『川崎競輪 アーバンナイトカーニバル(GIII)レポート』 2日目編

配信日:8月11日

 川崎競輪場で開催されている「アーバンナイトカーニバル(GIII)」は8月10日に2日目が行われた。AとBに分かれて争われた二次予選では、地元の大塚玲や山岸佳太、山中秀将が勝ち名乗り。他にも地元勢から、東龍之介、成田健児、佐々木龍、佐藤龍二が準決勝へコマを進めた。また、「アーバンナイトヴィーナス(FII)」では予選2が行われ、荒牧聖未と柳原真緒が連勝。増茂るるこも白星を挙げて準決勝に弾みを付けた。
 本場では11日の3日目も、開門時に先着800名様に抽選券付きの「うちわ」をプレゼント。さらに、世持桜さんによる八重山民謡(1R発売中・3R終了後・8R終了後)や、地元選手によるトークショー(1R終了後)も予定されています。また、沖縄ブースやKID'Sブースも常設されていますので、ぜひ川崎競輪場に足をお運びください。

<1R>

比嘉真梨代選手
比嘉真梨代選手
 6番手の比嘉真梨代が打鐘前から動いて3番手に入る。後ろの様子を見ながらピッチを緩めていた正攻法の佐藤亜貴子は最終ホームからペースを上げる。4番手の荒牧聖未が2コーナーから仕掛けると、3番手の比嘉も合わせるようにまくる。比嘉の抵抗を乗り越えた荒牧がそのまま後続を突き放した。
 「初日よりも自分の中では踏み出した感じも、ゴールまでの感触も良かったです。初日は重たかったので。ホーム辺りはかぶっていたけど、自分の踏み出せる位置はほしいなって思っていました。早く踏みたくてウズウズしていました」
 荒牧には行かれてしまったが、懸命に踏み続けた比嘉真梨代(写真)が2着。
 「荒牧さんよりも先にまくろうと思った。コーナーで重なってちょっとキツかったけど、状態は初日より良くなっている。初日は寝不足だったけど、昨日は夜9時に寝られたし、いつもその時間に寝るので」


<2R>

増茂るるこ選手
増茂るるこ選手
 打鐘で飛び出した内村舞織の後位は増茂るるこ(写真)と高木佑真で併走。外併走の高木が4コーナーから仕掛けるが、内村がペースを上げて突っ張る。これで絶好となった増茂が粘る内村をゴール寸前でとらえた。
 「周りが強かったです。(高木)佑真ちゃんも迷いながらだったんで。本領を発揮したらあんなもんじゃないと思います。良い位置を取れたのが良かったです。いっぱいいっぱいでした。4日制の開催はまだ決勝に乗ったことがないので、しっかり頑張りたいです」
 高木を突っ張って先行した内村舞織はわずかに末を欠いて2着。
 「結果はダメだったけど、内容は1周行けてるので。高木さんの後ろに誰か付いてきていたし、ジワジワと来たので突っ張りました。最後に差されたのは脚力不足です。脚は全然良いと思います。練習の成果は出ています」


<3R>

柳原真緒選手
柳原真緒選手
 打鐘後も隊列に変化はなく最終ホームから踏み上げた前受けの高橋梨香を、3番手から仕掛けた中嶋里美が1センターで叩いて先頭に立つ。後方で脚を溜めた柳原真緒(写真)は、2コーナーから一気にスパート。豪快に前団を飲み込んで連勝を決めた。
 「(初手は)思ったより後ろになりましたけど、中嶋さんが動いてからと思っていたので。今日(2日目)は、風がずっと向かっている感じだったので、スピードに乗り切るのが遅かったです。でも、2日間、自力を使えているんで良いと思います」
 中嶋の3番手に飛び付いた高橋梨香は、最終2センターからまくってきた柳原を追うように伸びて3着に入った。
 「(初手で)いつもの感覚だと、もう少し誰かが早めに来るかなって思ったんですけど来なかったです。3番(柳原)が仕掛けて来た時に、後ろが離れていたからスイッチする感じで踏めて3着に入れましたけど、3番の後ろに誰かが付いてきていたら着外ですからね。中嶋の番手に飛び付ける脚がないと…」


<7R>

片岡迪之選手
片岡迪之選手
 8番手から上昇した皿屋豊に合わせて村上直久が動くが、前受けの片岡迪之(写真)も踏み上げて、皿屋ラインだけを出させる。そこへ木村弘が仕掛けて、打鐘から皿屋と木村のモガき合いに。しかし、最終ホームで両者で接触し、木村が後退。一方で、中団の片岡はホームから反撃に出る。1センターで先頭に躍り出ると、そのまま後続を振り切って準決勝進出を果たした。
 「(打鐘前に)村上さんを突っ張ったのが勝因ですね。良かったのはそこだけ。体が付いて来てくれれば感じは悪くないんですけど。タレないように我慢しただけだけど、悪いなりにはやったかなと思います」
 目標の片岡が後退してきた木村を避けると、そのあおりを受けた青井賢治は片岡との車間が空く。それでもしっかり立て直し、後ろをけん制しながら片岡に続いて2着でゴール。中四国ワンツーが決まった。
 「ホームで(片岡)迪之が1回やめてから踏んで行ったから、(1コーナーの)登りになってキツくなりました。でも、あそこから行ってくれたんで、2車ですけど迪之を残さないとって思って。体調は昨日(一次予選)より良かったんですけど、脚を削っていたので抜けなかったです」


<8R>

 赤板の1コーナーで先頭に立った木村幸希を小原唯志が打鐘前に叩いて出る。木村が3番手に収まるが、前受けから6番手まで下げた藤木裕が4コーナーから反撃開始。抜群のスピードでバック前に小原を抜き去ると窓場千加瀬の追撃を振り切って快勝した。
 「前を回るからにはしっかり(窓場と)ワンツーを決めるレースをしようと思ってました。これで決まらへんかったら僕の選択ミスですし。変なとこで粘らんと、しっかり自力で駆けようと思ってました。調子が良いと思って入った割に反応が悪いですね。そこは直さなきゃいけない。決勝に必ず乗らないといけないと思ってるし、何としても勝ち上がりたい」
 同郷の先輩に前を任せた窓場千加瀬がしっかり続いて京都ワンツー決着となった。
 「緊張で久しぶりに走る前に泣きそうになりました。(藤木は)僕を連れて、ワンツーが決まるような走りですごかったです。すごい加速でびっくりしました。抜けへんかったのは僕の練習不足です」


<9R>

 前受けの増原正人が赤板過ぎに森山智徳を突っ張ったところを永井清史が打鐘前に押さえる。5番手の位置に入った矢口大樹は2センターからスパート。最終ホーム前に永井を叩いて主導権を握るが、白戸淳太郎は番手で車間が空いてしまう。懸命に追いかける白戸だが、矢口との差はなかなか縮まらない。2コーナー、4番手からまくり上げた森山智徳は白戸の横で力尽きる。セーフティーリードを保っていた矢口がそのまま軽快に逃げ切った。
 「永井さんが踏んでいたので、ホームで行くのは厳しかったですけど、後ろは地元の白戸さんだったし、仕掛けました。出切ってからは余裕もなくて後ろを見れなかったですけど、ペースで踏むことを心掛けました。決勝で一番付き合いの長い山中(秀将)さんと連係できるように、準決勝も頑張ります」
 永井が不発の展開から前田拓也が2着に突っ込んだ。
 「(永井が)前々に踏んでくれたお陰ですね。2センターで内を踏むか迷ったけど、(白戸淳太郎が)離れていたので外を踏もうと。最後は思った以上に伸びてくれたし、脚は悪くないと思います」
 大外を懸命に踏んだ増原正人が3着に届いて準決勝へコマを進めた。
 「前まで距離が遠かったけど前々に踏んで良かった。GIIIの準決勝に勝ち上がれたのは初めて。あとひとつ勝ち上がれるように」


<10R>

山岸佳太選手
山岸佳太選手
 赤板1コーナーでハナに立った鈴木裕を、吉本卓仁が押さえて主導権を握る。前受けから8番手まで下げた山岸佳太(写真)は、打鐘の2センターからスパート。最終2コーナーで一気に吉本を抜き去ると、そのまま力強く押し切って二次予選を1着で突破した。
 「関東の先輩方にセッティングを見てもらって、サドルの調整をしました。イメージ通りの走りができたけど、準決以降は打鐘から1周半いくくらいの気持ちじゃないとダメですね」
 山岸の仕掛けにピタリと続いた五日市誠が2着でゴールした。
 「山岸君が超強かった。ここってところで行ってくれましたね。付いているのは楽でしたけど、本気で抜きに行ったがダメだった。これはフレームの問題かもしれないです」
 後方から勢い良くまくった伊藤信だったが届かず3着まで。
 「踏み合いになると思いきや、気持ちよく山岸君が行ってしまうから、慌てて仕掛けました。踏み出しは良かったんですけどね…。セッティングをこれ以上変えるか、もう少し考えたいです」


<11R>

大塚玲選手
大塚玲選手
 後ろ攻めから赤板の1センターで切った佐々木龍を河合佑弥が打鐘前に叩いて逃げる。佐々木が3番手に収まり、6番手に佐藤友和、8番手に工藤文彦の一列棒状で最終ホームを通過。河合のかかりは良く、別線はなかなか反撃できない。最後は4番手の位置から佐々木の内に進路を取った大塚玲(写真)が鮮やかに突き抜けた。
 「良かったです。朝倉(佳弘)さんが番手で動いていたので、(佐々木は)タイミングを逃しましたね。でも、(佐藤)友和が来た時に反応してくれたんで。自分は内、外どちらでも行けるように準備してました。1着は自信になります。調子は良くて、展開が向けばという感じですね。地元に向けてしっかりやってきているけど、あんまり気負わずに頑張ります」
 車間を空けて河合をしっかりガードしてから追い込んだ朝倉佳弘が2着に。
 「河合君が本当にいいレースをしてくれました。3番手(の佐々木)に仕掛けられると、その後ろのラインも引き込んでしまうので、そうさせないのが僕の仕事だと思ってました。大塚君に抜かれちゃいけないんですけどね。2人で勝ち上がることが大事ですから」


<12R>

東龍之介選手
東龍之介選手
 後ろ攻めから上昇してきた竹内翼に合わせて、3番手の山中秀将が踏み込む。竹内は動けず7番手に戻り、初手の並びと変わらないまま打鐘を迎える。前受けから逃げる展開になった宿口陽一が徐々にスピード上げると、3コーナーから竹内が反撃。しかし、宿口の横でいっぱいになり、中団をキープした山中が最終バックから一気に前団を飲み込んで、白星を挙げた。
 「休んでいた期間もあったけど、今年は1着が少ないのでうれしいですね。(竹内に合わせて踏んだら)竹内が踏むのを止めたし、宿口も僕が行ったら突っ張る感じの素振りだったんで、それなら僕も踏む必要がないなと思ってあの位置になりました。脚的にはキツかったんですけど、みんな同時に踏んでたから、みんなキツかったと思います。僕が1車番だったんで、有利な位置にいれたんだと思います」
 山中マークの東龍之介(写真)が2着。地元GIIIで準決勝にコマを進めた。
 「(山中が竹内を突っ張ったのは)想定外でちょっと焦りましたね。でも、自分は外を踏めているし、あの展開でそこそこ踏めている感じがあるんで、感触は悪くないと思います。連日、山中さんが良いレースをしてくれてありがたいです」