『花月園メモリアルin川崎2010(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:11月28日


  花月園メモリアルin川崎2010(G3)は2日目を終了。本日メインの優秀戦を制したのは長塚智広。縦横無尽の立ち回りで強敵たちを翻弄し、最後は怒涛の追い込みを決めて快勝。準決勝に向けて大きな弾みを付けた。
  なお、明日29日(月)も澤山のイベントを用意して皆様のご来場をお待ちしています。200名様にクオカードが当たる抽選券の配布や、早朝予想会、競輪選手によるトークショーなどが行われます。どうぞ、川崎競輪場へお越しください。


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萩原孝之選手
萩原孝之選手
    ここから二次予選がスタート。レースは好位をさばいた佐藤朋也が西谷岳文をまくると、さらにその上を萩原孝之(写真)がまくり切り一着をさらった。
  「佐藤(朋也)君が良い目標になり、バック過ぎからスピードに乗せられた。ただ彼が4.33の大ギアでどんどんカカっていったから結構きつかったです。それでもまくれたし、松永(晃典)さんも三着に入ったから満足です。調子は日に日に良くなっている感じがする」
  佐藤朋也(二着)は大ギアながら、打鐘過ぎに内を突き、1センターでは平坂典也を飛ばすなど機敏に立ち回った。
  「たまたまですよ。打鐘過ぎは西谷さんが外ばかり気にしていたから内へと。そうしたら平坂さんの位置が空いていたから、外に車をやりながら、前に攻めるイメージで踏んだ。たまたまどかせただけで、意識して飛ばしに行ったわけじゃないんです。それに前も踏んでいなかったですからね」
  松永晃典は三着をキープし、何とか準決勝進出を決めた。
  「オッズを見たら萩原君から僕が一番人気だったので緊張しました。ワンツーを決められずに申し訳なかったけど、三着なのでね。今日は三角を越える辺りがかなりきつかったけど、練習の裏付けもあったから乗り越える自信はあった。調子が悪かったら伊藤(健詞)さんに一発もらって終わっていたと思います」


<6R>
五日市誠選手
五日市誠選手
    主導権を握った松尾淳の後ろが大渋滞に。三角でようやく番手を奪った五日市誠(写真)が直線で最内を追い込んだ。
  「最終ホームまで内を空けずにと思って走っていたら、松尾さんが斬ってきた。もう車を下げられない状況だったし粘ることに。一車なら内から飛ばそうと思ったけど、外にもう一車いたからそこまで動けなかった。踏み場が空いてからはもう一気に踏むだけでした」
  松尾淳は「とにかく前に出てから考えようと思ってた」と“成り行き先行”の経緯を説明する。
  「まさか自分が先行するとは考えていませんでした(苦笑)。五日市君や志村(太賀)君が内にいるのも分かったから、楽にペースで駆けられた。ただ、(番手の)吉田(健市)君がからまれていたし、まくりが来たときは自分で仕事をするしかないと覚悟していたから内が空くのは仕方ないとも思ってた。二着は仕方ないです」
  吉田健市は「ずっとアンコの状態でからまれていたけど、逆に気合が入った。競り負けたように見えるけど最後は五日市君が内に踏んでくれてコースができたし、かえって良かったかも」と結果オーライに納得げ。


<7R>
濱田浩司選手
濱田浩司選手
   濱田浩司(写真)は戦い慣れぬ単騎戦をものともせず、村上直久ラインに乗り先まくり。直線で中村一将の追随もしっかり振り切った。
  「単騎だったから気楽に走ろうと。村上君が逃げるだろうし、そこから行けるタイミングを計っていました。二角で一回仕掛けに躊躇してしまったけど、そこからは慌てずに踏めた。ただ、当日上げたギアが重たかったのがちょっと誤算。3日目は下げると思います。まだ確定ではないですけど」
  中村一将は「中団を取りに行った時にバックを踏んでしまいかなり脚を使った。そうしたら濱田君がすかさず踏んだんで、慌てて付いていった。濱田君は大ギアでスピードも上がっていたから良い目標になりました」
  中村マークの中澤央治(三着)は「中村が内をしゃくったときにバックを踏んできつそうだったから、“濱ちゃん、まくってくれ”と願っていました(笑)。最後、横山(邦彦)さんとコースが被り本当にきつかった。よう凌げたと思う」とレースを振り返る。
  風を切った村上直久はあっさりまくられ着外に。
  「自分は挑戦者のつもりで駆けた。行かれたのは単純に力不足です。ラインから勝ち上がりを出せずに申し訳ないです」


<8R>
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
    金山栄治がホームからカマすと、マークの山岸正教が離れ関東コンビがハマった。好展開に恵まれた牛山貴広をマークの芦澤大輔(写真)がズブリと交わして白星を手にした。
  「牛山さんとは相性が良くて、いつも積極的にいってくれる。なので仕事は絶対にしたかった。今回のレースでは最低限の仕事はできたかな。選手宿舎でマッサージをして身体の感じが良くなってきたし、ここで弾みを付けられたので準決勝もしっかり走りたい」
  牛山貴広は二着にも「芦澤君がうまくアシストをしてくれたから展開がこっちに向いた。実はハコに入ったところで脚が一杯でした。初日よりは悪かったかも。どうにか立て直したい」
  室井竜二は守谷陽介から早々と切り替えると、脚を溜めて最後は踏み場を探し三着をキープした。
  「ホームでもう下がれない所まで来ていたし、こっちもきつかった。守谷君も頑張ってくれたんだけどね。立て直してからはコースを探して踏みました。ただ、ずっと流れるところが無くて最後まで厳しかった」


<9R>
横田努選手
横田努選手
    上原龍が、二車で先行した永澤剛の三番手を確保すると、2センターからまくり気味に追い込んだ。
  「まさか二連勝で勝ち上がれるとは。道中では好位が取れたしとにかく脚を溜めて早めに行きたかった。でも、佐々木(健司)さんが前でブンブン車を振って警戒していたから、なかなか前に踏めずに仕掛けのポイントが狂った。でも二連勝ですし良しとします」
  横田努(写真)は上原に食い下がり二着に。
  「上原君は強い。今日は『自分のタイミングで思い切って行け』とだけアドバイスしておきました。自分自身は、初日よりは若干調子は戻ってきた感じがする。あとはセッティング、内容を含めて煮詰めていきたい」
  前残りで三着の佐々木健司は「とにかく永澤君のおかげ。カカっていたし、もう一人いれば、もっと違った結果になっただろうね」と永澤の頑張りを称える。
  人気を集めた坂本健太郎はまくり不発で着外に。
  「中団を取りに行ったら、篠塚(光一)君と被ってしまったのが痛かった。すんなり北ラインを追えなかったのが敗因です。あとは上原君がもっと早く踏むと思った。他人任せではダメですね」


<10R>
白戸淳太郎選手
白戸淳太郎選手
    初日に続き根田空史が迷い無き積極策で他を圧倒。白戸淳太郎に交わされたものの、初日に続きラインでの確定板独占を決めた。
  「うまく踏み止めもできたし、距離にも全く不安がなかった。出切ってからも余裕があったし、準決につながる競走だったと思います」
  白戸淳太郎(写真)は初日の名誉挽回を遂げた。
  「根田君の駆け方が絶妙で、仕事がしやすかった。ただ、四角でブロックした際は、初日の失敗が頭をよぎり緊張してしまった。でも凌げたし良かった。控えめにですけど、ここから巻き返していきたいですね」
  三番手を固めた石井毅(三着)も「根田君なら、駆けてしまえばラインで決まると信じていました。安心して三番手の仕事に専念できた」と根田を絶賛する。
  佐野梅一は後方まくりで迫るも、惜しくも届かず四着に。
  「根田君だけ上がってくれば粘ろうと思ったけど、小川(勇介)君も一緒だったから引いてまくりに賭けようと。踏み出しも良かったし、小川君のあおりがなければ面白かったですけどね」
  小川勇介は中団からまくるも、阻まれて大敗を喫した。
  「最近は仕掛けが遅かったから、早めに踏みました。出だしで乗り越えられるかな?と手応えがあったけどダメでしたね。勿体無かったです」


<11R>
長塚智広選手
長塚智広選手
   最終レース・優秀戦は、岩本俊介が主導権を奪取。すると長塚智広(写真)がスルスルと追い上げて四番手の岡村潤をどかすと、すかさず外から番手に追い上げ取り切った。直線では容赦無い渾身差しを披露。好調ぶりを大いにアピールした。
  「岡村君の位置? 引けなくなって詰まったら、ちょうど岡村君がいたんで。どかしてからカマそうか考えていたら、岩本君が踏んだんで一緒に付いていきました。そうしたら番手に入っていた。初日も話したけど、流れに逆らわないのが一番でしょう」 
  長塚マークの宗景祐樹は「もう慣れましたよ。長塚君が番手を取った時点で、後ろをしっかり固めておくことだけに専念していました。日に日に脚の状態は上向いています」と阿吽の呼吸を決めてニンマリ。
  地元の細川洋が内々をしぶとく踏み続け三着に入った。
  「展開が目まぐるしくて、佐々木さんと連結を外した時点でとにかく前々にいなくてはと必死で踏みました。ずっと重かったけど、溜めてどこまで伸びるかが勝負と思ったんで、最後まで集中していた。連日、結果がでてうれしい」
  岩本俊介は粘りを欠き四着に沈んだ。「後ろがゴチャついたのは分かったんだけど、自分は腹を括って駆けるしかなかった…」と淡々と競走を振り返る。
  佐々木雄一はホームカマシに打って出るも、岩本に合わされ万事休す。
  「長塚さんの動きも何となくあるかなと読んでいたから、叩く準備はしていた。でも簡単に合わされましたね。ただ、とっさに身体が動いたし流れは見えていると思う」
  佐々木龍也は番手を明け渡し、「車体故障では無いです。油断しました…。準決こそは岩本君を援護してラインで決めたい」とリベンジを高らかに宣言する。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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