『花月園競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:11月29日


 花月園競輪開設58周年記念「菊花賞典」もいよいよ後半戦。3日目の今日は準決勝4個レースで決勝戦9つの椅子を懸けた最後の勝ちあがり戦が繰り広げられた。激戦の準決勝Cを新田康仁が突破した他、地元勢からは松坂英司、白戸淳太郎の2人が決勝に進出。明日のファイナルでシリーズの頂点を狙う。
 明日も地元選手によるお出迎えや早朝予想会に始まり、9レース終了後にはフラメンコショー(Luckyステージにて)など、様々なイベントが予定されています。注目の決勝戦は、ぜひ花月園競輪場でご観戦ください。


<8R>
新田康仁選手
新田康仁選手
   8レースの準決勝Cは打鐘から柴田洋輔が一気に飛び出すが、海老根恵太がすかさずホームから巻き返して南関三車が出切る。これで番手絶好になった新田康仁(写真)が1着権利の狭き門を突破した。
 「昨日まではやることをやって悪かったので、違うところに原因があると思って修正した。自力でも3.71にしてたけど、海老根がいて丁度良かったね。千葉記念の決勝で連係したときは落車したのでワンツーが決まって良かった。昨日の状態だったら海老根を抜く自信はなかったけどね。展開もあったけど、昨日より感じも良かったです」
 2着に敗れた海老根恵太だが抜かれた結果には納得の表情。ラインで上位独占の結果に笑顔を見せた。
 「狙いどおりでしたね。ギアを上げてちょっと重かったけど出切れて良かったです。でも出切ることに集中してたので、4コーナーからのことは考えてなかった。上のレースなら決勝に上がれたけど、ラインでワンツースリーなら最高です」
 佐々木龍也は万全ではない状態の中でも、きっちり3着に食い下がった。
 「今日は前の2人に任せてた。僕はただ付いて行って流れ込んだだけだから。でも3着とか取れれば、ちょっとずつ良くなってくると思います」
 関東ライン三番手から組み立てた有坂直樹だが海老根のカマシの前になす術がなかった。
 「あれじゃ南関勢にカマしてくれって感じになってしまったね。しょうがない」


<9R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
兵藤一也選手
兵藤一也選手
   9レースは小埜正義が最終ホームから全開でフカす。中団の岡田征陽がバックまくりに出て、番手から兵藤一也が踏み込んだが、七番手から佐藤友和(写真)が一気の強襲劇を見せた。
 「2コーナーで岡田さんが踏んだときにイケると思った。昨日より感じは良くなったけど、レースを読み切れてないですね。僕はレースが読めないのが一番嫌いなんです。そこが凄い歯がゆいけど、全日本選抜までに1日1日修正したい。全日本でタイトルが獲りたいし、明日はタイトルのためにどんなレースができるかですね」
 岡田のまくりに乗った兵藤一也(写真)が2着で決勝進出を決めた。
 「友和がカマして来るかな?と思ったけど、来なくてよかった。征陽が上手かったし、サーッとまくり切ると思ったけどね。北川(紋部)さんが予想以上に横に来て征陽が止まったので早めに踏ませてもらいました。今日は征陽のおかげ。感じもだいぶ良いです」
 室井竜二にも優出のチャンスはあったが、「今日はよーいドンから一杯だった。もうちょっと違う感じ。兵藤を抜くくらいの脚があればね。弱いなあ」と3着まで。


<10R>
栗田雅也選手
栗田雅也選手
井上昌己選手
井上昌己選手
   10レースの準決勝Aは栗田雅也が打鐘で先行態勢に入ると、中団を井上昌己、手島慶介で争う形に。最終ホームで手島と遠澤健二が接触すると、諸橋愛まで巻き込んで3人が落車。アクシデントにも動じず冷静に駆けた栗田雅也(写真)が堂々の逃げ切り勝ちを収めた。
 「今日は余裕があったというか、落ち着いてたのが大きいですね。逃げイチのメンバー構成だったけど、別線も何をしてくるのか分からなかったので。手島さん、遠澤さんが落車したのは分かりました。昌己は前輪が壊れてたんですか?  じゃあ恵まれ一本ですね。今日は静岡勢が全員確定板にあがってたのですごいプレッシャーでした。記念の決勝は去年の久留米以来だし、明日もこのギア(3.71)でいきます」
 井上昌己(写真)が最終ホームの接触で前輪が破損したとは思えない伸びで2着に食い込んだ。
 「車輪が壊れるんじゃ?と怖かったけど、後ろに2人いたし、止めなくて良かった。今日は手島さんとトコトン中団でやり合うつもりでした。ツキはあるけど、何だかスッキリしないですね。今日は軽かったので、かなり気合が入ってた。明日、一番良くなればいいですね」
 3着の松坂英司は手島と2人で審議の対象となったが結果はセーフ。レース後は栗田の強さに舌を巻いた。
 「健二さんに任されてたし、その責任を感じて走ってました。栗田はゴール前が一番スピードが出てましたね。かかってたし、抜ける感じじゃなかったです。71のギアで十分強いんじゃないですか。決勝も一生懸命走ります」


<11R>
白戸淳太郎選手
白戸淳太郎選手
廣川貞治選手
廣川貞治選手
   11レースは前受けの平原康多が吉田敏洋を突っ張って先行。内をすくった白戸淳太郎(写真)が平原の番手を奪うと、2センターでは吉田のまくりを強烈ブロック。そのまま平原をも捕らえて今シリーズ初白星を挙げた。
 「今シリーズは絶対一度は1着を取りたいと思ってたので嬉しいですね。スタートで中団が取れたし、押さえたラインに付いて行って内から番手に行くつもりでした。考えはセコいですけど。ここに向けて一生懸命練習したし、ここ5年で一番気持ちを入れてやってきました。その成果が出て、いい感じで走れました。たまたまかもしれないけど、展開も上手くかみ合ってくれたし、見せ場を作れて良かったです」
 2着に粘った平原康多。意外とも思える突っ張り先行に出たが、本人は作戦どおりと話す。
 「今回は吉田さんのデキが良いし、(山口)幸二さんにもまくりを何回も止められてるから、今日は突っ張ると決めてました。前2日間がヘボい競走でしたからね。突っ張ったわりには粘れたし、徐々に良くなってる。これでスッキリ明日に臨めますね」
 白戸のゲリラ戦の前に番手を奪われてしまった廣川貞治(写真)だが、三番手で立て直して決勝進出を決めた。
 「やられちゃいました。康多は突っ張ると言ってたし、内を空けたら白戸や成田(和也)が来るだろうとは思ってました。でも来た場所が上手くて対応できなかったですね。3着までには入れたので調子自体は悪くない。明日もダービー出場(の賞金アップ)のために何とか頑張りたい」
 吉田敏洋にとっても平原の突っ張りは想定内だったが…。「突っ張られても(平原の)ラインが短くなるだろうから、まくりのタイミングを取ろうと思ってた。ただ3コーナーのコース取りがまずかったですね」と、唇をかんだ。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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