『千葉競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:10月11日


 千葉競輪場で開催されている開設60周年記念「滝澤正光杯」もいよいよ3日目。抜けるような青空が広がり絶好の競輪日和となったバンクでは、決勝のシートを賭けた激戦が展開され、遂に決勝メンバー9人が出そろいました。
 なお、最終日の明日は滝澤正光氏、吉井秀仁氏、山口健治氏による大好評のフラワーライントークショーに加え、8月の富山記念を制した地元期待の新星・山賀雅仁選手のトークショーもあわせて開催されます。さらに先着1000名様には無料で餃子やオリジナルタオルが配布されるなど楽しいイベントが盛りだくさんです。この機会に3連休の最終日を千葉競輪場で過ごされてはいかがでしょうか。


<8R>
飯田辰哉選手
飯田辰哉選手
   1着権利の狭き門をくぐりぬけたの飯田辰哉(写真)。先行した荻原尚人の番手という絶好態勢となったが、直線では廣川貞治に執拗にからまれた。しかし、ゴール寸前で突き抜けた。
  「1着権利だから(3番手の)廣川さんもシビアに来ると覚悟してたし、道中は内をずっと意識して走りました。荻原君が良いペースで駆けてくれていたけれど、後ろも強いから最後まで気が抜けなかった。結果的にはこれ以上無い競走が出来ました。千葉記念で決勝に乗るのはこれが初めて。厳しい練習がようやく報われましたね」
  わずか4分の1車輪差で決勝を逃した荻原尚人はレースの組み立てを悔やむ。
  「本当はもっと楽な競走をしようと思っていたけれど、結果的に普通の先行になってしまい最後は一杯でした。僕はヨコが出来ない訳ではないので、粘ったり飛び付いたりの組み立てでも良かったのかな。いやー今日は悔しいですね」
  快進撃を続けていた三谷将太もこの日はまくり不発。初記念での決勝進出はかなわなかった。
  「前受けの井上さんが、誘導を下げる事までは想定していたけれど、まさかあそこまでバンクを上がるとはね…道中、何度もハウスしたし仕方ないですね」


<9R>
市田佳寿浩選手
市田佳寿浩選手 大井啓世選手
大井啓世選手
   実質先行一車の市田佳寿浩(写真)が巧みなペース配分で後続を翻弄。まんまと逃げ切って決勝の切符を手にした。
  「中部勢がラインを固めてくれたのが心強かったですね。稲村さんが来るのが打鐘なら引くことも考えたけど、あそこ(赤板四角)からでは引けない。僕は先行屋ではないけれど、おもいっきり『先行するオーラ』を出したら稲村さんが怯んで引いてくれました(笑)。道中はかなり流したのでゴールまで脚がもちました。若干、疲れが残っているけれど、後ろから差されなかったのだから状態も悪くないですよ」
  稲村成浩にからまれながらも、最後まで市田の番手を死守した大井啓世(写真)が2着入線。2年半ぶりの記念決勝進出に喜びを爆発させる。
  「タイミング的に稲村君とのハコ勝負は覚悟していたけれど、内競りはあまり経験していないので焦りました。市田に迷惑を掛けたくなかったので、一発で仕留められて良かったです。なかなか、記念競輪では4日間安定した成績を残せていなかったけれど、今回は尻あがりに調子が上向いている。明日も連係しなれた市田の後ろで頑張りますよ」
  近畿コンビの後ろを固めた山口幸二だが直線で伸びを欠き4着。SS班の意地を見せることは出来なかった。
  「(落車した)岩見とハウスした瞬間に市田がスパートしてしまい前と口が空いてしまった。懸命に追ったところでだいぶ脚を使っちゃったね。稲村にもあそこまでからまれたら、さすがに厳しいよね…」


<10R>
成田和也選手
成田和也選手 松永晃典選手
松永晃典選手
   10レースを制したのは成田和也(写真)。先行した伏見俊昭の番手から直線で鋭く抜け出し決勝進出を決めた。
  「道中はかなりゴチャ付いたけれど、伏見さんに付いていくことだけに集中していました。今回は直前に地区プロなどもあり疲れがあったけれど、日に日にレース感覚はつかめていますね。僕はまだ記念を獲ったことがないけれど、明日も伏見さんの後ろとチャンスがある位置。狙っていきたいですね」
  主導権を取ったのは伏見俊昭。連係がほどけて単騎となった山本健也の後位で脚を溜めると、追い上げてきた石毛克幸に合わせて二角から仕掛け、2着に逃げ粘り込んだ。
  「石毛の動きは想定していたし、しっかり見えていた。ただ、向こうは山おろしを使ってきたから合わせるのはきつかったね。一瞬、山本と石毛に挟まれる形になったけれど、あそこをしのげたのは、番手の競走が増えている効果かな。人気を被っていたから緊張したけれど、自力の競走で決勝に乗れるのは気持ちいいですね」
 地元記念での優参を逃した石毛克幸は「打鐘で、健也が金子さんをどかして出たところで、僕は酒井さんに押し込まれ進路がなくなってしまった。必死に追い上げたんですけどね…」と肩を落とす。
  千葉勢後位から3着に入線した松永晃典(写真)は「とにかく決勝に乗れて良かった。かなりゴチャ付いたけれど、僕は石毛に付いていくことだけに集中していました。落ち着いてレースも見えていたし、身体の反応も良い。今はレースを楽しめています」と会心の笑みをみせた。


<11R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手 鈴木誠選手
鈴木誠選手
   最終レースは海老根恵太(写真)が7番手から豪快にまくり追い込み、ファンの圧倒的な支持に応えた。
「昨日よりだいぶ仕掛けが遅くなってしまったし、届かないかと思って焦りました。三角過ぎから踏んで出が悪かったけど、四角から伸びていったから大丈夫かなと。ラインで決まってホッとしました。今回は直前に台風の影響で練習できなくて不安があったんですが、初日のレースが自分にとっていい練習になりました。決勝は南関5車だし、ラインから優勝者を出せるように頑張ります」
  鈴木誠(写真)がしぶとく海老根に食い下がり、地元ワンツー決着となった。
  「しびれました。3コーナーでもまだ海老根が仕掛けないから届かないと思いました。しっかり付いていけたし、昨日も石毛(克幸)を交わせてるから状態は悪くないと思います」
  3着をキープした渡邉晴智は「しっかり付いていくことだけを考えていました。この展開で3着に入れたから自信にはなりますね」とレースを振り返る。
  先行した松岡貴久の番手を回った合志正臣は5着。
  「松岡はこのメンバーを相手に先行するとなると二角過ぎかバックから踏まないと持たない。でも、それは難しいですよね。海老根がなかなか来ないから一瞬、いけると思ったけど、やっぱり外から一気に来てしまいましたね」
  まくられた松岡貴久は「メンバーを見て色々と考えてギアを下げたけど、結局、先行する形になりましたね。1周くらいなら持つと思ったんですが…」と諦めの表情。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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