『千葉競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:10月10日


 千葉競輪場で開催されている開設60周年記念「滝澤正光杯」。二日目の今日は準決勝進出を賭け熾烈なバトルが繰り広げられた二次予選と北日本vs南関勢の戦いとなった優秀戦「千葉マリーンカップ」を中心にお届けします。
  なお、3連休の中日となる明日(11日)も先着1000名様に餃子が無料配布されるほか、大好評のフラワーライントークショーも引き続き開催。滝澤正光氏、吉井秀仁氏、山口健治氏による競輪裏話は必見です。さらにケイリンアイドルユニットLOVE9によるエキシビジョンレースなどバンク外でも見どころ満載ですので、お誘いあわせの上、本場へご来場ください。


<5R>
大槻寛徳選手
大槻寛徳選手
   工藤政志が最終ホームから大逃げを打つと、大槻寛徳(写真)が番手から抜け出して1着。準決Aへの勝ち上がりを決めた。
  「本音を言えば工藤とのワンツーを決めたかったですけど、今日は僕自身、昨日と違って良い感触で踏めました。同期の藤原(憲征)君に色々とアドバイスをもらってサドルを上げたら、当たりが出ましたね。明日は準決A。メンバーは厳しくなるけれど頑張りたいですね」
  最後は8着に沈んだ工藤政志はサバサバとレースを振り返る。
  「先行を決めていた訳ではないけれど、(仕掛けの)順番が僕に回ってきてしまいましたからね。自分も残れるペースで踏んだつもりだけれど…。自力型がみんな同じタイプだったから、本当はスタートで前を取りたかったです」


<6R>
久保義弘選手
久保義弘選手
   伊藤大志の先行策で後続がもつれたが、この大混戦を制したのは久保義弘(写真)。四角で内にコースをとると直線で鮮やかに抜け出した。
  「最後は上手くコースが空いてくれましたね。今日は発走機に着いた時から感じが良かったし、何となく予感めいたものがありました。新制度になってから記念の準決Aに乗るのは初めて。何とか良いところまでいって、まだ一度も一緒に走った事がない市田(佳寿浩)と連係してみたいですね」
  まさかの先行策も直線で力尽きた伊藤大志は「僕が前に出れば誰か来ると思っていたら、誰も来ないんだもん。普段、前を走っていない僕が500バンク1周は長すぎる。結果は仕方ないです」とうなだれる。


<7R>
山本健也選手
山本健也選手
   小林信晴の先行を地元の山本健也(写真)が力強くまくって快勝。2カ月ぶりとなる勝ち星を挙げた。
  「まくりは久しぶりですね。1着も久々だから嬉しいです。恵まれました。叩きに行くことも考えたけど、小林さんがあんなに淡白に駆けるとは思わなかったです。行こうと思ったときに、1回バックを踏んでしまい、江守(昇)さんに迷惑をかけてしまった。一緒に勝ち上がれなかったのが残念です」
  滝川秀嗣が江守昇を飛ばして2着に入った。
  「思い切って行ってくれた小林君のおかげです。大前(寛則)さんが三番手で内を締めてくれていたのも有難かったです。山本君を止められなかったんですが、その結果、江守さんが少し遅れていたから2着に何とか入れました」
  愛知コンビの三番手を選択した大前寛則が3着で準決勝Cに進出した。
  「前で決まるペースだと思ったんですけどね。でも、滝川君がうまくさばいてくれたし、自分も脚には余裕がありました。何とか勝ち上がれたので、チャンスをつかめるように頑張ります」


<8R>
金子貴志選手
金子貴志選手
   最終バック七番手から仕掛けた金子貴志(写真)が併走となった前団を丸ごと飲み込み快勝。前日9着のうっ憤を晴らした。
  「1着は素直にうれしいですね。3コーナーから2センターまでは車の出が悪かったけれどそのあとは車が進んでくれました。71から79にギアを上げた効果もあったのかな。今日はスタートでスタンディングしてみたけれど肩の具合もだいぶ良くなっていますよ」
  中団確保から先まくり打った吉本卓仁は先行する小野大介の執拗なブロックの前に失速。9着に沈んだ。
  「僕は中団からカマす方が得意だし、落ち着いてレースは見えていた。ただ、小野君にもっていかれたのが誤算でしたね。予期していない分、自力選手から食らうブロックは効きますよ。あれがなければ良いところまでいけていたはずなのに」
  果敢な先行策に自らブロックと好気合いを見せた小野大介も直線で力尽き7着。1/2車輪差で勝ち上がりを逃した。
  「金子さんを警戒していたら吉本さんが来たのでびっくりしたけど、出切られたら僕は終わりなので全体重をかけて止めにいきました。それにしても最後もう少し踏み切れていればな…。結局それで準決を逃したわけだし、脚力よりも気持ちの問題です」


<9R>
牧剛央選手
牧剛央選手
   牧剛央(写真)が鋭脚を発揮。先行した松岡貴久の三番手から直線で、鋭く突き抜けた。
  「前の二人(松岡貴久・合志正臣)は格上選手だから道中は離れない事だけに集中していたけれど、最低でも準決Bにまでは行きたいし、後ろから来ている気配もあったので四角をまわったところから死ぬ気で踏みました。まさか突き抜けるとはね。最近はずっと結果が出ずにやきもきしていたので、この1着で精神的にも救われましたね」
  3着に逃げ粘った松岡貴久は、初手から岩本俊介と外を併走。その真意を聞かれると「思い付きです。昨日の伏見(俊昭)さんのレースを参考にしました。岩本も引かないから押さえに行く手間も省けましたしね。岩本とは、初対戦の時に負けているので、今日は何をしてでも勝ちたかったんです」と闘争心むき出しに語った。
  地元勢は7着、8着で共倒れ。まくり不発の岩本俊介は「勉強不足、力を出し切れずに終わった事が悔しい…」と唇を噛み締め、番手の伊勢崎彰大も「結果的に初手で中団にこだわりすぎたかな。やり場の無い悔しさでいっぱいです」とうなだれる。


<10R>
三宅伸選手
三宅伸選手
   10レースを制したのは最終バック七番手から鋭く内を突いた三宅伸(写真)。上がり13.7の好タイムで1着をさらった。
「今は、本当に良いコンディションで競走出来ている。体調が良いと視野も広がるし、今日も良いコースをみつけられました。絶好調時ならもう少し伸びたはずだけど、1着を取れたし十分満足です」
  石毛後位から2着入線の鈴木誠も、三宅の鋭脚には脱帽の様子。
  「石毛がうまく良い位置(三番手)をとって仕掛けてくれたんだけどね。三宅君にあのコース取りをされたら、僕も止めようがないし、結果は仕方ない。でも僕自身も脚の状態は悪く無いですよ」
  押し出される形で先行した志村太賀も7着で勝ち上がりを逃し「僕が前に出れば誰かしら来ると思っていたら、誰も来ませんでしたね。レースの組み立てを間違いました」と悔しさを滲ませた。


<11R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
   優秀戦の「マリーンカップ」を制したのは地元の海老根恵太(写真)。七番手から豪快にまくって人気の北日本勢を粉砕した。
  「今日は荻原(尚人)君がけっこう早めに来たので、引いてからのまくりになりました。詰まったところで行った感じですね。伏見(俊昭)さんを乗り越えられたし、スピード、デキはまずまずでしょう。昨日は地元記念の初日で緊張したし、ちょっとその疲れが残っている感じですが、明日もしっかり頑張ります」
  2着に流れ込んだ渡邉晴智は海老根の強さを絶賛する。
  「恵太には何回も付けているけど、今日はマックスに近い強さでしたね。今の恵太は自信を持ってますし、下げてまくりで正解。もっとギアを上げないと、あのまくりは抜けないですね」
  人気の伏見俊昭は絶好の番手回りを生かせなかった。
  「番手から出るべきだったかな。でも、荻原君も頑張っていたから…。明日はまた前でやることになったので、しっかり頑張ります」

↑ページTOPへ

 
情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved