 松戸競輪開設63周年記念「燦燦ダイヤモンドカップ争奪戦」は3日目が終了。準決勝3個レースが争われました。準決勝は稲川翔、成田和也、芦澤大輔がそれぞれ勝利し、決勝戦に勝ち進むシリーズベストナインが決定しました。
 松戸競輪場では最終日も引き続き先着入場者にくじ付きうちわを配布。100名にクオカードが当たります。場内では山口健治さんによる予想会(3R、6R発売中)、猿回し(9R発売中)、マギー審司さんによるマジックショー(10R発売中)、ガールズケイリン加瀬加奈子選手、奈良岡彩子選手によるトークショー(5R、8R発売中)など様々なイベントを用意しております。最終日も松戸競輪場にてレースとともにお楽しみください。
<9R>
稲川翔選手
稲川翔選手
海老根恵太選手
海老根恵太選手
 赤板で叩いた田中孝彦が後方の動きを確認しながら最終ホームでピッチを上げる。田中の番手を回った海老根恵太は最終1コーナーで波を作って後続をけん制するが、4番手に居た稲川翔(写真)が冷静に内へもぐり込み海老根を追走していた木村貴宏をどかす。最終バックで番手まくりを敢行する海老根を追った稲川が、直線で海老根を捕らえて決勝戦一番乗りを決めた。
 「井上(昌己)さんが僕と似たタイプなので、あの位置(田中ラインの4番手)は狙っていた。内が空いたけど、木村さんはヨコの当たりが強いイメージだったので、自分も強めにぶつかって位置を確保しました。山崎(芳仁)さんや井上さんはまくりが強いから先に自分が仕掛けたかったけど、追い込みになってしまいました。今回はチャンスがあると思うし、優勝したいですね」
 番手まくりの海老根恵太(写真)は2着の結果を悔しがる。
 「田中君があれだけ行ってくれてるし、勝たなければいけなかった。あの波を作る動きは余計でしたね。付いてもらった木村さんが続けなくなってしまい申し訳ない。番手の競走は本当に難しいです。脚力はまだ良い時と比べられないけど、気持ちだけでなんとか決勝に来れました」
 3着は山崎芳仁をマークした稲村成浩。目標の山崎は不発も冷静に内へと切り替え直線を伸びた。
 「苦しい展開だったけど、山崎君が仕掛けて外を踏んでくれました。最終2センターくらいまで我慢して空いたコースを踏もうと思ってて、そしたら上手いことコースが空いてくれました」
 山崎芳仁は後方からのまくりが届かず5着に敗れた。
 「イナショー(稲川)が内へ行っちゃってるから見てしまった。すんなりまくれなかったですね」

<10R>
成田和也選手
成田和也選手
小埜正義選手
小埜正義選手
 小埜正義が3日間連続の先行策に出る。番手の成田和也(写真)は車間を切って後続の動きをけん制。直線でしっかりと追い込んで勝利。小埜とのワンツー決着を喜んだ。
 「小埜君の気持ちが強く今日も先行でしたね。あれだけ行ってくれているから、自分もなにかしなくちゃいけないと思いながらの競走でした。真後ろに屋良(朝春)君が入ってるのが分かったし、仕掛けてきたらどう止めようか考えてました。2人で決まったことはうれしいですが、決勝はまた別で戦わないといけないのは複雑な気持ちですよ」
 小埜正義(写真)は2着に粘り、地元記念の決勝戦進出を決めた。
 「突っ張られても行くだけ行くつもりで踏んでました。自分の中ではカカリも悪く、どうかなと思ったけど成田さんが強くて、うまく残してもらいました。このシリーズは自分でレースを作れているのが大きいですね。今年に入って成績も上がっているし、決勝も力を出し切りたい。身体のケアをしっかりして、決勝戦に備えたいです」
 3着入線は園田匠。目標の佐藤幸治は不発となったが態勢を立て直し、最終バックから仕掛けた。
 「佐藤君は行ききれなかったけど、前に踏んでくれてチャンスをもらえました。ずっと調子は良かったのに決勝になかなか乗れてなかったけど、ようやく流れを変えることが出来そう。次の11レースにいつも練習で可愛がってる柳詰(正宏)が居るので、先に自分が決勝を決めてエールを送りたかったんですよね」
 屋良朝春は小埜、成田に次ぐ3番手の位置となったが仕掛けられず6着の結果。
 「いい位置になったので、最終3コーナーで3着以内はあると思って欲を出してしまった。不発でも自分で前に仕掛けたほうが良い結果になったかもしれない。悔しいの一言です」

<11R>
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
浅井康太選手
浅井康太選手
 赤板で叩いた古性優作が先行態勢に。古性に叩かれ3番手となった井上嵩は最終ホームで仕掛けるが、古性に合わされ伸びを欠く。井上マークの芦澤大輔(写真)は最終バックでタテへと踏み出しゴール線を1着で駆け抜けた。
 「連日、後輩の力に助けられてますね。井上君がタイミングじゃないところで無理やり仕掛けてくれた。その気持ちに応えてあげないといけないと思った。勝てているけど、自分の力ではないと思いますし複雑です」
 浅井康太(写真)は引いて8番手の位置。前との車間も大きく空いて展開は苦しくなったが、鋭い仕掛けを披露し2着で決勝行きを決めた。
 「位置を狙っても良かったけど、併走したりして変に脚を使うよりは引いてまくりでいいかなと思いました。(車間が空いたのは)引くのにバックを踏んでしまい、千切れただけです。最終ホームでは風も浴びてたし1周先行したのと変わらなかった。苦しくなったけど前を乗り越える時、5番(福田知也)との接触が無ければもっと行けてたとは思います。賞金ランキングが微妙な位置なので優勝を狙いたいですね」
 最終バックで仕掛けた福田知也が3着入線で決勝戦進出を喜ぶ。
 「ここ2カ月くらい調子は良かったので、決勝に勝ちあがれて嬉しい。仕掛けたとき、挟まれてアンコになってバックを踏んだ割りにはまた伸びましたね。準決のメンバーが決まった時に、松坂(英司)さんは好きな位置を選べるのに、僕に『前で頑張れ』と背中を押してくれて、それも大きいですね」
 単騎戦となった柳詰正宏は芦澤の仕掛けに続いたが、福田に8分の1輪差で敗れ4着。初めての記念参戦での決勝進出とはならなかった。
 「レースが終わって戻ってきたら、先輩たちがニコニコして迎えてくれて、3着だと思ったんですよね。確定が出てから力が抜けてしまいました。でもこれで決勝に乗ってたら自分は調子に乗ってしまうし、悔しいけど良い勉強をさせてもらったと思って、また次に記念に出る時があったらそこで頑張りたい。最終日がまだ残っているので集中力を切らさず頑張りたいです」
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