『花月園競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 3日目編
配信日:9月12日
花月園競輪開設59周年記念「菊花賞典」は大詰めの3日目を迎えた。今日は準決勝A、B、C合わせて4個レースで決勝進出を争った。地元勢からは高木隆弘がただ一人優出。明日の決勝戦でS級S班の神山雄一郎、山口幸二をはじめ、そろった強豪と覇を競う。
明日(13日)は青江二奈ショー(7、8レース終了後)、バルーンアート(12時~15時)に安田大サーカスもゲスト出演。注目の決勝戦をメーンに見どころ満点の花月園競輪場へご来場ください。
<8R>
友定祐己選手
1着権利の準決勝Cを制したのは
友定祐己(写真)
。カマした佐藤友和の番手に藤田大輔がはまってゴチャつく展開をバックから一気にまくった。
「4番(藤田)が先行しそうだったし、そこから組み立てようと思ってました。まくったときに友和も踏み直したのでけっこうキツかったし、乗り越えてからも必死でした。2日間悪くなかったけど、今日が体調も展開も一番良かった。オールスターを前に、ここでまくれたのが大きいし、嬉しいですね」
2着の
西川親幸
は勝った友定を素直に称えた。
「前が強かったし、単独になるのが遅くてニュートラルに入るところがなかったね。中村(一将)が来てかぶるのがイヤだったけど、友定の反応が良かった」
カマした
佐藤友和
は番手に藤田がはまる不運もあって4着で決勝進出を逃した。
「ホームでガシャンと音がしたのでもしかしたらと思って後ろを見たら藤田くんが入ってた。ペースを落としたところを焦って番手から出てきてくれれば面白かったけど、あれじゃ友定さんが楽な展開になりますよね。脚の状態はすごく良いんで、明日もう一走頑張ります」
<9R>
高木隆弘選手
矢口啓一郎選手
後ろ攻めの栗田雅也が前受けの篠原忍を叩いて先行。番手の
高木隆弘(写真)
が絶好の展開を生かし、6月富山FI以来となる勝ち星を挙げた。
「栗田とワンツーが決まったと思ったけど、最後に矢口が来ちゃったね。2着は多かったけど、ここんところ1着が取れてなかったので嬉しい。初日も今日みたいな展開で外を強襲されたけど、今日はしのげたのが大きい。感じは変わらず良いので、この1勝がいい薬になってくれればね」
篠原はまくり不発に終わったが、後位から直線鋭く伸びた
矢口啓一郎(写真)
が2着で決勝に駒を進めた。
「篠原の動きしか見てなかったし、まずは付いて行ってとしか考えてなかった。アイツのデキと力なら行けると思ったんだけどなあ。どうしたんだろ? 僕の感じは良いと思う。配分が詰まって練習ができてない分、レースで脚を使うことを心掛けてるのがいいんでしょうね」
逃げた
栗田雅也
は惜しくも3着。2年連続の花月園記念決勝進出はならなかった。
「もうちょっとでしたね。今日は前でも後ろでもどっちでも良かったし、その考えは篠原くんも一緒。ただ疋田さんがどうするのかが分からなかったけど、粘ることもなかったので篠原くんだけを見てればよかった。良い勉強になったけど、悔しいですね」
出方が注目された
疋田敏
は「関東が先行なら矢口のところで勝負。栗田に行かれても仕方ないと思ってました。すんなり四番手で呼吸は楽だったけど、脚が付いていかなかった。ガッカリです」とレースを振り返った。
<10R>
坂本亮馬選手
田中雅史選手
連日、抜群のスピードを見せる
坂本亮馬(写真)
が一番人気に。最終バック八番手に置かれる苦しい展開になったが、そこから好回転のまくりを決めて見事に人気に応えた。
「八番手だと思ってドキドキしました。あまりエラそうな競走はしてないし、ファンの人には『自分だけか』とヤジられたけど、僕の競走は勝つ競走なので。昨日は仕掛けが遅くて届かなかったけど、体調は問題ない。明日は狙いすぎず狙います」
石橋慎太郎のカマシで三番手に入った
田中雅史(写真)
がバックから先まくりを打って2着に。自身初の記念優出に笑顔を見せる。
「落ち着いてた訳じゃないけど、たまたま誰も追い上げてこなかったから。でも後ろに馬渕(紀明)さんがいたし、ダメ元で2コーナーから仕掛けました。まさかまくれるとは思わなかったですね。記念の決勝は初めてで嬉しいです。SSが二人いたんだもんなあ…。今回は初めて初日から3.85のギアを使ってるんだけど、それが良いんだと思います」
3着には目標不在の苦しい展開をしのいだ
神山雄一郎
が食い込んだ。
「石橋が仕掛けたときに勢いが良くて付いて行けなかった。最後は大外を踏む展開になって苦しかったけど、コーナーを踏み切れたからね。坂本は行ってしまうだろうと思ってたから何とか3着までと思ってたけど、しっかり入れてよかった」
惜しくも地元記念優出を逃した
松坂英司
は「タイミングがズレなければ、田中くんのまくりを止められたと思う。そうなれば結果が違ってたんだろうけど…」とガックリ肩を落とした。
<11R>
浅井康太選手
山口幸二選手
機敏な動きを見せた
浅井康太(写真)
が準決勝を快勝。今年1月大宮以来の記念優出に安堵の笑みを浮かべる。
「一成さんは突っ張るなと思ったので、誠一郎さんに(中団争いで)勝つなら内だと思って行きました。仕掛けたときに幸田(光博)さんが離れ気味だったので、そこをキメてコーナーにかかる前に仕掛けた。一成さんも踏んでたのでキツかったですね」
浅井のトリッキーな走りにもしっかり食い下がった
山口幸二(写真)
は、頼もしい味方の走りを絶賛した。
「小嶋(敬二)を器用にした感じ。トリッキーだから大変でしたよ。3コーナーでヤバイかなと思ったら康太が出たし、慎太郎も康太の内に差してた。今日は抜ける感じじゃなかったね」
渡邉一成の番手から3着に入った
佐藤慎太郎
は浅井の走りに驚きを隠せない。
「浅井が後ろに入ったのは分かってたけど、まさかあのタイミングで来るとは思わなかった。止めるにも逃げながら行ってしまったからね。3日間、一成のおかげ。決勝も一緒に走れれば良かったんだけどね。今日は全部エアスポットに入ってたから分からないけど、感じは悪くないと思う」
突っ張った
渡邉一成
だったが、「一回突っ張って中団併走になってくれればと思ったんだけど。(浅井と)3日間一緒じゃ読まれますよね」。
突っ張られた
中川誠一郎
は「突っ張りは予想してなかった。流れに乗れてないですね」と言葉少なにレースを振り返った。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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