『千葉競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:10月28日


 千葉競輪開設59周年記念「第1回滝澤正光杯」は28日、4日間の熱戦に幕を下ろした。秋らしいさわやかな晴天の下、激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦が最終第11レースで争われた。レースは吉田敏洋が主導権を握り、番手絶好となった金子貴志が直線鋭く追い込んで優勝。平成18年6月の豊橋以来となる通算2度目の記念制覇を果たした。

決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると、新田康仁と三宅達也が飛び出したが、結局、新田が誘導に付き、海老根恵太を迎え入れて南関両者が前受け。以下は吉田敏洋―金子貴志―富永益生の愛知トリオ、矢口啓一郎―兵藤一也の関東コンビ、三宅―藤野義高の西勢と並んで隊列が整った。
  レースは赤板過ぎの二角から動き出す。三宅がゆっくりと上昇すると、矢口がそれに続く。三宅が海老根にフタをすると打鐘を迎え、誘導が退避。海老根が藤野後位に車を下げて三番手に入ろうとすると、外を併走していた矢口が三宅を叩いて先頭に立つ。すると、最終ホーム手前から吉田がすかさずカマシを打って一気に主導権をにぎった。矢口は突っ張る構えを見せたが、結局1センターで車を下げて中団を狙う。その際、矢口の内をスルスルと上がった海老根が、矢口と接触してしまい落車。それに新田が巻き込まれる。矢口が態勢を崩し、三宅が落車を避けるなど後続のもつれを尻目に、吉田は快調に駆け、マークの金子も車間を空けて徹底援護。四角番手回りの絶好の展開を生かした金子が、最後はゴール前で吉田を追い込み快勝した。2着に吉田が逃げ粘り、3着には富永が流れ込んだ。



金子貴志選手
金子貴志選手

 コマ切れの四分戦。誰が勝ってもおかしくない一戦となったが、3人そろった愛知勢の連係が見事に決まり、ライン3車で上位を独占。先導役の吉田敏洋が果敢に先行し、金子貴志が四角ハコの展開をきっちりモノにした。
  「敏洋と富永さんのおかげ。作戦は敏洋に任せていました。いいタイミングで仕掛けてくれたし、強かったです。ちょっと(矢口)からんでヤバかったんですが、何とか単独で回ることができました。かかっていたからラインで決められると思ったし、愛知の3人で決まって何よりです。今回は3日間も慣れない番手戦だったので、脚よりも精神的に疲れましたね。強運とメンバーに恵まれて優勝できました。でも、感じは良かったので、これからも1レース、1レース集中して走るだけですね」

 2着に逃げ粘った吉田敏洋も満足そうにレースを振り返る。
  「狙ったタイミングを外さずに行けました。あの展開なら金子さんは抜きますよね。でも、今日は勝ち負けももちろんですが、ラインで決めることを一番に考えていましたし、3人で決まって良かったです」

 番手飛び付きを狙った矢口啓一郎だが、踏み遅れて粘れなかった。
  「前に出て(最終)ホームを過ぎたし、吉田さんと一緒に踏めば金子さんのところに当たれると思ったんですけどね。ダッシュが予想以上に良くて…。四番手に入ろうと思ったら、内に(海老根が)いるとは思わなかった。危なかったし、落ちなくて良かったです」

 見せ場なく終わった三宅達也は「車番的に後ろ攻めはしょうがない。1回押さえるのに予想以上に脚を使ってしまいましたね。前が落車しそうになったのが分かったし、乗り上げなくて良かったです。今日は力不足。また練習してきます」と気持ちを切り替えていた。

 地元の海老根恵太は落車。マークの新田康仁も追突落車した。
  「前受けは作戦だったけど、あとは海老根君に全て任せていました。ショックだけど、仕方ないです。身体は今のところ大丈夫です」


ゴール




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