『千葉競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:10月19日
 千葉競輪開設63周年記念「滝澤正光杯」は2日目を迎えた。メーンの優秀競走「千葉マリーンカップ」は柏野智典が鋭いキメ脚を発揮して突き抜けた。二次予選では地元勢の活躍が光った。明日はいよいよ決勝への最後の関門となる準決勝3個レースが争われる。
 明日3日目は恒例となっている知的障害者授産施設「富里福葉苑」自転車競技部のメンバーと、彼らを指導する日本競輪選手会千葉支部の選手によるエキシビョンレース「第10回愛の競輪~ぼくたちの千葉記念~」が第5レース終了後に実施されます。今回はガールズケイリンの浦部郁里選手、田畑茉利名選手がレースに参加し、篠崎新純選手が先頭誘導員を務めます。また、利根川勇さんが永年走り続けたホームバンクに「愛の競輪」をラストランとして別れを告げます。そのほかにもウルトラセブン握手&撮影会や各種予想会などイベントは盛りだくさん。ぜひ、千葉競輪場でお楽しみください。

 S級S班の長塚智広(茨城)選手は、JKAから貸与されているS級S班レーサーパンツが破損等により、現在メーカーに発注中のため、今開催通常のS級レーサーパンツを着用いたします。ご了承ください。
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小埜正義選手
小埜正義選手
 二次予選一発目のレースは地元の小埜正義(写真)が快勝。中野彰人の逃げを中団確保から豪快にまくり切った。
 「矢野(昌彦)が下げてきてびっくりしたけど、中団は譲れないですからね。中野がかかっていたからマズイと思ったんですが、踏んだら出が良かったです。この開催のために練習をやってきましたからね。明日が勝負。しっかり頑張ります」
 矢野昌彦が小埜を追う形で2着に続いた。
 「いけないと思って、中団で休もうと。結果オーライですね。内容は良くない。脚自体は悪くないので、明日は力を出し切る走りをします」

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岩本俊介選手
岩本俊介選手
 柴田竜史が打鐘から一気に仕掛けてハイペースで逃げる。地元の岩本俊介(写真)はまくってきた松尾淳に合わせてバックから番手まくり。そのまま後続を引き離して圧勝した。
 「今日は柴田の頑張りに尽きますね。それが全てです。番手でできる限りのことをやろうと何かチグハグした走りになってしまった。とりあえず勝ててホッとしました。初日はダメでしたけど、脚の仕上がりは問題ないです」
 勝瀬卓也は岩本を追い切れなかったが、最終2センターで松尾の内を突いて2着をキープした。
 「前2人が頑張ってくれたし、しっかり付いていきたかったんですけどね。バックを踏んでしまい、追い切れなかった。でも、松尾さんは外に持っていくと思っていたので狙っていました。ワンツーが決まって良かったです」
 飯野祐太のまくりは不発。山田敦也が切り替え策からしぶとく3着に食い込んだ。
 「飯野君はいいスピードだったけど、松尾さんが思った以上に持ってきましたね。あの展開ではしょうがない。何とかしのげました」

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海老根恵太選手
海老根恵太選手
 山田久徳は打鐘前から、7番手の根田空史の動向を警戒しながら前団との車間を斬る。しかし、根田空史は山田のけん制を物ともせず、2センターから一気に叩いて主導権を奪取。直線では力尽きて失速したが、ハンドル投げで差し返し3着に踏ん張った。
 「(ゴール前は)抜き返しましたね、気合で。ホームのところは全開だった。ただ、バックが追い風だったんで、それで少し休めたのが助かりました。緊張も意外となかったし、新車の感じがいいんで。このままの勢いで、後は準決も力を出し切りたい」
 小川圭二の強襲にあった海老根恵太(写真)は、根田を目標に絶好の流れも2着まで。
 「ちょっと車間を空け気味でいってたんで、脚にきていました。付いていてあんなに苦しいんじゃ、自分の脚が落ちているんだと思います。もう後は気合だけ、準決も気合で頑張りますよ」
 7番手の三ツ石康洋が最終2センターから外を踏むと、小川圭二は落ち着いて内よりのコースを進出。直線では海老根の外を踏んで鮮やかに突き抜けた。
 「(三ツ石は)飛び付くのにもきつそうだったし、あの掛かりで自分も一緒に外にいったら無理ですからね。流れであのコースを行って、あとはどこか空いているところをって。余裕があるから行けるんでしょうね。余裕がなければダメだし。昨日(初日)は焦って外を踏んで失敗して悔しかったけど、感じはその時から悪くなった。今日は気持ちよく抜けたね」

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村上直久選手
村上直久選手
 最終ホームで先行態勢を取った菅田和宏の番手に吉田敏洋がハマってペースが緩むと、村上直久(写真)がそのタイミングを逃さず仕掛ける。
 「いつもなら見ちゃうところなんですけどね」と、村上が振り返って、汗をぬぐう。
 「地元の人が付いていたんで、あそこをしっかり行くことができた。ああなれば一回は緩むと思ったし、そこだけはと。今日はギアを4.08にしたけど、4.17より、こっちの方がいいかもしれませんね」
 カマした村上に続いた武井大介は2着いっぱい。村上のパワーに脱帽するように、こう言う。
 「村上君は強かったです。自分は付いていていっぱい。あれで吉田さんが来てしまうと、市田(佳寿浩)さんも連れて来ちゃうし、俺は村上君を交わせないと4着ですから。4コーナーのところは必死でした。感じは悪くないけど、(連日前を)抜けてない。それが今の調子と力です」
 一度は吉田との連結を外した市田佳寿浩だが、最終バックで付け直すと直線で外を踏んで3着。
 「4コーナーでは焦ったし、終わったと思いましたよ。中のコースを行けば、1着があったかもしれないけど。吉田君も頑張っていたんで…」

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石毛克幸選手
石毛克幸選手
 山中秀将が最終ホームから一気のカマシ。番手絶好となった石毛克幸(写真)が余裕の追い込みで久々の勝ち星を挙げた。
 「山中君のダッシュはすごい。あれなら楽に出切れますね。久々に展開が良かったです。今日は番手なので1枚ギアを落としました。余裕はあったんですけどね。山中君と一緒に勝ち上がれなかったのが残念です」
 地元コンビの3番手から大木雅也が外を伸びて2着に続いた。
 「山中君はいいダッシュでしたね。本当に強かったです。自分は調子が悪くて余裕がなかったです。最後は外に膨らんでしまいましたね」
 岩見潤が直線で中コースを強襲。山中との際どい3着争いを制した。
 「余裕はあったので、コースを探して思い切り踏んだ。何とか届いて良かった。最後は大木を押す形になったし、まだまだ甘いですね」

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鈴木誠選手
鈴木誠選手
 二次予選ラストは地元の鈴木誠(写真)がベテランの味を発揮。鈴木裕の仕掛けに口が空いてしまったが、竹内智彦にからまれながらも追い付くと、今度はまくってきた柴崎淳を2センターで強烈にブロック。最後は粘る鈴木裕をきっちり捕らえた。
 「今日は緊張しました。鈴木裕君が頑張ってくれたおかげ。3番(竹内)にあたられて、2コーナーが一番きつかったですね。2番(柴崎)が来たときはもういっぱいだったけど、あたっておかないと、みんなにいかれてしまいますからね。ワンツーが決まってホッとしました」
 鈴木裕はラインを信頼して迷いなく仕掛けた。
 「後ろが誠さんだし、気持ちが入りました。いけば何とかなると思っていたし、躊躇なく仕掛けられました。突っ張られて踏まされたので、きつかったです。状態はやっぱりいいですね」
 柴崎のスピードをもらった有賀高士が直線で中を割って3着に突っ込んだ。
 「今までの柴崎君の2コーナーまくりで一番すごかった。いってしまうと思いましたけどね。最後は命がけで突っ込みました。僕のデキは十分でしょう」

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柏野智典選手
柏野智典選手
 最終1コーナーで伏見俊昭、齊藤努の2人が落車。波乱のレースを制したのは柏野智典(写真)だ。鮮やかな中割りで突き抜け、3連単21万円台の大穴配当を演出した。
 「三宅(達也)さんが前でがんばってくれたおかげ。余裕はあったし、自分の好きな展開になりました。脚も軽かったです」
 人気の長塚智広は3番手の外に浮いて不発。十文字貴信が切り替え策から柏野に続いて2着に入った。
 「長塚君がダメになってしまい、内に降りて態勢を立て直しました。三宅君は外を踏むけど、柏野君は内にいくと思っていたので、待ってから踏んだけど、最後は危なかったですね」
 村上義弘は力強い先行策で3着に粘った。
 「しんどかったです。どんなレースでも先行することは常に考えています」
 3番手を確保した三宅達也だが、車は思うように出なかった。
 「落車があったのは分からなかった。かぶったら嫌なので踏んだけど全然出なかったです。しょうがないですね」
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