『千葉競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:10月26日


 千葉競輪開設61周年記念「第3回滝澤正光杯」が本日最終日を迎えた。小雨が降るなか行われた決勝戦は、鈴木謙太郎が海老根恵太の仕掛けを追う形から追い込んで快勝。今年5月別府記念以来となる2度目の記念Vを手にした。地元Vの期待がかかった海老根恵太は4着に敗れた。

決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると、海老根恵太を制して村上博幸が前受けに出る。しかし、村上は北勢を前に入れて、鈴木謙太郎―岡部芳幸、永井清史―村上、岩本俊介―海老根、牛山貴広―神山雄一郎―後閑信一の並びとなって、周回を重ねた。
  赤板1角を過ぎた辺りから岩本が後ろの牛山をしきりに警戒しつつ上昇を始める。岩本は打鐘で前団を押さえて出るが、この地元勢の動きに続いた牛山は2センターから発進。4角では牛山が叩き切って先行態勢に入った。関東3人の後ろには岩本が入り、鈴木は仕掛けず6番手、立ち遅れた永井は8番手に置かれての一本棒の態勢で最終ホームは通過する。2角に入ると、岩本が早くもまくって出る。岩本はバックで牛山をまくり切るが、やや離れ気味に岩本を追っていた海老根が追い付きざまに3角から番手まくりに出る。しかし、海老根をすんなり追走の鈴木が直線半ばで交わして先頭に。そのまま鈴木は、岡部の追撃も退けて2度目の記念Vを飾った。


鈴木謙太郎選手
鈴木謙太郎選手
 自力型が多数勝ち上がり、どのラインにもチャンスがある難解なレースだった。予想通り激しいレースとなったが、海老根恵太のまくりを追った鈴木謙太郎が直線で力強く追い込み、雨中の激戦を制した。
  「スタートで前を取ってその後は流れに任せて行くつもりでした。発走機を出た時に滑ってあせったけど、村上さんに前に入れてもらえました。(最終的に)海老根さんの後ろが取れればチャンスがあると言うのが頭にあってその通りになった。海老根さんがシュン(岩本俊介)を追うのか半信半疑だったけど、展開が向きました。踏み出しは3コーナーはまだ我慢して2センターで行こうと思ってて、後は神山さんが振ってくると思いそこだけは気をつけてました」
  記念初優勝は今年5月の別府記念。高松宮記念杯直前の開催でS班S班はもちろんのこと、G1級の選手が不在の中での勝利だった。今回は出場したS級S班が全員が決勝に勝ち進み、豪華メンバーの中での大金星。喜びもひとしおだ。
  「これでSSが居なかったから記念を取れたって言われなくなりますね。今回は追い込みだったので次は自力で取れるようにしたい。最近は記念やF1で決勝に定着してて成績は出来すぎだとは思うけど、練習でいいペダリングの感じが出て来てるし、それが結果に結びついてよかった。欲を出すと流れが悪くなりそうなので、今後も普通に頑張りたい」

 2着には鈴木をマークした岡部芳幸が入った。
  「交わせる展開だったし抜きに行ったんですけどね。鈴木が落ち着いて組み立てたと思う。前を取ってしっかり流れに乗って道中も落ち着いていたよ」

 神山雄一郎は牛山の先行に乗り直線で猛追を見せ3着に食い込んだ。
  「切り替えることは考えていたけど、岩本の仕掛けは早かったし2コーナーでは切り替えられなかった。あの展開で3着だし上出来ですよ」

 海老根恵太は岩本追走から自力でまくって出たが、直線で力尽きた。
  「自分が前回りなら行かないところだったので遅れてしまった。岩本の気持ちは伝わってきました。離れて本当に申し訳なかった。防府、奈良と短走路が続いての地元だったし、踏む距離が短かったツケが出ました。今後に向けてもっと踏めるようにしないといけませんね」

 岩本俊介はレース後ただ反省するばかり。
  「海老根さんが後ろだし、自分のタイミングとは違うけど早く行った。それが逆に迷惑をかけたみたい。次は失敗しないようにしないと」

 3日間先行で魅せた永井清史だったが、決勝は後手を踏み見せ場を作れなかった。
  「打鐘では早すぎたし、ホームしか行けるところがなかったのに躊躇して行けませんでした。連日いい感じだったのにもったいなかった」

 村上博幸は目標の永井清史と共倒れ。
  「(直線で)コースを探したけど無理でしたね。メンバー的に永井も組み立てが難しかったと思う。結果はしようがないけど、課題も見つかって今後につながる4日間でしたよ」

 牛山貴広は最終ホームで岩本を叩いて先行した。
  「岩本君が行くようだったら3番手でも良かったけど、緩んだので自分で行った。先行して自分の仕事は出来たけどまだまだ弱いですね」

ゴール





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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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