『川崎競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:4月11日

 川崎競輪場を舞台にナイターシリーズで開催されている開設72周年記念「桜花賞・海老澤清杯(GIII)」は、4月10日に3日目を迎えた。熾烈を極めた準決の3個レースでは、古性優作、清水裕友、郡司浩平が1着で決勝に進んだ。11日の最終日には、激戦を勝ち抜いた9人による決勝が行われる。17、19年に次ぐ3度目の桜花賞制覇をかけて臨むホームバンクのS級S班、郡司をはじめとした精鋭が優出。ファイナルバトルは見逃せない。
 川崎競輪場にご来場の際は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。本場では最終日も、桜花賞オリジナルグッズなどが当たる「未確定車券抽選会」、場内のモニター配信によるレジェンド予想会などが予定されています。川崎競輪場、またテレビ、インターネット中継などで観戦をお楽しみください。

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古性優作選手
古性優作選手

南修二選手
南修二選手
 ホームバンクの2人を連れた大石剣士が、押さえて先頭に立ち先行態勢を取る。新山響平も叩きに出るが、大石がペースを上げて主導権をキープする。外に浮いた新山を最終2コーナーで松谷秀幸が外に張ると、その外を踏んでいた古性優作(写真)がまくりで前団を仕留める。大阪コンビで後続を離して、古性の1着。
 「後ろから自分でレースを動かした方が、後方になってもチャンスがあると思った。(最終)2コーナーで新山君と接触しかけてバックを踏んでしまった。そこまではゆっくりペダリングできていたけど、そこからは焦ってしまいましたね」
 二次予選に続いて古性に流れ込んだ南修二(写真)が2着。
 「(2日目よりも)だいぶ修正できた。(セッティングは)今のところはこのままいこうと思う。あとは体調を整える。(古性の走りは)勉強になるんで、上のステージでもっと連係できるように頑張りたい」
 逃げた大石マークの松谷秀幸は、離れた3着もホームバンクで決勝にコマを進めた。
 「ジャンから全開で行ってくれたし(大石は)気持ちが入っていた。最後は島川(将貴)君に飲み込まれていないし、調子は良いと思う」

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清水裕友選手
清水裕友選手

山崎賢人選手
山崎賢人選手
 山崎賢人が赤板2コーナーから仕掛けると、接触した竹村勇祐が落車のアクシデント。それでも山崎が打鐘の2センターで出切って主導権を握る。清水裕友(写真)は番手に飛び付く。併走した大坪功一を最終1センターで張った清水が、山崎後位を奪取する。逃げる山崎との間合いを計った清水は、落ち着いて直線で抜け出した。
 「山崎さんが来たら中団を確保してからと思っていた。でも、アクシデントもあって、山崎さんが来るのが遅かった。どこかで併走になるならハコでもいいかなと。結構、泳がされたんで(自分が先行の)腹をくくれたら良かったけど。SSにしてはブサイクなレースだった。体調は問題ないです」
 二次予選は清水のまくりに車間が空いた桑原大志だったが、ここは危なげなく流れ込んだ。
 「(連係した清水に)迷惑を掛けないっていうことばかりで、気持ちに余裕がまったくない。今日(準決)は展開的に、なにもしてない状態だった。だから、離れるっていう感じはなかった。うれしい反面、すごく責任のある位置っていうのを感じはじめている」
 ラインの援護を失った山崎賢人(写真)だったが、逃げて3着に粘った。
 「すぐに(仕掛けて)行っても、清水君が脚を使ってない状態で中団だからと。それでワンテンポ遅く行ったら粘られた。考えすぎました。自分の感じは2日目よりもいい。いい方向にいっている」

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郡司浩平選手
郡司浩平選手

松井宏佑選手
松井宏佑選手
 先行の腹を固めた阿部拓真も全開で踏むが、打鐘の3コーナー過ぎに仕掛けた松井宏佑がさすがのダッシュで7番手から襲い掛かる。地元ライン3番手の内藤秀久は付け切れず、松井、郡司浩平(写真)で出切り3番手以下をちぎる。郡司は松井の余力を計ってきっちり追い込んだ。
 「(松井は)前から引いて立て直しても、もう1回(最終)ホームくらいで叩けるかなっていうのがあった。自分の調子は付いている分には問題ない。番手だったんですけど、1着が取れてホッとしている」
 次元の違うダッシュを披露して郡司とワンツーの松井宏佑(写真)の状態が良さそうだ。
 「(仕掛ける)タイミングはいい感じじゃなかったけど、阿部さんが駆けているところを無理くり叩いて、(郡司と)ゴール勝負ができたのは良かった。日に日に自転車と体がかみ合って、今日(3日目)が一番良かった。前回の松阪よりも全然いいですね」
 阿部を利した佐々木雄一は、最終バックから前の2人を追うが離れた3着まで。
 「(松井が)思いのほか来なかったんで、阿部も腹をくくって先行してくれた。自分は(最終)バックで後ろから(別線が)来ている感じがしたんで踏ませてもらった。脚の状態は変わらずにいい」