抜群の動きで勝ち上がった山崎芳仁、佐藤友和の北日本両者は、お互いの持ち味を出し切るため別線勝負を選択。人気は佐藤に集まったが、山崎が六番手から豪快にまくり切り、タイトルホルダーとしての底力を見せ付けた。 「結果的に(佐藤と)ワンツーが決まって良かったです。作戦は全く話し合っていなかった。ヘタなことを考えても失敗するだけですからね。普通に先行しようと思って押さえたけど、友和の巻き返しが早かったので、落ち着いてまくりに構えました。踏み出したのは2コーナーぐらい。車の出が良かったので、勝てると思いました」 今シリーズは約1カ月半ぶりの実戦だったが、連日仕上がりの良さをアピール。次走の全日本選抜でもファンの期待に応えてくれそうだ。 「熊本も調整ミスをしなければね。五百バンクだからチャンスはある。今の調子ならいい勝負ができそうだし、後は展開がどうなるかでしょう」
山崎にまくられた佐藤友和だが、しぶとく粘って2着。賞金を大きく上乗せし、年末のグランプリ出場にグッと近づいた。 「今日は山崎さんとガチンコ勝負。賞金ことはあまり意識せず、先行しようと思っていました。調子が良かったので、山崎さんと村上さんを相手に先行してどこまでできるか試したい気持ちもありましたからね。出てからはいつ来るか分からないし、あまり流せなかった。山崎さんが強かったけど、この2着は大きいですね」
有坂直樹はまくって来た村上義弘をきっちりブロックしたが、直線は伸びを欠いた。 「友和はいいかかりだった。強かったけど、それ以上に山崎が強かったね。村上を止めるのに脚を使ったし、今日はしょうがない」
佐藤ラインの三番手から中村浩士が鋭脚を発揮して3着に食い込んだ。 「付いてて余裕があったし、力が付いていることを実感しています。有坂さんがけん制してコースが空いたけど、早めには行けませんからね。ギリギリまで待って、それから踏んだけど、良く伸びたと思います」
まくり不発に終わった村上義弘はサバサバした様子。 「北日本がどういうレースをするか色々考えたし、難しいレースでした。いい感じでまくって行けたけど、有坂さんが見てましたからね。避けた時に自分の操作ミスで後輪がつぶれてしまった」