『千葉競輪開設71周年記念 in松戸(GIII)レポート』 2日目編

配信日:12月11日

 千葉市営で開催される最後の開設71周年記念「滝澤正光杯in松戸(GIII)」は、12月11日に2日目が行われた。二次予選を終えて、佐々木豪、吉澤純平、染谷幸喜の3人が連勝で予選を突破。染谷の他にも地元勢からは、和田健太郎、岩本俊介、中村浩士、加賀山淳が準決勝へコマを進めた。12日のシリーズ3日目は、いよいよベストナインが決まる。
 なお、今シリーズは松戸競輪場の警備従事者において新型コロナウイルス感染症の陽性者が7名判明したことから無観客開催となり、車券の発売は、電話投票・インターネット及び一部の場外車券売場で行います。また、年内の松戸競輪場における場外発売につきましても、中止といたしますのでご了承ください。

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佐々木豪選手
佐々木豪選手
 青板の2センターでハナに立った中井太祐が徐々にペースを上げると、海老根恵太が佐々木豪(写真)をキメて南関勢が中団を確保する。佐々木は香川雄介に切り替えられて最後方になってしまうが、最終バックから豪快なまくりを決めて連勝で準決勝進出を果たした。
 「(山中秀将にフタをされていたが)あそこで引く意味がないと思いました。油断はしてなかったけど、脚を整えていたところで海老根さんにキメめられてしまった。レース勘のなさが出ましたね。香川さんに切り替えられてからは、みんな踏んでいたので、自分のタイミングで行くしかないと。気持ちはずっと入っているし、脚は良いです」
 近畿ライン3番手の西岡正一は、直線で中井と鷲田佳史の間のコースを踏んで2着に突っ込んだ。
 「気持ちも乗っているし、脚もすごく良いです。アップから感じが良くて、中団以内なら4着までいける仕上がりでした。前の2人が頑張ってくれましたね。この勢いで決勝に乗って、決勝でも3着以内に入って、競輪祭の権利を取りたいです」


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天田裕輝選手
天田裕輝選手
 中団から先に動いた天田裕輝(写真)が、加賀山淳の上昇を受けて中団をキープ。後方から巻き返した宮本隼輔だが、3番手から仕掛けた伊藤信のあおりもあって不発に。中団の天田は最終バックで小野裕次をドカして加賀山をとらえると、関東3車が抜け出してワンツースリーが決まった。
 「先に動くか動いたところを叩くかと考えていたが、加賀山さんが遅かったので先に動きました。引くところで踏み遅れたし、岩津さんにも降りられそうになったのでもうひとつって感じです。みんなが宮本君を警戒して内が空いてくれたのでラッキーでした。ここまで欠場が多くて、どうかなと思っていたけど、走ってみたらいいですね」
 木暮安由は天田の俊敏な動きにピタリと続いた。
 「天田君の強い気持ちが伝わってラインで決まったレースだと思う。33で外は相当な力がないといけないので内を見ていました。ラインで勝ちたかったし、いい結果になったと思う。疲れていたので初日は重かったけど、日に日に良くなると思う。レースも見えているので大丈夫です」


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渡邉一成選手
渡邉一成選手
 7番手でジッと脚を溜めた渡邉一成(写真)は、打鐘前の2コーナーから一気にスパート。逃げる小森貴大を最終1コーナーで抜き去って、そのまま力強く後続を振り切った。
 「誘導が残っていたので、どこまでペースが上がるか心配でしたけど、踏み出してからは行くしかないので、出切るまでは目一杯って感じでした。あのスピードなら後ろからは来ないだろうと思ったので、3コーナーで一回ペースに入れて、もう一回、踏み直して、あとは我慢。(初日から)脚の感じは悪くなかったし、今日(2日目)もレースを作って1着なので、コンディション通りなのかなと思います」
 成田和也が2着に続いて福島ワンツーが決まった。
 「なんとか付き切れて、最後、(渡邉)一成がどんな感じなのかって思っていたら、逆に踏み込まれました。9番(久保田泰弘)がまくって来るのかなって思っていたら、桑原(大志)さんだったんですけど、けん制できる態勢にはしていました。(状態は)悪くはないけど、疲れが抜けたらもう少し良くなりそうな感じです」


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吉澤純平選手
吉澤純平選手
 赤板の1コーナーでハナに立った山崎芳仁は、2コーナーから仕掛けてきた藤井昭吾を突っ張る。隊列が短くなったところで、吉澤純平(写真)は打鐘の2センターから一気にスパート。猛スピードで前団を飲み込んで連勝で予選を突破した。
 「藤井君が後退してきた時の動きが分からず、踏み出しでノソノソしてしまいました。(新車は)踏み応えがあるし、伸びてまくれているから、悪くないのかなと思います。でも、重くはあるから慣れていくしかないのかなってのが半分ですね。仕掛けるポイントで行けているので、体とかの調子は良い。師匠(武田豊樹)との連係で緊張感が良い方向に出ています」
 武田豊樹が2着に続いて、2日連続で師弟ワンツーが決まった。
 「初日も今日(二次予選)もキツかったです。2日連続で吉澤と一緒なので、番組の期待に応えられるように集中して走りました。そろそろ決勝に乗りたいですね。7、8年前に使っていたフレームを練習で乗ってみたら良い感じだったので、今回はそれを使っています」


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岩本俊介選手
岩本俊介選手
 先に切って別線の動きを受けた岩本俊介(写真)は打鐘で5番手に。内をすくって来た黒田淳の動きにも冷静に対応すると、1センターからのまくりで前団を飲み込んだ。
 「(中村浩士には)いつもお世話になっているし教えてもらったことを発揮しようと思っていた。(すくわれたのは)想定内だが、締めているのも限界がある。うまく締めながら仕掛けられた。(バックは)紙一重でしたよ。吉本(卓仁)さんもアンコになって出られなかっただけで、無理矢理行けた感じでした。地元5割増しです。普段練習しているバンクだし不思議な力がありますね」
 外にふくらんだ吉本卓仁を2センターで避けた中村浩士は岩本と口が空く。そこを逃げる川村晃司マークの村田雅一に入られ、3着になってしまった。
 「予想と違う並びであの展開になった。連日人気に応えられずに申し訳ない。(岩本は)脚力差で行きましたね。どんなところでも自ら仕掛ける感覚があるんだと思う。(千葉記念は)最後の戦いなので千葉選手団、南関勢と頑張っている」


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中本匠栄選手
中本匠栄選手
 赤板で堀内俊介を切った菅田壱道を、打鐘で上田尭弥が叩いて先制。番手の中本匠栄(写真)はハイペースで逃げる上田から車間を空けて援護すると、最後はきっちり抜け出して準決勝へコマを進めた。
 「上田のお陰です。連係は何度かあるし、練習で強さも知っているので信頼していました。菅田さんが赤板で一回、切ったので、落ち着けって思ったら、自分で前を見て冷静に走ってくれたので頼もしいですね。カカリも良かったし、タレもあんまりなかったので大丈夫だなと思いました。(自分の状態は)ベストではないけど最近が悪かったので、少しずつ上向いているのかなとは思います」
 別線を完封した上田尭弥が2着で熊本ワンツー決着となった。
 「テンポ良く行こうと思ったんですけど前もペースが上がったので、一旦、落ち着いて行こうと思いました。出切った時にはペースが上がっていたので、そのペースを維持して残り1周から全力で踏んでいきました。最近は先行で勝てているので、自分の力を信じて出し切ろうと思っていました。準決勝は4着が最高なので、頑張って勝ち上がりたいです」


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染谷幸喜選手
染谷幸喜選手
 前受けの染谷幸喜(写真)は、青板のバックで川口聖二を突っ張る。川口は一旦、車を下げて立て直しを図ると、最終ホームから再び反撃に出る。しかし、染谷は川口をきれいに合わせ切って直線へ入り、番手の和田健太郎を振り切って連勝で地元記念の予選を突破した。
 「前受けからだったら、(川口と櫻井学の)どっちが来ても突っ張ろうと思っていました。川口さんが来た方が、良い展開になると思っていたので良かったですね。3分戦で和田さんが後ろだったので、抜かれないはずはないと思っていました。連勝で勝ち上がれるとは思ってなかったので調子は良いですね。9車立ての記念だと準決勝は初めてです」
 染谷マークの和田健太郎は、直線で川口の外から踏むも、差し切れず2着でゴールした。
 「前受けからあのレース(突っ張り)が作戦で染谷君がちゃんと遂行してくれた。途中で染谷君がペースを落としていたので、後ろが大渋滞になり、亀井(久幸)君には申し訳なかったです。流れの中で川口君をピッタリと止められたら良かったけど、金子(貴志)さんも離れていたし、亀井君がしゃくられていたのは分かっていたから、(染谷と)2人で決まるようにしました。最後は内に行くか悩んけど、内で詰まってワンツーできないよりかは外の方が交わせると思って踏みました。差せなかったですけど。残り2日間あるので、結果を出していければ」