『千葉競輪開設71周年記念 in松戸(GIII)レポート』 3日目編

配信日:12月12日

 松戸競輪場を舞台に開催されている、最後の千葉競輪開設71周年記念「滝澤正光杯in松戸(GIII)」は、12月12日に3日目が行われた。メインの準決勝3個レースでは、佐々木豪、上田尭弥、岩本俊介が勝ち名乗り。和田健太郎も2着に入り、地元勢からは2名がファイルの切符をつかみ取った。13日の最終日には、いよいよ決勝戦が争われる。
 なお、今シリーズは松戸競輪場の警備従事者において新型コロナウイルス感染症の陽性者が7名判明したことから無観客開催となり、車券の発売は、電話投票・インターネット及び一部の場外車券売場で行います。また、年内の松戸競輪場における場外発売につきましても、中止といたしますのでご了承ください。

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佐々木豪選手
佐々木豪選手

吉澤純平選手
吉澤純平選手
 佐々木豪(写真)を赤板で叩いた染谷幸喜が先行態勢に入るが、吉澤純平もすかさず巻き返して打鐘の3コーナーで主導権を奪取する。冷静に仕掛けのタイミングを計った佐々木は、最終1コーナーから一気にスパート。木暮安由の強烈なブロックを乗り越えて、3連勝で優出を決めた。
 「初日と2日目の反省を生かして、自分でレースを動かして組み立てられました。想定していた並びになったので、シミュレーション通り。木暮さんに持ってこられて止まったけど、4コーナーの下りを使って行けました。記念の3連勝は初めて。この良い流れを続けたいです」
 最終2センターで佐々木をけん制した木暮の内のコースに小林大介と村田雅一が突っ込むと、木暮、村田、小林の3車が接触して落車。逃げた吉澤純平(写真)が2着に粘った。
 「ペースに入れ過ぎて後ろに迷惑を掛けました。ヤス(木暮)が仕事をしてくれたし、後ろのお陰です。出切ってからは回し過ぎて、逆に踏み上がらなくなってしまった。連日、重いけど、なんとか残れました。今年最後の記念で決勝に乗れてホッとしています」
 佐々木マークの中本匠栄が3着に入った。
 「(佐々木)豪に任せていたし、(木暮のブロックを受けた)3コーナーで我慢してくれて助かりました。(抜けなかったのは)仕方ない。豪が強いので。連日、前のお陰で勝ち上がれている。(状態は)競輪祭よりも上向いています」

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上田尭弥選手
上田尭弥選手

武田豊樹選手
武田豊樹選手
 中団の上田尭弥(写真)は後方の渡邉一成を警戒しながら踏み込んで、打鐘の3コーナーで天田裕輝を叩いて導権を握る。隊列が短くなった2センターで渡邉が反撃に出ると、桑原大志は最終1コーナーでけん制し、渡邉をきっちり止める。しかし、最終ホームで天田から切り替えていた武田豊樹にすくわれてしまい、上田は援軍を失った状態で最終バックを通過。それでも上田は直線で懸命に踏み直して、初めて記念の決勝へコマを進めた。
 「ジャンくらいでは、もう誰も出させないつもりで踏みました。自分的には最後も4コーナーで踏み直せたので良かったかなと思います。しっかり動いて決勝に上がれたのでホッとしています。10レースで(中本)匠栄さんが先に決勝を決めていたので、自分も気持ちが入りました。決勝も自分のスタイルを変えずに走りたいです」
 桑原から上田の番手を奪った武田豊樹(写真)が2着に入った。
 「天田君が行ってくれたけど、後ろには芦澤(大輔)君もいるので、自分の動きをしました。桑原君の動きを見つつ、自分がどう動くかですね。でも、今日(準決勝)は前を抜きたかった。上田君とは初対戦だったけど、決まり手通り強かったですね」
 芦澤大輔が武田に続いて3着でゴールした。
 「天田君が強気なレースをしてくれました。自分は脚が余っていたので、連結を外さないことだけを考えていました。周りの人のお陰で決勝に乗れました」

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岩本俊介選手
岩本俊介選手

和田健太郎選手
和田健太郎選手
 中井太祐、川口聖二の順で前を切った上を、打鐘の2センターで岩本俊介(写真)が叩いて先制。最終1コーナー8番手から吉本卓仁が仕掛けるが、岩本のカカリに車は出ない。その後も岩本のペースは落ちることなく、番手の和田健太郎も振り切って1着でゴールした。
 「やっと頂いた車番(1番車)を有効に使いました。川口君が切るところは、スイッチすることに意識していました。カカり切っていたし、ペースに入れて踏めば、和田さんが援護してくれると思っていた。地元6割増しですね。決勝は和田さんがとてつもない差し脚で来ると思うから、抜かれないように頑張りたい。決勝は来年のG1にもつながってくると思うから、そこに向けても良いレースをしたいです」
 和田健太郎(写真)は、岩本に迫るも2着でゴールした。
 「もう岩本君が完ぺきでしたね。いろいろと作戦を考えて、最悪なパターンも頭に入れていた。その中のひとつの作戦がはまってくれたし、岩本君がその作戦を遂行してくれた。映像で見ているほど楽なレースではなかったと思うし、競輪祭の準決勝並みに痺れましたね。差せなくて、お客さんには申し訳なかったけど、岩本君のカカリも良かったし、自分の技術不足。決勝も相手は手強いけど、2人で力を合わせれば、どちらかが勝てると思う。有終の美を飾りたいですね」
 3番手を確保した川口の後ろから近藤龍徳が伸びて3着に入った。
 「3日間、前の頑張りのお陰です。体調不良は言い訳にはできないけど、練習が思うようにできない中で決勝に乗れたので、これが良いきっかけになればいいですね」