『花月園競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 前検日編
 
配信日:11月26日


 明日(27日)から花月園競輪開設58周年記念「菊花賞典」が開幕する。今年最後のGI、全日本選抜(西武園競輪場)直前のシリーズで主力の状態を図る上でも重要なシリーズ。GP争いの渦中にある平原康多、手島慶介、新田康仁らS級S班7名をはじめ、トップスターによる頂上決戦から目が離せない。
  開催中は毎朝9時50分から早朝予想会が行われ、明日は7レース終了後にラッキーステージで、9レース終了後に案内所前特設ステージでマジックショーが、12時からは案内所前特設ステージでフラワーアレンジメント(女性限定先着50名)も行われます。明日はぜひ花月園競輪場へご来場ください。


<1R>
 オープニングレースから高瀬卓、竹澤浩司の両先行型による火花散る主導権争いになりそうだ。竹澤浩司が「着が大きい時は先行できてないときが多い。明日も負けないように」と話せば、高瀬卓も「1レースは予想どおり。モガキ合いになっても勝てないようじゃ二次予選でも通用しない。中4日だけど上手く疲れが抜けたし、練習の感じも良かった」と、両者一歩も譲らぬ構え。


<2R>
松岡孔明選手
松岡孔明選手
   2レースの松岡孔明(写真)は前回の佐世保FIで久々に予選の連対を外したが、「前回は悪かったけど、今回は大丈夫。S級の走りにも慣れてきたし、FIではいつも準優が壁なので今回は久々の記念でどこまでやれるかですね」と状態に不安はなさそう。
  ここ3場所連続で勝ち星を挙げている國村洋だが、本人は成績に納得していない。
 「1着はほとんど負け戦なので。競り勝ってからの勝ち星だったり、内容は良いのになぜそれが初日に出せないのかなって思ってるんですよ。調子は変わらないので、今回は初日から出し切りたい」と気持ちを入れ直す。


<3R>
 3レースの小林寛尚は今回が二度目の花月園参戦。
  「二度目と言っても、前回A級で来た時は初日に当日欠場してるんです。今回は2回分頑張りたいですね。状態は良いし、S級復帰直後に比べてペースにも慣れてきました」
  前を任せる川村晃司も近況は好調だ。
  「変わったことはしてないけど、ずっと練習の感じは良かったんです。それが結果に出ている感じですね。花月園は4回目、成績は良いほうです」


<4R>
 ここは10場所で8勝を挙げる田中雅史が地元の吉原友彦と激突する。
  「最近はギアだったり、フレームだったり色々試してるんですよ。今回は以前1場所だけ乗ったほぼ新車のフレームに、4日間3.71のギアで走るつもり。練習の感じも良かったので、今回は楽しみです」
  大屋健司は約4カ月にわたる長期欠場明け。
 「尾骨を骨折したけど、2カ月くらいは練習してきました。元々冬場は苦手だし、力が戻ってるかもわからないけど思い切った競走はしたい」と主導権は譲らない構えか。


<5R>
 5レースの坂木田雄介は今シリーズが勝負駆け。
  「今、S級のボーダーなんですよ。ここ最近の勝ち星は調子よりも流れが良かっただけ。ふつうに逃げ切りなんて、しばらくないですね。花月園はS級に上がってからは良くないけど、A級の頃は初優勝も飾ったし全国一と言っていい大好きなバンク。調子も上がってきてるし、そろそろ結果を出したいですね」


<6R>
池田勇人選手
池田勇人選手
   6レースの池田勇人(写真)は10月名古屋FIのS級初優勝もあって記念初の選抜スタート。
  「川崎記念から平原(康多)さんのところに出稽古に行ったり、浦山(一栄)さんのアドバイスで向日町記念からギアを3.71に上げたのが好成績の理由ですね。調子はボチボチだけど、初の選抜なので力を出し切りたい」
 内藤秀久は1カ月の欠場明けだが、地元記念へ向けて準備は万端だ。
  「ケガは大したことなかったけど、気持ちが乗らないまま走りたくなかったので、ここに向けて練習してました。いつも地元では気合が入りすぎちゃうので、リラックスしたほうがいいと周りに言われて来ました。不安なのはレース勘くらいですね」


<7R>
柴田洋輔選手
柴田洋輔選手
   7レースの小埜正義、柴田洋輔はともに落車失格からの1走目。「ふつうに平気だし、ケガは大丈夫。今回は色んな意味で勉強できそうだし頑張りたい」と話す小埜正義に対し、柴田洋輔(写真)は体調に不安を隠せない。
  「師匠(小林正治)は調子良いですね(笑)。でも僕は落車も続いてるし、調子は良くない。ちょっと不安ですね。ケアも練習もしてきたけど、花月園でも落車したことがあるし、イメージはあまり良くないんです」


<8R>
大塚玲選手
大塚玲選手
   選抜戦最後の8レースは大塚玲、佐々木龍也の地元コンビが満を持して登場する。大塚玲(写真)は2場所前の京王閣FIでも決勝2着と地元戦へ着実に調子を上げてきた。
  「9月川崎FIで落車のあと1カ月欠場したけど、大事を取るだけではなく、ここに向けての準備をやっていた。その結果がここ3場所に出てますね。良い流れを壊したくないし、直前もしっかり練習してきたので順位決定まではいきたい」
  大澤雄大は8月京王閣FIのS級初優勝から目立ったヒットを飛ばせていない。
  「京王閣までは流れが良かったけど、その後は落車が続いてますからね。2回とも同じところを打ってバランスも崩れてます。でも、ちょっとずつ良くなってるし、ここで頑張れば流れが戻るはず。初日が勝負ですね」


<9R>
松坂英司選手
松坂英司選手
   9レースからは特選がスタート。松坂英司(写真)は前走のふるさと広島でビッグ初優出するなど鎖骨の複雑骨折から調子を上げてきている。
  「前回から時間があったけど、少しゆっくりできたくらいで脚の上積みはないと思いますよ。前回ヒットを飛ばしたけど、自分の脚は自分が一番分かってますから。海老根くんとは相性が良いし、いつもお世話になってます。地元戦を意識せず、集中して走りたい」
  海老根恵太は前回の小倉FIでは上がり11秒1のまくりを打つなど、地元記念で落車の不安を一掃する走りを見せた。
  「展開もあったけど、前回は思った以上に走れましたね。GIでは予選回りで厳しいから、何とかこういうところで結果を出したい。花月園は相性が良いし、何とか南関から優勝者を出したいですね」
  GP争いで好位置につける平原康多はリラックスムード。
  「勝負は次(全日本選抜)だけど、全てのレースにピークを持っていくようにはしています。バンクとの相性も特に気にしてないし、悪くもないはず。練習はできたと思うし、しっかり走ります」


<10R>
新田康仁選手
新田康仁選手
   10レースの新田康仁(写真)は前検日から多くの記者に囲まれる。
  「(GP争いのことを言われるけど)最後まで分からないし、気負わずに自分のレースをするだけ。今回の成績では決まらないでしょ。ここで自分のレースをして、全日本で決められるように。ここに向けてもしっかりやって来てますよ」
  吉田敏洋は前々回の松山FIで落車の影響が心配されたが、続く一宮FIの優勝で不安を吹き飛ばした。
  「松山から中4日なので、どうかな?と思ってたけど、練習の感じは良かったですからね。(決勝は山口)幸二さんから逃げ切れたし、自信になりました。オールスターの最終日から本格的に3.92のギアを使ってるけど、感触やスピード感があって良い。直前はちょっと風邪をひいたけど、ふつうに練習はしてきました」
  地元勢唯一のS級S班である遠澤健二も気合が入る。
  「伊東記念の前に3泊4日で宮古島に行って乗り込んだはずなのに、伊東のあの成績(879欠着)にはまいったよ。さすがにショックだったね。今回はバンクメインにやってきたし、気持ちの入る地元で頑張りたいね」
  小倉FIの決勝では鋭い伸びで優勝した池尻浩一に迫った小野俊之も復調気配だ。
  「決勝は良い動きができたと思うけど、まだイマイチですね。セッティングが出れば、もうひと伸びあったはず。まだ答えが出てないけど、早く見つけたい。セッティングさえ出ればGIでも十分に戦えるはず」


<11R>
栗田雅也選手
栗田雅也選手
   11レースの栗田雅也(写真)は4回転のギアを駆使して敗者戦ながら連勝で伊東記念を締めくくった。今回は初日から4回転で臨む。
  「(渡邉)晴智さんのアドバイスで初日から4回転にします。3.71も感触は良かったけど、通過点だったので。今は大ギアブームだし、71では山崎(芳仁)とやったときに分が悪い。結果が出てホッとしてるけど、まだカマシやまくりでの勝ち星なので、今回は押さえ先行で結果を出したいですね。調子も悪くないと思います」
  井上昌己は2年前の当所AS優勝が記憶に新しい。
  「(AS優勝は)あまり意識してないですね。手応えがなかったので、千葉記念のあとに4泊の日程で熊本に行った。やっぱり伊東では感じが違いましたね。まだGPの準備なんかは全然やってないし、直前はモガキ中心でふつうにやって来ました」
  有坂直樹は賞金争いも大詰めに差し掛かり目の色が変わってきた。
  「今年は落車(4回)も多くて練習できなかったからなあ。でも10日くらい前から取手に冬季移動したし、けっこう早く結果が出るから楽しみ。ここと全日本で決勝に乗れば来年のS級S班も見えてくるでしょ。今年はその2場所に勝負を賭けます」
  腰痛で伊東記念を欠場した佐藤友和は、ここから復帰する。
  「伊東の前に腰痛は治ってたけど、練習不足でファンに迷惑をかけるのはイヤだったので。ただ天気が悪かったので思ったほどの練習はできなかったけど、良いリフレッシュにはなりました。3、4日前から取手に冬季移動もしてます。(全日本というより)まずはここを走ってからだけど、走れる状態だとは思いますよ」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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