『川崎競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:4月10日

 川崎競輪場を舞台にナイターシリーズで開催されている開設72周年記念「桜花賞・海老澤清杯(GIII)」は、4月9日に2日目が行われた。ホームバンクの松谷秀幸、郡司浩平の2人が、二次予選、ラストの12レースでワンツーを飾り、2日目の熾烈なバトルを締めくくった。シリーズも正念場、10日の3日目にはファイナルをかけて準決の3個レースで熱戦が展開される。
 川崎競輪場にご来場の際は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。本場では開催中の毎日、桜花賞オリジナルグッズなどが当たる「未確定車券抽選会」、場内のモニター配信によるレジェンド予想会などが予定されています。川崎競輪場、またテレビ、インターネット中継などで観戦をお楽しみください。

<6R>

古性優作選手
古性優作選手
 押さえて出た青野将大が先行態勢を取り、3番手は単騎の西川親幸をさばいた阿部拓真が奪取する。6番手でタイミングをうかがっていた古性優作(写真)は、青野がペースが上げるなかで打鐘の4コーナーから踏み込む。抜群の加速力であっさり前団を仕留めた古性が1着。
 「(出てからは)ちょっと(後ろが)空いてるように見えたんで、1回、回してって感じでした。ゆっくりペダリングができているかなっていうのはあります。はたから見たらゆっくり回しているというか、本気でこいでないようにっていうのが理想です。前よりはだいぶマシですね。難しいけど、それができるようになれば脇本(雄太)さんの後ろでも、もっと対応できるようになると思う」
 一時は古性に2車身以上の車間が空いた南修二だったが、さすがのリカバリー力で追いついて2着をキープした。
 「(古性には)なんとか付いていけたけど、しっかり追走はできてないので修正できたら。(古性と)脚力差があるように感じました。見た目は悪かったけど、感触的には良かったです」


<7R>

大坪功一選手
大坪功一選手
 九州ラインが押さえて出ると、4番手に引いた大石剣士と才迫開で重なり打鐘。ペースを握った山崎賢人は、落ち着いて最終ホームからペースを上げる。4番手を取り切った大石だったが仕掛けられず、大坪功一(写真)が番手から山崎を交わした。
 「展開に助けられました。まさか(大石が)前を取るとは思っていなかった。誘導も上がって突っ張られるかと思ったけど、出させてくれたし助かった。(山崎は)いつもならもうちょっと出脚がいいんじゃないかな。自分が交わせてるくらいだし。セッティングを変えたのがいい方向に出た。初日よりも緊張感が抜けていいですね」
 中団のもつれをしり目に風を切った山崎賢人は、初日特選に続いて積極策を披露した。
 「(押さえて出てから別線を)出してしまったら後手になってしまうし、そこは勝負どころだと思っていた。(状態は)めちゃくちゃいいわけではないですね。もう少し余裕が欲しい」


<8R>

島川将貴選手
島川将貴選手
 前受けから7番手まで引いた松井宏佑が、赤板2コーナー過ぎに巻き返す。先頭に立っていた島川将貴(写真)も合わせて踏んで、地元ラインを受けて4番手をキープする。松井がスピードに乗せて駆ける。が、4番手でうまくためた島川が、最終3コーナー過ぎからまくり気味に追い込んで突き抜けた。
 「藤井(栄二)さんより先に切っておこうと思った。3車出して4番手で、そこに自力選手がきたら勝負だと。内藤(秀久)さんは有名なマーク屋。バックで行っても3コーナーでやられると思って遅めに仕掛けた。(新車の感触は)ハンドルを(前回の)別府で使ったのに戻して乗りやすかった」
 逃げた松井宏佑は、2着に粘り込んで内藤秀久ともに準決に進んだ。
 「島川君が踏んでいるところを叩いて、最後まで踏み切れれば良かったけど島川君に負けました。調整不足。今日(2日目)はセッティングをいじった。でも、またハンドルとかサドルをいじりたい。まだつかみきれていないところがある」


<9R>

渡部哲男選手
渡部哲男選手
 河端朋之が反撃に出ると、新山響平は中四国勢を出させて中団をキープする。車間を取ってタイミングを取った新山が、まくり追い込むが伸びはイマイチ。打鐘3コーナー過ぎに主導権を握った河端の番手から渡部哲男(写真)が抜け出した。
 「1回緩んで、ここって思った時に(河端が)すかさず仕掛けてくれた。それでなんとか後ろの2人が。自分はセッティングをいじってはないけど、(初日に)走って思うところもあった。それで体の部分を調整しながら、今日(2日目)はアップした。自分がしっかり(河端を)残し切れたら良かったけど。4番手に新山君が入ってたのもわかったし、余裕がなかった。ただ、初日と比べたら全然良かった」
 瞬時の判断でまくりに構えた新山響平だったが、思惑通りとはいかずに3着は精いっぱい。
 「河端さんはもうちょっと遅めに来るかと思ってたら早めだった。それで出す準備をした。脚はたまってると思ったけど、まくりに行くのがヘタクソで風をあびながら行って、後ろに迷惑を掛けた。展開は良かった。でも、僕の技量不足です」


<10R>

佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 赤板1コーナーで押さえて出た北津留翼だったが、池野健太、蒔田英彦の順で出られて、結局は蒔田の先行で7番手に陥った。しかしながら、2コーナー手前から踏み出すと、力の違いで鮮やかに前団をのみ込んで連勝のゴール。
 「中団から切った上を切って先行したかったけど、バックが向かい風だったのもあって出られてしまった。鈴木(竜士)君が僕のところに降ってきたら終わってたけど、そのまま行ってくれた。バックが向かいなので、1センター目掛けて仕掛けた。展開と風向きに救われた。佐藤慎太郎さんが後ろなのに逃げられてないし、調子は良くわからない」
 北津留のまくりに続いた佐藤慎太郎(写真)は、最終バックで鈴木竜士にからまれるもさすがの対応で危なげなく続いた。
 「イレギュラーな形になった。でも(北津留が)力でねじ伏せてくれたね。自分が知っている(北津留)翼よりも一つ上の男になっている。敵になったらキツい。抜けそうかと思ったけど、1回からまれているんでキツい。(調子は)いいって感じはない。体調は悪くないけど疲れているのかな」


<11R>

清水裕友選手
清水裕友選手
 前団の6車を見る形で清水裕友(写真)が、タイミングを見極めて打鐘の2センターから踏み込む。佐藤幸治の先行を最終2コーナー手前でとらえると、あとは遅れ気味の桑原大志を気にかけながら二の足できっちりゴールを先頭で駆け抜けた。
 「早めに仕掛けてラインで決めたいと思っていた。みんな積極型が多くて、隙を見て仕掛けられた。新車は踏みしろがあって、前に出切れたらいい感じ。ニュートラル感が欲しいが、昨日(初日)より修正ができた。伸びは良くなっているし、一長一短はあるが、今節はこれでいきます」
 山口勢にスイッチした窓場千加頼は、ゴール前で桑原をとらえて2着。
 「ジャンの勝負どころでいい位置を取れたけど、清水君の(最終)ホームの巻き返しがすごくてスイッチの競走になった。前だったら見えていない状況でも、最近はSSがいても落ち着いている。清水君のスピードはどうこうできるレベルではなかったです。昨日、しんどかった分、今日(2日目)は良かった」


<12R>

松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
 7番手に引いた郡司浩平は打鐘過ぎから徐々に踏み上げて、合わせてペースを上げて逃げる末木浩二に襲い掛かる。郡司が、役者の違いで末木をねじ伏せる。南関ラインが出切ったところに瓜生崇智が迫るが、松谷秀幸(写真)のけん制もあって3番手まで。逃げる郡司を松谷が差し切った。
 「自分はすべて(郡司に)お任せで、迷惑を掛けずにできることをと。(最終)バックで瓜生君がいたので、仕掛けて来たのか、追い上げてきたのかわからなかったけど1回振った。それで4コーナーももう1回。自分の状態はすごくいいし、前回よりも全然いいと思う」
 ラインを気遣う仕掛けで松谷とホームバンクの2人でゴール勝負を演じた郡司浩平は2着。
 「行けるところでしっかり仕掛けようっていう感じでした。あんまり様子を見るような形にはしたくなかった。あとは(自分の態勢が)整ったら行こうと。(仕掛けは)踏み出しで思い切りっていうよりは、じわじわと上げていった。(ラインを)連れていくレース展開にはもっていけた。主導権を取ってどれだけ粘れるかと。2着だったけど、出し切るレースができたのはプラスです」