『花月園競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:9月13日


 花月園競輪開設59周年記念「菊花賞典」は本日が最終日。神山雄一郎、浅井康太、山口幸二、佐藤慎太郎らS級上位の実力者たちが顔をそろえたファイナルレースを制したのは坂本亮馬。自身初となる記念制覇を達成し、直後に控えるオールスター戦へ向けて弾みをつけた。

決勝戦 レース経過

 号砲で誘導員を追った友定祐己が坂本亮馬を正攻法に迎え入れ、周回は坂本―友定―矢口啓一郎―神山雄一郎―高木隆弘―佐藤慎太郎―浅井康太―山口幸二―田中雅史の並び。
  赤板ホームから浅井が上昇を始めると、単騎の佐藤は四番手に続く。浅井は2コーナーで誘導員を下ろして先行態勢に入るが、そこをすかさず矢口が叩いて主導権を奪う。佐藤は再度先手ラインに乗り換え四番手に。浅井が空けた内を突いた坂本はホームで五番手を確保するが、逃げる矢口も内を空けるとそのまま迷わず内を突いて2コーナーで先頭まで出てしまう。まさかのインまくりに友定は付いて行けず、やや離れて矢口が坂本を追いかける。矢口は車間を詰めた勢いで逆転を狙ったが、連日好回転の坂本が後続を振り切って記念初優勝。2着には矢口マークの神山が食い込んだ。

坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
 坂本亮馬はゴール線を通過すると会心のガッツポーズを掲げた。喜びを噛み締めながらウイニングランを終えると、達成感ある表情で記者の取材に応じた。
  「今日は浅井さんのまくりの上を行くのは厳しかったし、ホームカマシで2着くらいまでにはと思っていたんです。そうしたら、矢口さんが上がってがらっと内が空いたでしょう。えっ?良いの?ってくらい。まさにヨダレものでした。ああなれば行きますよ。最後はバランスを崩しながら無我夢中で踏みました」
  今シリーズは圧倒的なダッシュとスピードで別線をねじ伏せてきた。
  「前回、落車したけどその辺は全く影響なかったです。むしろ休めたし、余計な力が入らなかった分、良い感じで練習でももがけた。それが良かったのかな」
  90期では07年11月・松山記念で北津留翼が達成して以来、もちろん自身初となる記念Vとなった。
  「久留米の自力型としては、15~6年ぶりくらいの記念優勝なんだそうです。これまで、九州の若手は(北津留)翼しかいないと思われていたし、これでアピールできたかな。この後、オールスターがあるし気持ちを緩めずに頑張りたいです」

 先行したのは矢口啓一郎。その矢口マークから、神山雄一郎が2着に食い込んだ。
  「矢口も出てから脚を使っていたし、飛びついてからきつかったでしょうね。それにバックでは坂本のスピードが乗っていたし、ああなれば仕方がない。最後に矢口を交わせたわけだし、今日はまずまずかな」

 3着の矢口啓一郎は「今日はギアを上げて、イチかバチか狙っていました。中団がもつれて先制できると思っていたら内から来られた。全く気が付かなかった」とレースを淡々と振り返る。

 坂本マークの友定祐己は、坂本の動きを追えずに離れてしまった。
  「坂本君はとりあえず中団に行くのかな?と様子を見ていたら、あっという間に前へ前へと行ってしまった。付いていければ良かったけど、(二角過ぎ)でもう閉まっていたし追えなかった」

 浅井康太も坂本のトリッキーな動きに翻弄された。  「1センターでは、とにかくずっと(佐藤)慎太郎さんの動きを警戒していたんです。そうしたら内から来られた。あれで仕掛けるタイミングを逃してしまった。最後は落車するし、情けなかったです」

 単騎戦となった佐藤慎太郎は、「道中で無駄脚を使ったのが悪かった」とレースの組み立てを悔やむ。  「坂本に切り替えても良かったけど、そうなると浅井に行かれてしまうでしょう。今日はバンクがものすごく重かったし、どんな展開にせよ、ホームまでに脚を使ってしまったのが失敗でした」

 地元最後の砦となった高木隆弘は、矢口―神山の三番手から勝機を狙ったが…。  「1センターで坂本が来たのも分かったけど、内を閉めていたら自分だけ置いていかれてしまう。(空くのは)仕方がなかった。それに今日はいつも以上にバンクが重たかった…」

ゴール




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