『花月園競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:11月24日


 花月園競輪場開設57周年記念「菊花賞典」は後半戦となる三日目を迎え、準決勝4個レースをメインに熱戦が展開された。トップレーサーの激突で見応えのあるレースの連続となったが、山崎芳仁、佐藤友和に村上義弘らビッグネームが順当に勝ち上がった。明日はいよいよ決勝戦が争われる。
 明日25日の最終日は先着3,000名様に抽選券を配布し、「車券購入券(500円分)」と「入場優待券」をそれぞれ1,500名様にプレゼント。そのほかにもS級決勝戦優勝選手当てクイズやチアリーディングショーなど、ファンサービス、イベントが盛りだくさん。この機会にぜひ、本場へお越しください。


<8R>
大竹慎吾選手
大竹慎吾選手
   金子貴志の当日欠場により、8車立てとなった8レースの準決勝Cは、先行1車となった渡部幸訓の後位が大渋滞に。まくった細川洋を追う形になった大竹慎吾(写真)が直線鋭く伸びて快勝した。
 「今回は運がありますね。金子君が欠場すると山田(裕仁)君から聞いて驚いたけど、それもあって1着が取れたし、本当に流れが向いています。どういう展開になっても最後は自分で踏めるようにギヤを上げていたので、道中は楽でした。ちょうど自分で踏んで行こうとした時に細川君が仕掛けてくれました。記念の決勝は5、6年ぶりだと思います」
 細川洋は地元の意地を見せて2着。
 「前と離れてしまい、外から追い上げたけど、松坂(英司)が飛んでいる感じだったし、思ったより車も出たからそのまま勢いで行ってしまいました。でも、大竹さんに見つかってしまったので、しょうがないです」
 同期の松坂英司と競った西田雅志は「金子さんが欠場してしまいましたからね。96点の先行選手でもすんなり駆けられるとまくるのは厳しいし、(松坂は)同期だけど粘るしかなかったです」と作戦を明かす。


<9R>
小野俊之選手
小野俊之選手
 
 9レースは最終1センターで4人が落車する波乱のレースに。勝ったのは石丸寛之の仕掛けに乗って追い込んだ小野俊之(写真)だった。
 「前回の松戸が全然ダメだったし、昨日も不甲斐ないレースをしてしまったので、今日は気合が入っていました。前のレースで(大竹)慎吾さんも勝ちましたからね。落車は危なかったけど、何とか避けられて良かった。(石丸が)タレて来ていたので、追い付く勢いで抜きにいかず、1回バックを踏んで付け直してから抜いたけど、残せなかった」
 2着の小橋正義は「今日は中団、中団をを回って突っ込もうと考えていた。落車を避けられたし、レースが見えている。あの位置だと普通なら3着が一杯だけど、小野にも迫れたからね。ここ1カ月半、1から身体を作り直してトレーニングしている成果が出た」と上機嫌でレースを振り返る。
 石丸寛之は直線末を欠いて惜しくも3着に敗れた。
 「今日は法月さんがギヤを上げていたし、カマして来ることは予想していました。来たのが見えなくてワンテンポ仕掛けが遅れてしまったのが全て。きっちり突っ張れていれば、あんな展開にならなかったし、2着に残れていたと思います」


<10R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
村上義弘選手
村上義弘選手
   10レースの準決勝Aは佐藤友和(写真)が六番手から大外をまくり追い込み、激戦を制した。
 「今日は藤田(竜矢)君が出て流したところを、カマして先行も考えていました。でも、村上(義弘)さんは俺の1つ先、2つ先を読んでいますね。先行選手が嫌がることを知っている。藤田さんもいつものペースで駆けられなかったはず。先行はできなかったけど、その後は落ち着いて走れたし、脚の状態はすごくいいです」
 村上義弘のまくりに乗って追い込んだ山田裕仁が2着に入った。
 「村上が頑張ってくれた。村上を何とか3着までに残したかったし、俺に出来るのはそれぐらいしかないからね。最後に後ろから差されたのは仕方がない。今回はやることはやれているし、いい感じの流れで決勝に臨める」
 3着の村上義弘(写真)も安堵の表情。
 「メンバーを見た時は単騎だと思っていたし、付いてくれた山田さんと決勝に乗れて良かった。後ろが気になって自分のタイミングで仕掛けられなかったけど、かぶってしまっては話になりませんからね。満足できる状態ではないけど、とりあえず決勝に乗れてホッとしています」
 先行した藤田竜矢は「また力んじゃいました。相手が強くなればなるほど力んでしまいますね。でも、力負けなので、もっと練習して強くなるしかない」。


<11R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
中村浩士選手
中村浩士選手
   最終11レースは山崎芳仁(写真)が五十嵐力、井上昌己らを相手に貫禄の違いを見せて圧勝した。
 「フタをされるのは分かっていたけど、下げても仕方ないでしょう。仕掛けた後をすかさず行こうと思っていたけど、上手く身体が反応してくれました。調子自体は全く問題ないです」
 2着に流れ込んだ有坂直樹は山崎の強さを絶賛する。
 「巻き返しのスピードがとにかくすごかった。今日は付いていくのが本当に苦しかった。3コーナーで飛び付かれそうになったけど、何とか凌げて良かった」
 中村浩士(写真)は地元コンビの三番手から鋭脚を発揮して3着に食い込んだ。
 「五十嵐君が上手く先行態勢に持ち込んだので、ライン3人で決まったと思ったんですけどね。すかさず巻き返してきたし、ちょっとスピードが違いました。僕は三番手で様子を見ながらじっくり脚を溜めていけました。伸びはいいし、ここに向けて練習した成果を出せています」
 五十嵐力は「ギリギリまで引きつけてから仕掛けようと思っていたし、思い通りのレースはできたんですが…。力を出し切っての結果だから仕方ないです」と肩を落とした。
 井上昌己は中団で見せ場を作れずに終わった。
 「ちょっと山崎のスピードが違いましたね。中団に飛び付いて一呼吸置こうと思ったら、もう自分の横まで来ていました」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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