『川崎競輪 アーバンナイトカーニバル(GIII)レポート』 初日編

配信日:8月6日

 川崎競輪場で「アーバンナイトカーニバル(GIII)」が、8月5日に始まった。ナイターでの今シリーズは、前半のガールズケイリン「アーバンナイトヴィーナス(FII)」から見ごたえのバトルが展開された。初日のメイン、特選では中団から追い込んだ小林泰正が1着で好スタートを切った。また、一次予選では五十嵐力、齊藤竜也、松坂英司の川崎ホーム勢が勝ち星を挙げて、二次予選進出を決めた。6日の2日目は、ガールズケイリンで予選2、S級では二次予選で勝ち上がりが争われる。
 川崎競輪場では緊急事態宣言の発出に伴い、今シリーズは無観客での開催となりますので、ご理解をお願いいたします。テレビ、インターネット中継などでの観戦をお楽しみください。

<1R>

奥井迪選手
奥井迪選手
 5番手で車間を空けた奥井迪(写真)が、打鐘の4コーナーから詰める勢いで仕掛ける。奥井がスピードの違いで主導権を奪い、周回中から奥井後位にポジションを取った佐藤亜貴子が続く。合わせて動いた那須萌美が3番手に飛び付く。4番手から渡口まりあが車間を詰めるが仕掛けられず、前2人の勝負。佐藤の追撃を危なげなく振り切った奥井が1着。
 「取れた位置から、しっかり(最終)ホームでは出切ろうと思ってました。連なって押さえてくる感じではなかったので、引いて自分のタイミングで行こうと。暑さで重い感じはしますね。でも、逃げ切れたので。もっとタイムも良くないかなって感じの重さでしたね。自転車ごと藤田剣次さんのところに送ってセッティングを出してもらった。フレームも立川の時とは違う。今回はこのセッティングでいきます」
 1番車から奥井に照準を絞った佐藤亜貴子は、直線で追い込むも4分の3車輪及ばず。
 「内枠だったので、なるべく中団からと思っていたけど、けん制が入って中途半端になった。結果的にはいい位置でした。次々に押さえる感じなら自分も続いて奥井さんを後ろに置こうと思ったけど、1車だけだったのでしっかり付いて行こうと気持ちを切り替えた。奥井さんは後半の方が強いので踏み出しではあまり脚を使わないようにと思っていたけど、やっぱり奥井さんの踏み直しがすごかった」


<2R>

鈴木美教選手
鈴木美教選手
 スタートを出た飯田風音が、打鐘を通過してそのまま先頭に立つがペースは上がらない。4番手の鈴木美教(写真)を警戒しながら、2番手の中嶋里美が最終ホーム手前から踏み込んで風を切る。中嶋に飯田、三宅玲奈。4番手で車間を空けた鈴木はまだ仕掛けない。最終バックを通過して3コーナー過ぎからまくり気味に追い込んだ鈴木が楽に突き抜けた。
 「自分のタイミングで行けるところからと。みなさんが早い仕掛けで、自分は落ち着いていた。飯田さんが外にいて、そのスピードをもらって行けた。ホームの踏み出しが甘いので、そこは修正したい。4日制は松山でも経験をしているので、今回は大丈夫です」
 飯田を制してタイミング良く主導権を握った中嶋里美が、2着に逃げ残った。
 「飯田さんが駆けると思ったけど、ペースが上がらなかった。(自分も)先行するつもりでいたのでいった。冷静に踏み直せたので、思ったよりも良かった。暑いのは好きじゃないけど、レースだけなので大丈夫」


<3R>

尾方真生選手
尾方真生選手
 打鐘の3コーナー過ぎから5番手の尾方真生(写真)が動き出し、山降ろしで加速をして山口真未を叩いて先行策。尾方に藤田まりあが懸命に続いて、前受けだった山口は3番手に入る。尾方が他をクギ付けにして、二の足できっちりと逃げ切った。
 「山口真未さんが一番前を取ったんで、先に仕掛けようと思いました。自分のタイミングではいけました。ホームは追い風だったんですけど、バックの向かい風が強くて最後までもつかなと思って踏んでいました。でも、しっかり踏み直せました。バンクが重いのか自分の脚が回ってないのか、重く感じたんで調整をしたいです」
 思惑通り尾方後位を周回中に手に入れた藤田まりあは、尾方の踏み出しに集中して2着をキープした。
 「(尾方)真生ちゃんの後ろが取れれば最高だなと思ってました。そしたら初手で取れたんで必死に付いていこうと。後半は踏み直されたんで、全然抜ける感じがなかった。付いているぶんには大丈夫です」


<4R>

 福田晃が切った上を叩いて伊原克彦が打鐘から先行勝負に出る。5番手となった内山雅貴だったが、7番手に下がった嵯峨昇喜郎の巻き返しに合わせて早々と反撃を開始。ホーム手前で主導権を奪った内山がそのまま別線の反撃を許さず、番手を回った五十嵐力がゴール寸前で差し切った。
 「スタートは前か、前から2番目、後は流れで内山君に任せていた。内山君のダッシュが良いのは分かっていたけど、中団からカマしたのが予想外で口が空いた。追い付けて良かった。冷静に見えているし調子は悪くない」
 寸前で交わされて2着の内山雅貴も納得の表情で振り返る。
 「先行できるように初手を取ろうと思っていて、前の方がメンバー的にも先行できると思っていた。五十嵐さんにあとは任せてもらえたし、その場の展開に応じて先行しようと思った。中団を取れたけど、先行しようと思っていたし気にせずに先行した。森田優弥君や、黒沢征治さんと合宿した成果が出たかな」


<5R>

 菊池竣太朗、櫻井祐太郎の順で切ったところを松岡辰泰が一気に巻き返しにいく。しかし、櫻井に突っ張られて松岡は出られず、最終ホームで櫻井を叩いた藤井昭吾が先手を奪う。櫻井の番手にハマっていた松岡はこれで4番手となったが、櫻井が3番手に引き切った2コーナーで間髪入れずまくり反撃。2センターで藤井を捕らえて快勝した。
 「後ろ中団からは作戦通り。(前が)モツれて、仕掛けようと思って仕掛けた。同期対決で(櫻井は)やっぱり突っ張ってくるかあと。後ろが空いていたので、落ち着いて入った。藤井さんは仕掛けると思って4番手ならまくれると思った。櫻井が折り合ってなかったので、先に踏んで、小岩(大介)さんと勝負だと。移動の疲れとかも抜けて軽く感じた」
 小岩大介が詰め寄っての2着で九州ワンツー決着に。
 「(作戦は)きっちりと切って、藤井が行った時に、その3番手を取りたかったが(松岡が)すかさず行けばいいと。(松岡は)しっかり動いたと思う。(自分の状態は)前回が終わった後にギックリ腰になった。一昨日(3日)、動けるかなと思って(出場を決めた)。付いてはいけたし、抜けると思ったけど、力が入り切らなかったですね。でも、レースでは痛くなかった」


<6R>

武田亮選手
武田亮選手
 赤板1センターで先頭に立った成松春樹を、打鐘の3コーナーで武田亮(写真)が押さえてペースを握る。武田、中田健太まで出切るが、成松が3番手で粘り太田真一をさばく。最後方からまくった単騎の齋藤友幸は中団まで。直線で後続も迫って来るが、武田が押し切ってGIII初勝利。
 「後ろから押さえて先行と思ってました。(別線に)すごい先行するタイプもいないので、自分の思い通りにいけるかなと。今日(初日)は結構、緊張しました。ちょっと出し切れはしなかった。思い切り踏んだりはできなかった」
 別線との間合いを計り追い込んだ中田健太が2着。
 「(落車明けで)最低限、戦えるところかなと。今日(初日)が武田君を抜ける最初で最後のチャンスかなと思って抜きにいったけど…。もうちょっと自分が仕上がっていれば。強めに練習をしてきたので、その疲れが2日目以降に抜けてくれれば」


<7R>

 市橋司優人、佐々木龍、酒井雄多と順に動いた上を打鐘3コーナーで叩いて藤井栄二が先行策に出る。近畿コンビを受けて3番手を確保の酒井は、後方からまくってきた佐々木、市橋に並び掛けられても冷静に脚を溜めたまま。直線勝負でアタマまで突き抜けた。
 「車番が悪かったので前か後ろ。前を取ってイチかバチかカマす作戦だった。藤井さんが切るのが遅かったので、先に切ってあの形になった。緊張でフワフワしていたし、イチかバチかの展開だったら駄目だった。1カ月はほぼ師匠(成田和也)と一緒に練習していた。今回のS級は押さえ先行ばかりではなく、どうしたら勝てるかを考えている。今期はS級に残れる様に。良い流れはできたと思う」
 逃げた藤井をかばいながら踏み出した三谷政史は、酒井には伸び負けて2着に。
 「作戦は展開通り。栄二が先行しにいくと言っていたし任せていた。良いピッチで上がって行ったので、余裕はなかったけど、栄二を抜けているので。栄二を沈めたくなかった。控え室がすごく暑くて、外との気温差なのか体が重く感じた」


<8R>

 赤板1コーナーで前団を切った才迫開を、2コーナーで長尾拳太が押さえる。前受けから引いて7番手となった蒔田英彦だったが、打鐘2センターから一気にカマして出た。流し気味だった長尾を最終ホームで叩いた蒔田の主導権で、番手絶好の齊藤竜也が地元ホームのGIIIで嬉しい1着スタート。
 「(蒔田は)新人でもないし、何も言うことはない。ここだってところで行ってくれたし、頼もしかった。ここに向けてちょっと前からきつめに(練習を)やってピークが早くくるぐらい仕上がった。疲れが…と思ったが大丈夫。ここを目標にしていたので」
 3着に入った石川裕二を含めてラインでの上位独占に導いた蒔田英彦は、「車番が悪くて、前か後ろからで、前を取れたのは作戦通り。一番やりやすい展開になった。感触は悪くない。最近よくなかったので一から練習を見直して工夫をしてきたのがつながった。ラインで決まったのが一番」。


<9R>

松坂英司選手
松坂英司選手
 赤板2コーナー手前で外の三好陽一を張り気味に仕掛けた藤根俊貴が、地元勢を連れて主導権を握る。4番手に橋本瑠偉、金子哲大が6番手で一本棒の隊列になる。最終バックを迎えても別線は動けず、番手の松坂英司(写真)が、ホームバンクできっちりと勝機をモノにした。
 「(藤根は)流すことなくまくらせないように、いいペース配分でした。自分は重いかなっていうのがあったけど、あの(藤根の)先行は走りながらうれしかった。成田(健児)もタテ脚があるんで、最後は来るのもわかってた。1着は展開ですけど、自分も絶好調ではないけどやれないことはない」
 橋本を早めに叩いた藤根俊貴は、打鐘手前からペースを緩めることなく別線をシャットアウトした。
 「自分たち(のライン)は3車ですし、モガき合いになっても絶対に行こうと。絶対に先行と思ってました。初日からこういう走りができたのは、2日目以降につながってくるかと。ジャンから(最終)ホームでは自分のフォームがつくれたけど、バックからは踏みに変わっちゃった。そこを修正したい」


<10R>

 前受けの雨谷一樹は突っ張り気味に踏んでから、佐伯亮輔を出させて中団をキープする。単騎の疋田敏が打鐘過ぎにインを進出して、福田知也に競り込む。最終ホーム過ぎに福田が踏み勝つも、雨谷の踏み出しに遅れる。逃げる佐伯をまくりで楽にとらえた雨谷が1着。
 「佐伯君が先行だと思っていたし、ペースを上げて脚を使わせてから出させたかった。位置も取れたんでレースとしては良かったと思う。踏み出した瞬間にいけると思ったし、余裕もありました」
 離されながらも前団を乗り越えた福田知也が、雨谷から4車身差で2着を確保した。
 「最近ヨコに不安があったけど(疋田が)踏み出しで遅れてくれて助かった。雨谷にスタンディングでいかれて対応できなかった。本調子ではないけど、気持ちで乗り越えたい」


<11R>

原誠宏選手
原誠宏選手
 赤板過ぎに先頭に立った三好恵一郎は、簗田一輝を突っ張る。簗田が3番手に収まると門田凌が2コーナーから踏んで押さえて出る。後方から竹山陵太が巻き返すが、門田がペースを上げて逃げる。4番手がもつれ、門田ラインに流れが向く。番手の原誠宏(写真)が、直線半ばから踏んで門田を交わした。
 「門田君がすべてやってくれた。打鐘からいってくれましたからね。(駆けているのが門田だったんで)余裕はなかった。1着はだいぶ久々ですね。ウォーミングアップの時は緊張していたけど、これでいけるかな」
 ラインの舘泰守まで流れ込んで上位を独占した門田凌は、内容の濃い走りで順当に二次予選に進んだ。
 「打鐘と(最終)ホームはそんなに踏んでいないけど、竹山さんが来た時に合わせた。立ちこぎが良くなかったので、座ってペースに入れた。初日は先行基本にいこうと思っていた。初日に踏んだ方が、2日目以降が楽になると思います」


<12R>

小林泰正選手
小林泰正選手
 徳島ラインが襲い掛かると、小林泰正(写真)は突っ張り気味に踏んでから、打鐘の4コーナーで4番手をキープする。村田雅一にすくわれた坂本貴史は8番手に陥って万事休す。久米康平がリズム良く駆けて、番手の高原仁志に好展開か思われた。が、4番手の小林が3コーナー過ぎからまくり気味に追い込む。コースを縫った村田雅一との踏み比べに勝って1着。
 「久米さんが来るのが遅ければ突っ張ろうと思ってた。ただ、あそこからだと(坂本)貴史さんのまくりごろになってしまうんで、単騎の人たちが来ないように踏んでました。(前回と比べて)部品とかを戻したんで、かなりいいですし、脚の感触も前回よりもいい」
 単騎でまさかの9番手に置かれた村田雅一だったが、最終ホームで7番手に押し上げて、最後はコースを選んでシャープに伸びた。
 「(展開が)ちょっと読みづらいかなというのがありました。いろいろ考えていたら9番手になってしまったんで、1車でも前にと。見ばえが悪いレースになりました。筒井(敦史)さんが行ったので内のコースは消して、前の踏み具合を見てました。余裕をもってコースを見られてました」
 徳島ライン3番手の堤洋が、久米と高原の間を踏んで3着。
 「(久米)康平のダッシュがいいんで、そこだけは集中していた。(高原仁志を)抜いているんで調子はいいと思います。(初日は)3番手だったから気持ち的に楽だったけど、(2日目の二次予選は久米の番手で)緊張します」