『花月園メモリアルin川崎2010(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:11月27日


 川崎競輪場で開催されている花月園メモリアルin川崎2010(G3)は初日を終了。快晴に恵まれた本日は、予選、特選ともに各レース白熱した攻防の連続となった。2日目も見所は満載で、メインの優秀戦には地元の佐々木龍也を含め南関勢が四名エントリー。他にも超抜の動きを見せる長塚智広や、小橋正義らの強豪が勝ち上がり激戦を繰り広げる。
  本場ではたくさんのイベント、ファンサービスを準備して皆様のご来場をお待ちしています。28日(日)は、「天装戦隊ゴセイジャー」ショーや、競輪祭出場選手の壮行会(南関勢)及び、競輪祭レース展望、毎日抽選で200名様にクオカードの当たる抽選券を配布します。ぜひとも本場にお越しください。


<1R>
 先手を奪った永澤剛を佐藤康紀がさらりと交わして白星をもぎとった。ところが「永澤君を残せなかったのが…」と快勝にも歯切れはイマイチ。ただ「脚的には問題もないし、気持ちを切り替えて」と気を引き締めた。
  芦澤大輔は北コンビを追走し二着をキープしたが、「ダメですね~。絶好の展開だったし一着に突き抜けないと。ほぼサラ脚だったのに直線でまったく伸びなかった。2日目以降は色々と考えて走りたい」と首をひねる。


<2R>
前反祐一郎選手
前反祐一郎選手
   篠塚光一が主導権を奪うと、坂木田雄介と玉手翔のラインは中団併走で苦戦。結局は篠塚マークの仙石淳が直線で交わして一着に。
  「別線が中団狙いに見えたし、篠塚君が思った以上に早く踏んでくれたから自分にチャンスが巡ったようなもの。篠塚君は最後きつそうだったし残せなかった…」
  二着には平坂典也が。前反祐一郎の勢いを貰い大外を強襲した。
  「前反君はまだあれだけのスピードが出るんだね(笑)。脚には余裕があったけど、後方だったから届くとは思わなかった」
  前反祐一郎(写真)は任せた玉手翔が行けずと見るや、瞬時のジャッジで自力策を敢行。三着に入線し二次予選進出を決めた。
  「玉手君は押さえて脚を使い、中団キメられてバック踏まされてできつそうだったからもう踏むしかないと。ただ俺の距離じゃないし、バック向かい風だったんできつかった。それでも、練習では自力を出しているし、いざとなれば踏みますよ」


<3R>
佐野梅一選手
佐野梅一選手
   佐野梅一(写真)は後方に置かれながらも、鮮やかに立て直しバックまくりで前団を飲み込んだ。
  「バックが向かい風だったし、出だしは悪かったですね。でも三角から思った以上にスピードが乗ったんで、乗り越えられるだろうと思った。人気を集めていたし、ひとまずホッとしました」
  佐野ラインを追走し、じっくりと脚を溜めた吉田勇人が三着に。
  「本当なら何回も仕掛けるタイミングはあったんですよ。ただ、1~2レースを見ていたら前で脚を使うラインよりも後ろで脚を残したラインの方が有利に見えたから、とにかく脚を温存してチャンスを狙おうと思った。着は良いけど内容としてはあまり…。だから二次予選こそは力を出し切りたい」


<4R>
 主導権をにぎった村上直久後位に松尾淳が粘ってレースは混戦に。結局、松尾淳マークから直線中を鋭く伸びた大庭正紀が一着に。
  「作戦は松尾君に任せていました。最後は松尾君を見て、踏み場を探してと。車も伸びましたね。最近は流れに乗れないことが多かったし、これでうまく乗れればいいですね」
  松尾淳は必殺のイン粘りで村上後位を奪取した。
  「引地君が先なら駆けても良いかなと考えていたけど、村上君が先手ならば、地元だろうが粘って番手勝負と決めていました。あっさり取れたけど、そのあとの石井(毅)さんの追い上げが怖くて怖くて(苦笑)。最後は堪えたって感じです」
  松尾が話すように、石井毅はまさに“鬼の形相”といえる凄まじいものだった。
  「村上君が早めに踏んでいたし、松尾君のコメントが『自力』だったんで来ないと思った。油断したね。もうそこからは必死。何とか村上と決めたかったんだけどね」
  村上直久は「後ろに松尾さんが入ったのが分かったけど、もう少し粘りが無いと…。踏んだ感じもイマイチでした」と唇を噛む。


<5R>
 別線の若手機動型が中団でもたつくと、金山栄治がペース先行で翻弄。勝ったのはライン三番手から突き抜けた吉田健市だった。
  「前検日に周りの人たちから『三番手は伸びる』と聞いてたし、これはチャンスだと思って脚を溜めてじっくり待っていました。それでも直線まで待って踏んだつもり。初日が大事だし、突破できて良かった」
  金山援護に徹した小林寛尚は二着に。
  「誰も粘る気配が無かったし、まくりも飛んで来なかったから仕事に専念できた。最後は吉田さんに食われてしまったけど、あれは仕方ない。別線に行かれなかったわけだから良しとします」


<6R>
 西谷岳文が二車ながら押さえ先行で主導権をにぎると、中澤央治が絶好展開をモノにした。
  「いやぁ~、もう展開一本ですよ。最近の中で、こんな楽に番手を回って勝てたのは久しぶり。最高の流れで次を走れそうです」
  西谷岳文は末欠くも三着入線で二次予選へ。
  「周回中から重くて、重くて。押さえた時点で脚は一杯でした。ただ逃げてこの着だし、バンクコンディションを考えれば上出来です」
  直線外を強襲した高比良豪が二着に飛び込んできた。
  「作戦と違う展開になったし、内容としてはちょっと…。ハッキリ言って位置取りの失敗で下手くそなレースでした。もっと考えて走れれば、野田(源一)さんも連れて行けたのに。反省です」


<7R>
上原龍選手
上原龍選手
   打鐘で後方まで車を下げた上原龍(写真)が、三角からまくり気味に追い込んだ。ところが、レース後に出てくる言葉は反省ばかり。
  「踏むタイミングはいくらでもあったけど、最近は調子を落とし気味で練習の裏付けもないから自信が無くて踏めなかった。手島(達矢)さんが強いから何とか二人で確定板に乗れたけど、思えば危ない展開だった。ただ、修正ポイントも把握できたし何とか立て直したい。内容がゼロだし、これではただ一着を取っただけになってしまう」
  山岸正教は逃げた増成富夫のラインから先まくりを放った。結果は二着でも、表情は納得ずくといった感じ。
  「勢いをもらっていたし、踏み出しも良かったから三角でシュッと出切れるイメージだった。でも、その上を行かれているわけだから上原君のスピードが違ったんでしょう。それでも自分としては感じも良いし、単騎でこれだけやれたんだから、2日目に続く競走だったと思います」


<8R>
内藤秀久選手
内藤秀久選手
   一次予選のメインレース。ここでは根田空史がパワー駆けで別線をあっさり完封。ラインで連独占を決めた。
  「打鐘から流さず小細工せずにどこまで粘れるかと、A級時代の気持ちで走りました。終わってからも楽だったし、またすぐ走れそう(笑)。前回の松戸から明らかに調子が上がってきたと実感しました。今回は相当良いと思う」
  内藤秀久(写真)は根田を徹底援護。道中ハコを狙われながらも必死で食い下がった。
  「もう意地と意地のぶつかり合い。どうにか守ると気持ちで走った。抜けなかったけど、収穫はあった。今回は少し疲れがあるけど、気持ちで乗り越えようと思っている。そういう意味でも、初日に仕事をしてしっかり予選を突破できたのは大きいし自信になる」
  三着の野村純宏も地元の執念を見せた。
  「奥谷君が降りて来たときにガクってなったけど、うまくこらえられた。最後、差し返したかは半信半疑だったけど結果的に三着だったんで納得です」


<9R>
佐々木龍也選手
佐々木龍也選手
   ここからは特選レース。志村太賀の番手にハマり込んだ岡村潤が直線で抜け出すと、その後位から佐々木龍也(写真)が鋭く伸びた。
  「岡村君が前に前に攻めてくれたお陰です。今回は欠場明けで少し不安もあったけど、いざ競走になればそんな気持ちは吹っ切れた。それにしても今日はファンの声援がすごかったなぁ。今回は花月園の名前が入った大会だし、ひとつでも上を目指して2日目以降も頑張りたい」
  岡村潤(三着)は「中団狙いで前に踏んだら流れで先行に。ペースに入れようとした時に、志村君がひとりで飛んで来たから、出して様子を見ました。ラッキーといえばラッキーだけど、立て直す余裕もあったし踏めていますね」とレースを振り返る。
  人気を集めた小川勇介はまくり不発に。
  「前がやり合う展開を想定していたけど、そう甘く無かったですね。佐々木さんが降りてきたときに思い切りバックを踏まされて、仕掛けるタイミングがつかめなかった」
  志村太賀は「今日は後ろに置かれてはきついし、前々に攻めようと決めていました。その結果なので…」と言葉少な。


<10R>
長塚智広選手
長塚智広選手
   ここでは長塚智広(写真)が変幻自在の立ち回りで別線を翻弄。踏んで止めての強じんな二の脚を見せ付け、仕上がりの良さをアピールした。
  「今日は後ろが宗景(祐樹)さんだったし、自力でどれだけやれるかって気持ちでした。でも、いざ競走になるとああなりましたね。萩原(孝之)さんのところを狙ったのも、白戸(淳太郎)さんの内を掬ったのも、流れの中でタマタマ。今は無理して流れに逆らわずに走れているから結果につながっているんだと思う。あとは神山(雄一郎)フレームの威力ですね。これを使ってから悪いことが無い」
  『敢闘賞』は宗景祐樹だろう。“長塚ワールド”に臆することなく食い下がった。
  「長塚君のあの手の競走には慣れてたし、あらかじめ読めていた(笑)。変にカマされて追走で苦しくなるよりも、ヨコに動いてくれた方が、実は僕にとっても走りやすいんです。ただ、常に気を抜けずに走っていたから、最後抜くだけの脚は残っていなかった」
  岩本俊介は後続のもつれ、からみを尻目にペースに持ち込み三着に逃げ粘る。レース後は「道中で流しすぎた面は反省だけど、全体的には踏めていた。みんな川崎は重たいと話しているけど、自分はそれほどでも。後ろがバラけてしまったけど、自分の中では収穫があった」と手応えを実感した様子だ。
  2センターの勝負どころで長塚に内を掬われた白戸淳太郎は「後ろに長塚君が入ったのはわかっていたんだけどなぁ~。完全に油断。もっとしっかりしないと!!」と反省モード。
  守谷陽介はまくりを阻まれるも「仕掛けどころは悪くなかったし、出足も良かった。2日目は大丈夫でしょう、きっと」と早々と二次予選に向けて気持ちを切り替えた。


<11R>
佐々木雄一選手
佐々木雄一選手
   ホームカマシの五日市誠を利した佐々木雄一(写真)が直線を鋭く突き抜けた。
  「五日市の行きっぷりの良さに自分がうまく乗せてもらっただけ。二車なりに援護したつもりだけど、さすがにきついよね。それでも直線ではしっかり踏み込めたし、脚の感じは良かったです」
  三谷将太(二着)は中村一将に惰性を借り、直線で飛び込んできた。
  「中村さんに任せた結果だし、何もかも中村さんのおかげ。最後は外を踏もうと思ったけどコースもあったんで内へ。それほど極端に重い感じもしなかったし感じは良いですね」
  小橋正義は牛山マークから三着をキープした。
  「バックで詰まっていたから牛山君はあそこでいけば面白かったのにね。いつも強い競走をしてくれるし勿体無かったよ。自分の感じは特に変わらずいつも通りです」
  風を切った五日市誠は「順番が来たから駆けただけ。初日に動いた分、2日目は軽くなるでしょう」とサラリとしている。
  牛山貴広は中団確保も車が出ずに着外に沈んだ。
  「詰まっていたけど、ちょっと踏むポイントがずれてしまい思うように走れなかった。本当はバックまくりが正解でしたよね。脚に余裕があっただけに勿体無かったです」
  人気を背負った坂本健太郎は後方で成す術なく終わった。
  「周回中は変にスカスカして驚いた。2日目以降も全力で走るつもりだけど、ちょっと感じが変。どうにか立て直したいですね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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