『千葉競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 初日編
配信日:10月25日
いよいよ開幕した千葉記念。何とか天気も持ちこたえ、特選競走3レースをメインに激しい戦いが繰り広げられた。1レースから高配当が飛び出す荒れ模様の一日となったが、一日を通してその流れは続き、波乱レースのオンパレードとなった。
明日の第10レースはワールドグランプリの2戦目。北津留翼、渡辺一成らナショナルチームのメンバーを中心に、外国人勢とのガチンコバトルが繰り広げられる。マツケンサンバの振り付け師・真島茂樹さん&腰元ダンサーズによるステージなどイベントも盛りだくさん。ぜひ本場で生の興奮を味わってください。
<1R>
人気を集めた北ラインが後方に置かれ、レースの主導権は中部勢のものに。これを中団から矢内良和がまくったが鳥越靖弘のブロックで不発に追い込まれる。直線では前団がダンゴ状態となったが、
小宮剛
が突き抜けて1着を奪取した。
「矢内さんが早めに行ってくれたおかげです。タイミング的にはどうかなって感じでしたけど、自分には余裕があったのでうまくコースを見極められた。デキはいいと思います」
<2R>
程塚毅志選手
前受けから突っ張った菅田和宏が後続を一列にして逃げると、番手の
程塚毅志(写真)
が懸命のブロックを見せたが、四番手からまくり追い込んだ高田真幸が勝利を収めた。程塚は悔しそうに、「僕の力が足りなかった。もうちょっと余裕があったら(菅田を)残せましたね。でも前半のダッシュで脚を使ったせいか、(菅田は)腰を下ろしてからの伸びがなかったですね。僕のデキはいいと思うので、明日も頑張ります」。
<3R>
朝内正幸選手
南関勢が絶体絶命のピンチから大逆転。俊敏な立ち回りでワンツーを決めた。勝った
朝内正幸(写真)
は「全て森川君のおかげ。インに詰まってどうなるかと思って見てたけど、うまく抜け出してくれたし、僕もその動きにしっかり対応できた。直線でもよく伸びたと思います」と笑顔が絶えない。
四元隆裕
は不発の和田信一の後位から、自力勝負に出たが…。
「和田さんの息づかいが苦しそうだったので外を踏んでいきましたけど、ちょっと距離が長かったですね。僕の航続距離ではなかった。タテで勝負しようという気持ちになれているので調子は悪くないと思いますよ」
<4R>
田中孝彦が先行、地元の森下太志が大立ち回りを演じたが、三番手で脚を溜めた
土屋仁
が一気に突き抜けた。
「粘られたらそこで我慢するつもりだったんですけど、結果的には一番いい展開になりましたね。僕の方が得点が低いのに、晴山君が任せてくれたし、何とか二人で勝ち上がれて良かった。最近は悪い方にばかり考えて失敗するケースが多かったんですが、この1着がキッカケになってくれるといいですね。練習はしっかりやってるし、デキは悪くないですから」
<5R>
前走の川崎で落車失格した
大塚玲
は、1カ月あまりに渡る長期欠場からの復帰戦。ブランクを感じさせない走りで、中団まくりの完勝劇を見せてくれた。
「ケガはムチウチ程度で、整体に行って体の芯出しをしてもらいました。痛みも残ってないし、思い切って休んだおかげでしっかり練習できたので不安はありませんでした。でも地元の鈴木さんが付いていたので緊張はありましたね。1着も取れたし、明日からのレースに繋がると思います」
2着には
高田晃裕
が食い込んだ。
「最近、自分で動いているので、人の後ろは楽ですね。西浦さんが早めに行ってくれたので(まくりを)止めたかったんですが…。状態は良いですし、明日からも大丈夫だと思います」
<6R>
古屋琢晶選手
古屋琢晶(写真)
は四番手から目の覚めるようなまくりで1着。スピードタイプのそろった三分戦に断を下した。
「押さえに行くのが遅かったら突っ張られるでしょう。早めに斬って正解でした。まくりになったのは展開で、狙っていたわけじゃないんです。車の出は今一つだったけど、最後の直線に入ってから力が出てくれた。伸び自体は悪くないと思うし、明日も力を出し切る競走をしたいですね」
自力型が上位を独占する結果となった。2着に粘った
稲川翔
は「決して調子が良かったとは言えないですね。渡辺(一貴)さんのおかげです。古屋君の前でのレースになってしまったのでペース配分が難しかったですね。強い人と走るのが好きなので、記念開催の方がいつも結果が出ます」。
<7R>
高谷敏史選手
7レースは高谷敏史が最終ホームから早めに先行して一本棒に持ち込む。バックでは葉狩伸泰が好スピードで迫ったが
伊勢崎彰大
がブロック。直線に入り、伊勢崎―和泉田喜一が抜け出して地元ワンツーを決めた。
「今回、地元のメインは(鈴木)誠さん、海老根(恵太)さん、(武井)大介だろうけど、師匠(滝沢正光)の冠レースだし、自分にも責任という重圧がある。飲み込まれないようにと気をつけていたけど、初戦だしレース前は緊張しすぎてしまった。でもレース中、師匠のファンからの声援が聞こえたし、力をもらえたんで頑張れました。師匠には『決勝まで勝ち上がってくれ』と言われてるんで、まずは今日1着が取れてホッとしました。明日からも気を引き締めていきます」
高谷敏史(写真)
は4着となったが、力を出し切り満足げ。
「葉狩さんが勢い良く来たのが分かったけど、伊勢崎さんが止めてくれると思った。前回、函館ナイターで三日間先行して、練習みたいな感じだったから、今回も良く踏めました。でも、後ろから来るんじゃないかと焦って早めに踏んでしまった分、最後はタレましたね。後ろの地元二人が勝ち上がってくれて良かったです」
<8R>
勝った
阿竹智史
は、これで5場所連続で勝ち星を挙げている。レース後、検車場で記者に囲まれると「街道練習を増やしたのが好調の原因だと思います。週末なんですけど、父に誘導してもらってるんですよ。今日は位置を取れたのが全てですね。(鈴木が)来たらすぐに出ようと構えていました」とレースをふり返る。
<9R>
金子貴志選手
特選最初のレースを制したのは
金子貴志(写真)
だ。カマしてきた新田祐大の番手にはまると、あとは余裕のレース運び。直線では兵藤一也に迫られたものの、しっかり踏み勝った。
「(新田が)一人でカマしてきたのが分からなかったんですよ。前田さんが声を掛けてくれたおかげで(新田の)番手に入れました。無我夢中で踏んでいたので展開がまるで見えてなかったですね。もうちょっと疲れは残ってるのかなと思ったんですが、ちゃんと踏めてますね」
兵藤一也
は新田の仕掛けに離れてしまったが、何とか立て直して2着に突っ込んだ。だが、さすがにレース直後は、バツが悪そうに「申し訳ない。お客さんにも迷惑をかけてしまいました。3・77のギヤであんなダッシュとは…。何も言うことはない。脚がないだけです」。
<10R>
稲垣裕之選手
強力な自力型がそろったこのレースで先行したのは
稲垣裕之(写真)
。しかも堂々2着に逃げ粘り好調ぶりをアピールした。
「レース展開は思った通り。組み立ては良かったと思います。あれ以上遅かったら木暮君も突っ張ったと思うし、タイミングとしてはいいとこで行けました。フレームのおかげで反応も良いし、3・57のような感じで今のギヤを踏めている。セッティングとかはまだ詰めないといけないけど、欲しかった感触が得られています」
地元の
武井大介
は目標の新田康仁が不発に終わる最悪の展開から、最後は中バンクを伸びてアタマに突き抜けた。
「今日は人の後ろだったので楽でした。でも、京王閣の時より調子はいいですね。ここに向けて仕上げてきたし、どんなことをしても勝ち上がろうという気持ちで来ているのが結果に繋がったんだと思います。調整もうまくいきましたね」
一方、
新田康仁
は悔しさを隠せない。すでに照準を明日の戦いへと合わせている。
「悔しいけど、タイムを聞いて納得しました。けん制がなくてもまくるのは難しかったと思います。でも、こうやって力を出し切って負けた方がすぐに気持ちを切り替えられる。明日はしっかりクリアしますよ」
<11R>
吉田敏洋選手
11レースは各ラインが激しく入れ替わった末、前受けの三宅達也が最終的に主導権を握る。直線に入り、内藤敦が番手有利となったが、中団四番手に付けた
吉田敏洋(写真)
が鋭く突き抜けて1着をさらった。
「予想した展開とは違ったけど、三宅さんがスピードを上げてくれてその後ろに付いていけたので自分は楽でしたね。いつも先行して苦しいレースをしているから、たまにはこういう事もないとね(笑)。体もしっかり反応していたし、調子は悪くない」
内藤敦
は2着も、優秀戦(千葉マリーンカップ)に勝ち上がり満足げ。
「今日はスタートで取った位置から出たとこ勝負でした。今はタツ(三宅)の調子が良いし、出切ってしまえばそう簡単にはまくられないだろうから、安心して付いていましたよ。2着だったけど、勝ち上がれたし上出来です」
3着の
三宅達也
も「隊列が入れ替わって、ちょうど自分の番が来た。出切れるかどうかは別にしてそこから思い切って踏みました。前の海老根君が踏んでいたらヤバかったけど、流していたからすんなり出切れた。最後は行かれたけど3着に残れたんでよかった」と納得の様子。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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