『千葉競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 前検日編
 
配信日:10月24日


 明日から千葉競輪場開設記念が開催される。59回目を迎える今回から、先頃引退した滝澤正光氏の名を冠する「滝澤正光杯」として装いを新たにし、強豪達が熱戦を繰り広げることとなった。地元千葉が誇る鈴木誠、海老根恵太、武井大介の三枚看板の他にも強力な選手が目白押し。500バンクを攻略する勇者たちの奮闘に期待したい。
 場内でも多彩な催し物が予定されています。明日はすっかり千葉記念の恒例行事となった「富里福葉苑・愛の競輪」が滝澤正光氏を先頭員に迎えて開催されます。その他にも、スピードくじで当たる滝澤正光氏との記念撮影や、滝澤正光杯オリジナルタオルなどのプレゼントをご用意しました。ぜひ、千葉競輪場に足をお運びください。


<1R>
 オープニングレースの1番車を背負うのは、小兵・森田康嗣。ここ二場所、連続で予選を突破するなど上り調子だ。
 「前回から練習らしい練習はできていませんけどね。でも、足の感じは悪くない。千葉競輪場は久しぶりですけど、4回転には合っていると思います。とにかく僕の立場では行けるところから行くしかない。思い切りよく走ります」


<3R>
森川剛選手
森川剛選手
   森川剛(写真)は大敗が目立つ近況に表情は冴えないものの、「気力でカバー」と自らを奮い立たせる。
 「9着は多いけど、体調や脚の状態の問題じゃないですよ。ようは気持ちなんです。デキはいいんですよ。500バンクは好きだし、なんとしても初日は突破したい」


<4R>
 田中孝彦という絶好の目標を得た森下太志。地元記念に向け気合を入れる。
 「千葉記念は10年振りなんです。この前の松戸記念は追加で入ったけど、それも7年ぶりに走った。こんなに地元記念を走らせてもらえないなんてね。もっと乗れてるときに走りたかったですよ(苦笑)。明日は田中君に任せて何とか予選をクリアしたい」


<5R>
 鈴木栄司も久しぶりの地元記念。大の字がつくベテランとなっても、やはり地元戦は緊張するという。
 「嫌なもんですね。いくつになっても緊張します。千葉記念はまだ3回ぐらいしか走ったことがないんですよ。大塚君とは相性が良いので、うまく連係を決めたいですね」


<6R>
 及川裕奨はメンバーを見て顔をしかめる。「他のラインも徹底先行か」と思わずつぶやいた。
 「相手も積極的だけど、自分も行くしかないですね。京王閣記念から中2日ですけど、特に気にはなりません。3日間も連にからめたので、その勢いで追加を受けた感じ。状態は良いと思うので、この勢いでここも乗り切りたい」


<7R>
伊勢崎彰大選手
伊勢崎彰大選手
   滝澤正光氏の一番弟子・伊勢崎彰大(写真)は前走の函館で手応えをつかみ調整十分。コメントも強気だ。
 「ナイターだったので実質的には中2日だけど、それまでに(千葉記念に向けた)練習は終えているので問題はありません。むしろ函館では感触を確かめるような競走をしたつもりだけど、思っていたよりも車が出ていたし、最終日には高木隆弘さんからも褒めてもらえるような走りができました。今回から師匠の名前が付いたレースになったので変な走りはできないというプレッシャーもあります。4日間、頑張りますよ」


<8R>
鈴木謙太郎選手
鈴木謙太郎選手
   鈴木謙太郎(写真)は、先日行われた北日本地区プロで五輪代表の渡辺一成を破る大金星。今回も大物食いがあるか。
 「渡辺さんは調子が悪かったみたいですけどね。何とか勝たせてもらえました。自分は地区プロ後にもうちょっと調子が上がってきた。最近、バックが減っているので、今開催で20本台に乗せられるよう頑張ります」


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合志正臣選手
合志正臣選手
   特選競走の幕開けはスピードタイプの攻防となった。若手二人の挑戦を受けて立つ金子貴志は余裕の表情。京王閣ではワールドグランプリを制するなど状態も申し分ない。
 「松岡君と新田君は同期でしょ。こういう時こそやり合わなきゃ(笑)。ここは追加ですけど、特に疲れはないし大丈夫です。地元がバンク改修で使えないので、実戦を走った方が良いと思って受けました」
 新田祐大はジッと考え込む。明日の競走をシミュレーションし、ギヤ比も含めた作戦をじっくりと練る。
 「同期とか、同じダッシュ型が相手とかは特に意識してないんですけど、レースの流れは考えますよ。復帰してからまだ決勝戦に乗っていないので、今回こそはという気持ちで走ります。まだ体のバランスが戻りきっていないんですけど、とにかく力を出し切るだけ。千葉は初めてなんですけど、バンク改修で軽くなったようなので楽しみです」
 合志正臣(写真)は「地区プロで優勝しました。チームスプリントだったんですけど、他の二人に迷惑をかけられないから緊張しちゃいましたよ。熊本は優勝候補の筆頭ですからね。本来は競輪に出る予定だったんです。あまりにも気合いを入れたせいか、スタートで力みすぎてろっ骨を傷めたかも…」


<10R>
武井大介選手
武井大介選手
木暮安由選手
木暮安由選手
   新田康仁はこの千葉が記念初Vの舞台だった。当然、本人もそのことは意識しているよう。
 「相性は良いバンクだと思うんですけどね。でも、去年はここで肋骨を折ってしまったんです。今年はそういうことのないように走りますよ。賞金のことを色々と言われるけど、あまり意識せずに自然体でいますよ。全力を尽くして、その結果(グランプリに)出られれば」
 武井大介(写真)は新田に前を任せるレースを選択した。
 「今のスタイルで、僕が前を回るのは新田さんに失礼でしょう。僕は先行できませんからね。京王閣記念は追加だったんですけど、実戦の中で千葉記念に向けて仕上げていければ…と思っていた割に、結果が良かったので、気分もいいですね」
 そして注目は木暮安由(写真)だ。S級昇格から6場所目で初の記念参戦。しかもいきなり特選スタートだ。
 「いつもテレビで見ていた人たちが相手で嬉しいですね。僕は挑戦者ですから、全力を出し切るだけです。大先輩が付いてくれるわけですし。でも状態は…。前回落車しちゃってバランスが多少狂っているかもしれないんです」


<11R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
海老根恵太選手
海老根恵太選手
   吉田敏洋(写真)は共同通信社杯で大きな自信をつかんだという。
 「よく考えたら、3・92のギヤをビックレースで使ったのは初めてだったんです。うまくかみ合ってくれましたね。濱口さんとはセット配分のような感じになってるし、明日のレースに関しても言うことはないですね。自分だけ届くレースなんてできるわけないでしょう(笑)。全日本選抜には出られないので、来年に繋がるような走りをしていきたい」
 地元のエース・海老根恵太(写真)は淡々と現状を分析する。
 「状態は特に変わらないですね。共同では久しぶりにビックの決勝に乗れましたけど、今回もデキは変わらないと思います。地元だからといって意気込むとかえって結果は良くないと思うので、自然体で走ります。バンクには、共同通信社杯から帰ってから2~3回入っただけですけど、走路は軽くなった感じがしますね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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