『花月園競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:11月25日


 花月園競輪場開設57周年記念「菊花賞典」は25日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦が最終第11レースで争われ、山崎芳仁が豪快にまくって圧勝。次走の全日本選抜に大きな弾みを付けた。

決勝戦 レース経過
 スタートで飛び出した山田裕仁を村上義弘が追いかけて中近コンビが正攻法。三番手位置からは佐藤友和-有坂直樹-中村浩士で、後ろ攻めとなった山崎芳仁の番手は小野俊之と小橋正義で競り。小野に任せた大竹慎吾が最後方で周回を重ねる。
  山崎後位の争いは内外入れ替わって、最終的にイン小橋、アウト小野で落ち着くと、赤板ホーム手前から山崎が上昇を開始する。一旦は小野が単独で続くと、正攻法に入った山崎後位に再び小橋が追い上げる。そして小橋の追い上げに続いた佐藤が、そのまま打鐘前から主導権を握る。中団には中近ライン、下げて六番手の山崎後位はなおも激しい番手戦が続く。一度ペースを緩めた佐藤が4コーナーからペースを上げると、ホームから巻き返す素振りを見せた村上は再度中団で立て直す。2コーナーから村上がまくり返すと、気付いた有坂がこれをブロックするが、村上も簡単には飛ばない。佐藤後位が併走のまま4コーナーを立ち直ると、バックから仕掛けた山崎が大外をグングン加速。直線で豪快に前団を飲み込み、1カ月半のブランクを感じさせない走りで今年三度目の記念V。番手を取り切った小野だが山崎に続けず、2着には逃げた佐藤が粘る。3着には有坂後位から中を割った中村が強襲した。


山崎芳仁選手
山崎芳仁選手

  抜群の動きで勝ち上がった山崎芳仁、佐藤友和の北日本両者は、お互いの持ち味を出し切るため別線勝負を選択。人気は佐藤に集まったが、山崎が六番手から豪快にまくり切り、タイトルホルダーとしての底力を見せ付けた。
  「結果的に(佐藤と)ワンツーが決まって良かったです。作戦は全く話し合っていなかった。ヘタなことを考えても失敗するだけですからね。普通に先行しようと思って押さえたけど、友和の巻き返しが早かったので、落ち着いてまくりに構えました。踏み出したのは2コーナーぐらい。車の出が良かったので、勝てると思いました」
  今シリーズは約1カ月半ぶりの実戦だったが、連日仕上がりの良さをアピール。次走の全日本選抜でもファンの期待に応えてくれそうだ。
  「熊本も調整ミスをしなければね。五百バンクだからチャンスはある。今の調子ならいい勝負ができそうだし、後は展開がどうなるかでしょう」

 山崎にまくられた佐藤友和だが、しぶとく粘って2着。賞金を大きく上乗せし、年末のグランプリ出場にグッと近づいた。
  「今日は山崎さんとガチンコ勝負。賞金ことはあまり意識せず、先行しようと思っていました。調子が良かったので、山崎さんと村上さんを相手に先行してどこまでできるか試したい気持ちもありましたからね。出てからはいつ来るか分からないし、あまり流せなかった。山崎さんが強かったけど、この2着は大きいですね」

 有坂直樹はまくって来た村上義弘をきっちりブロックしたが、直線は伸びを欠いた。
  「友和はいいかかりだった。強かったけど、それ以上に山崎が強かったね。村上を止めるのに脚を使ったし、今日はしょうがない」

 佐藤ラインの三番手から中村浩士が鋭脚を発揮して3着に食い込んだ。
  「付いてて余裕があったし、力が付いていることを実感しています。有坂さんがけん制してコースが空いたけど、早めには行けませんからね。ギリギリまで待って、それから踏んだけど、良く伸びたと思います」

 まくり不発に終わった村上義弘はサバサバした様子。
  「北日本がどういうレースをするか色々考えたし、難しいレースでした。いい感じでまくって行けたけど、有坂さんが見てましたからね。避けた時に自分の操作ミスで後輪がつぶれてしまった」


ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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