『松戸競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:12月8日
 松戸競輪場を舞台に開催されている開設64周年記念「燦燦ダイヤモンドカップ争奪戦(G3)」は3日目が終了。準決勝3個レースが争われ、小埜正義、稲川翔、稲垣裕之がそれぞれ勝利。最終日はいよいよ頂点決戦。決勝が行われます。
 松戸競輪場ではファンサービスやイベントが盛りだくさん。明日9日は先着1,000名様にスピードクジを配布、200名様に「オリジナルクオカード」が当たります。場内ではまちゃまちゃお笑いライブ(7R、11R発売中)、中野浩一氏&山口健治氏トークショー(9R発売中)、山口健治氏予想会(4R、10R発売中)、ARINSダンスショー(8R発売中、12R終了後)などイベントも多数予定されております。ぜひ、本場へ足をお運びください。
<10R>
小埜正義選手
小埜正義選手
鈴木誠選手
鈴木誠選手
 後攻めの小原唯志が赤板で前を押さえて先頭に立つと、すかさず川村晃司が一気に巻き返しを図る。打鐘が入り、川村は芦澤大輔のけん制を乗り越えると、4コーナーの山おろしを使って最終主導権。番手の三谷将太は前を追えず、川村は後続を千切って一人旅かと思われたが、小埜正義(写真)が後方から猛然と迫り、直線で川村を捕らえて勝利した。
 「最低限中団を確保してっていう作戦を(鈴木)誠さんと立ててました。先行も視野には入れてたんですけど、誠さんと勝ち上がりたかったんで。地元で叩き合うのは避けようと。川村さんの踏み出しがすごかったんで、苦しかったんですけど、引いて最終ホームで三谷(将太)が離れて空いたんで、あそこで行こうと。作戦を考えてくれた誠さんのおかげです。3日間感じは悪くないんで、明日も気負うことなく頑張ります」
 鈴木誠(写真)がきっちり続き、地元ワンツーで決勝へ。
 「今日はキツかったですね。でも、思ったとおりの作戦でいけました。同県の前の選手が連日頑張ってくれているおかげです。(肋骨骨折は)テーピングしてなんとか。状態は良くはないですけど、地元の声援もあるんで」
 威力あるカマシを打った川村晃司は3着に粘った。
 「芦澤(大輔)さんのけん制がキツかったです。外、外を回って出切ったところで一杯ではあったんですけど、なんとか3着に粘れたんでよかったです。自力で戦った今日と初日は、仕掛けるところで仕掛けられてるし、バンクが重い中でも粘れてるんで状態は良いと思います」
 まくりを放った金子貴志は最後の直線で前に詰め寄ったものの、わずかに届かず4着まで。
 「今日はしょうがないですね。行けなかったのは行けなかったので。もうワンテンポ早く仕掛けてればとは思いますけど、言い出したらもうキリがないんで。明日また切り替えていきます」

<11R>
稲川翔選手
稲川翔選手
菅田壱道選手
菅田壱道選手
 菅田壱道が押さえたところを、赤板で筒井裕哉が叩いて主導権を握る。石井秀治はすぐに反撃に出たが、筒井の掛かりが良く中団外に浮いて万事休す。最後は稲川翔(写真)が番手から有利に追い込んで1着を手にした。
 「筒井さんと高原さんが、前と後ろでしっかり固めてくれたおかげです。でも、自分はやれることをやれなかったことがちょっと。気持ちにゆとりがあれば、もっと冷静になれたかなと思います」
 上手く中団を取った菅田の仕掛けに乗り、大槻寛徳が差し脚を伸ばして2着に入った。
 「前が思った通りに走ってくれました。いつも頑張ってくれますね。道中も余裕でした。反応もできているし」
 外の石井を止め、まくり追い込んだ菅田壱道(写真)が3着に。
 「記念の決勝は、ほぼ一年ぶりです。大槻さんとは、よく確定板を決めてるし、今日もいけるんじゃないかなという気はしていました。作戦はいくつか想定していて、走る前に大槻さんと話をして。そのうちの一つでした。コンディションも問題ないし、自分の走りができました」

<12R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
志村太賀選手
志村太賀選手
 レースは早めから動き、青板周回で根田空史が前を押さえて先頭へ。すると、原田研太朗が赤板を目掛けて叩きに出るが、根田がこれを突っ張って打鐘が入る。3番手へ引いた原田が再度アタックをかけると、さらにその後方から稲垣裕之(写真)も発進。稲垣は、まくり切った原田らを力でねじ伏せ、最後は南修二の追撃も振り切って1着で決勝へ。
 「昨日は負けた悔しさがあったんで、今日は勝てて良かったです。地元勢が強い中、準決のメーンに選んでくれたんで、本当に今日は責任感を感じましたね。ハイピッチなレースだったんで、外に浮いても前々に踏んでいればいけるなと、出切れる自信はありました。(南と)2人で決められて良かったです。集中してるんで疲れは感じないです、気持ちが充実しています。(決勝は大阪勢と分かれて)京都連係は崩したくなかったんで。明日は狙われる位置なんで、しっかり番手の仕事をします」
 稲垣を差せずも、南修二が続いて近畿ワンツーを決めた。
 「稲垣さんが強かったです。もう無理やり行ってくれたんで、苦しかったと思うんですけど。僕も苦しかったけど、ゴール前は迫れてる感じはあったんで、脚の状態は大丈夫だと思います。明日は(京都勢と)分かれる以上は割り切って」
 近畿勢に続いた志村太賀(写真)が3着に流れ込み、岸和田記念に続き2場所続けて記念優参を果たした。
 「稲垣さんの後ろがどうしても欲しかったんで。なんで狙い通り。もうちょっと、あと50メートルでもあれば(抜けてた)。今日は上出来でしょ。特に何も変えてないけど、流れはすごく良い。(実力?)ないよ、運だけ(笑)」
 7着に沈んだ原田研太朗からは、反省の言葉が口をついた。
 「今日は力負けですね。バックからは自分の力不足です。柏野(智典)さんに申し訳なかったです。一度空けて(入れて)くれたのに、ああいうことになってしまって。また勉強し直します」

<最終日・9R KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)>
中村浩士選手
中村浩士選手
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
 通常競われる競輪とは異なり、自転車は五輪などの国際競技大会で使用されるカーボン製の自転車を使用。国際大会を規範とした競技規則で争われる「KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)」が最終日の第9Rに行われる。本番に先立ち、7名の選手たちは大会2日目に検車入り。そのときの様子をレポートします。
 地元の中村浩士(写真)は弟子である根田空史が初日好走したこともあり、笑顔で検車場へと現れた。
 「競輪祭後は練習しながら疲れを取ってきました。競技用のカーボンの自転車にも乗ってきました。競技用はスピードが出ますね。後方に置かれたとしても、競輪みたいに突っ込めたらいいですね。どうにか頑張っていきたいです」
 バルセロナ五輪にも出場した経歴を持つ小嶋敬二(写真)が意欲を燃やす。
 「普段乗ってる自転車とは違うんですけど、地区プロで乗って、そのあとも練習で乗ってたんで違和感はないです。カーボンなんで乗り味も違いますからね。競技なんで走り甲斐がありますし、僕はこっちの方が好きなくらいです。競輪とのスピードの違いをファンの人たちに見てもらいたいですね。レースはスタート次第じゃないですかね。周回中は長いので臨機応変に自力で頑張ります」
 競技出身の吉川誠は緊張した様子もなく、検車場でも笑顔で記者と談笑する姿が目立った。
 「腰痛の方はもう大丈夫です。地区プロ(スプリント3着)は自分の中では上出来でしたね。競技出身なんでこういうのは好きです。こういった途中から参戦するのは初めてなんで、普段と違う雰囲気を楽しめれば良いなと思います。レースは前々で行けるところから勝負します」
 オールスターで骨盤骨折、右鎖骨骨折、肺挫傷の重傷を負った渡辺十夢は、約2カ月ぶり復帰戦となる11月伊東で早速優参を果たした。
 「前回(伊東)は必死に前々に踏んだだけです。先行ができなくても、せめてまくりにいけたら。先に動いたもん負けのレースだし、後ろにはならないように。位置取りの勝負ですから。競技用に乗ったらまあまあいけると思いますよ(笑)」
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