『花月園競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:11月28日


 花月園競輪開設58周年記念「菊花賞典」は2日目を迎えた。今日は1レース前には雨もあがり、晴れ間ものぞく絶好のコンディション。二次予選A、Bに「あすか賞」で準決勝をかけた激しい勝ちあがり戦を展開した。
  明日は7レース終了後にLuckyステージで、9レース終了後にはバンク内でのストリートダンスショーや12時~15時まで特設ステージでバルーンアート。また開門から10時まで、地元・花月園の選手によるお出迎えなどイベントが予定されています。明日も花月園競輪場へお越しください。


<5R>
原司選手
原司選手
   二次予選Bは5レースから。赤板ホームから正攻法の小川勇介を押さた竹澤浩司だが、完全に斬らないまま打鐘を迎えると、小川が内から突っ張り先行。これで番手絶好になった原司(写真)が勝機をモノにした。
  「小川の力が上だし、今日は安心してた。あそこまで行けば突っ張るかもと思って構えてましたよ。小川のかかりも良かった。弟子が多いので、たまには格好いいところを見せとかないとね」
  2着には竹澤不発の展開ながら大槻寛徳の後位から直線鋭く伸びた光岡義洋が強襲した。
  「久々にこんなに多くの記者さんに囲まれました(笑)。前回からギアを3.71に上げて、手ごたえを感じてた。竹澤くんが不発になった時にどう対処するかだったけど、流れに逆らわず走れましたね」
  九州ライン三番手を回った下田和美は「大槻くんが気になって張りながらと思ったら内から来られた」と3着で準決勝Cへ。


<6R>
篠崎高志選手
篠崎高志選手
   6レースは打鐘で叩いた松岡孔明の上を川村晃司がカマして先行。再度、巻き返した松岡を北川紋部がブロックすると、後方で脚を溜めた篠崎高志(写真)が鋭く突き抜けた。
  「一回も脚を使わず、スピードをもらう展開になったから。たぶん今期初勝利だと思います。前回の伊東記念から感じは良いし、直前に(伊藤)一貴と一緒に乗り込んできたんだけど、その成果がさっそく出ましたね」
  川村後位で懸命のブロックを見せた北川紋部は2着に。
  「振って戻ったら川村くんの外に差してたので、あれ以上は待てなかった。川村くんには悪いことをしました」
  3着には川口秀人が食い込み3連単は12万円を越す高配当になった。
  「前で踏んでるのが9番(篠崎)だから恐々だったけど、出切ったので慌てて踏みました。僕はコースが空くかどうかだからね。外だったら1/4輪くらいしか進まんから(苦笑)」


<7R>
富弥昭選手
富弥昭選手
   7レースは桂馬将人との主導権争いを制した小埜正義を富弥昭(写真)がバックからひと飲み。まくり不発に終わった昨日のうっぷんを晴らした。
  「最近はいつも番手で止まるイメージしかないから、まくれるのとまくれんのでは大きな違い。とりあえずホッとしました。練習の感じはすごく良いんだけど、その脚が出ない。これがきっかけになればね」
  2着には逃げた小埜正義が粘った。
  「佐々木さんと一緒の時は僕が目の前で落車したり。野村(純宏)さんにもお世話になってるし、今日はとにかく後ろの二人に貢献したかった。本当に二人のおかげです」
  地元の佐々木龍也は何とか3着で準決勝に進出。
  「情けないです。調子は見てのとおり。結果を出さないと大きなことも言えないしね。まだチャンスはあるし、徐々にだけど頑張ります」


<8R>
手島慶介選手
手島慶介選手
   8レースからは二次予選Aが始まった。このレースは池田勇人が先行態勢に入ると、先に斬って待っていた佐藤悦夫がイン粘り。そこを新田康仁ラインがカマして南関ラインで決着かに見えたが、外を手島慶介(写真)が鋭く伸びた。
  「今日が一番厳しいレースだった。発走前からヤバイと思って、焦ってましたね。今日は脚より気持ちでしょ。余裕はなかったけど、とりあえずしのげて良かったです」
  2着には新田のカマシに乗った白戸淳太郎が入線。
  「後ろに岡田(征陽)くんが入ってるのが分かったので、波を作りたかったけど作れなかった。難しかったですね。今日は新田のおかげ。余裕はあったし、感じは悪くない」
  苦しい展開となった埼京勢だったが、南関ライン三番手に飛び付いた岡田征陽に乗って大澤雄大が中を強襲。3着で準決勝Aへ勝ち名乗りをあげた。
  「今回からフレームを換えて、平原(康多)にセッティングをみてもらった。感じも良いし、脚自体もけっこう楽ですね」
  一方、5着に敗れた新田康仁は首をひねる。
  「あれで残んないんじゃ先行やめますよ。展開が向いたのに悔しいな。明日までにギアやセッティングを考えて微調整してみます」


<9R>
平原康多選手
平原康多選手
   9レースは道中中団に位置した平原康多が打鐘過ぎに斬ったところを柴田洋輔が叩いて先行。平原後位で小岩大介が粘ると、バックからは松本大地も兵藤一也の外に追い上げる。三番手で車間を切った平原康多(写真)がまくり追い込みで快勝したが、レース後は複雑な表情だ。
  「逃げてるのが柴田だしできるだけ残したかった。やっぱり(埼京の)みんなで決めたかったからね。次(全日本選抜)に向けて追い込んでる最中で疲れはあるけど、僕は日に日に良くなるタイプだから。今回はうまくいかなかったけど、どこかで一緒になったら今度は連係したい」
  追い上げを決めた松本大地が2着に。
  「平原が車間を切ってたので前まで行こうと思ったけど、一車しか出ず併走になった。2センターで兵藤くんに当たられたらヤバかったけど、彼もキツかったみたいですね。体は動いてるし、調子は良いみたい」
  3着の広川貞治は「最後は脚が一杯です。康多がまくるのは分かってたけど、柴田を残したかった。今日は柴田さまさま。ダービー(出場の賞金)もかかってるので、明日も頑張ります」と明日の準決勝で勝負をかける。


<10R>
遠澤健二選手
遠澤健二選手
   10レースは岸澤賢太のホームガマシで上手く三番手に入った栗田雅也が2コーナーまくりで快勝。「先行すれば(後ろが)何とかしてくれるだろうと思ってたし、ホームは突っ張るかどうか微妙なタイミングでしたね。三番手に入ってからは友和がどう来るかだったし、ゴール前は(佐藤が来るんじゃないかと)ちょっとビビッてましたね。ワンツースリーまで決まって良かった」。南関勢での確定板独占に笑顔を見せた。
  2着の遠澤健二(写真)もホッとした表情でレースを振り返る。
  「(栗田は)先行基本で行って、二車で来ればまくりでもと思ってたから理想の流れになったね。後ろから(佐藤が)来るんじゃないかと思ってら、栗田は4コーナーからまた伸びていった。今日は抜いとこうと思ったんだけどね(苦笑)」
  3着の山田幸司もしてやったりの表情だ。
  「後ろに抜かれないように横に走って、いやらしく邪魔しました。全部栗田くんがやってくれたし、3着で良かったです。疲れもないし、調子はいつもと変わらない。気持ちもしっかり入ってます」
  まくり届かず4着の佐藤友和だが、全く悲壮感は見られない。
  「展開を読み違えたし、まくり追い込みに行くタイミングが悪かっただけで、踏んだ時はすごく車が出ましたよ」


<11R>
山口幸二選手
山口幸二選手
    11レースの「あすか賞」は道中後ろから二番目の位置を確保した吉田敏洋が海老根恵太との壮絶な主導権争いを制すと、最後は番手の山口幸二(写真)が鋭く抜け出した。
  「海老根がいい勢いで来たけど、吉田はそこから良く粘ったね。今日は吉田が強かった。10日くらい競走が空いてたので、刺激がなくて昨日は伸びが不満だったけど、今日は軽くなった。日に日に良くなってきてますね」
  2着に粘った吉田敏洋も3.92のギアで海老根の鋭い出足を合わせ切るなど、デキの良さを証明した。
  「今日は後ろ攻めからでも良かったし、このギアでカマシに合わせられたのは大きいですね。ギアのおかげで後半伸びました。昨日は軽いけど、何だかピリッとしない感じだった。今日のほうが状態自体は良かったですね」
  打鐘の4コーナーで内から三番手を奪った成田和也が3着に続いた。
  「9番(井上昌己)は出させる気マンマンだったし、下げてもよかったけど海老根さんにドンと行かれたら後ろになってしまう。あそこは流れで内に行きました。反応はできてますね」
  カマシを合わされた海老根恵太は「相手はギアがかかってるし、キツいですね。昨日が良過ぎたのかな? でも二車でも積極的に行ってるんでね」と明日は準決勝Cで仕切りなおし。後方に置かれた井上昌己は「甘かったですね。それでも、もう二車前だったらタイミングが取れたのに…」と肩を落とした。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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